SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

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坂本龍一の曲を聴いて思った事

BSで坂本龍一のコンサートがやっていた。彼の寂しげで、どこか懐かしい響きのする曲を聴きながら、昔のコミックの最終回を思い出していた。
 
昔のコミックの多くは、最終回になると、「もう、こいつらに会えなくなっちゃうんだな」と思わせる寂しさがあった。それだけ、キャラクターに魅力があるのだ。また、中途半端に終わったり、引き延ばされたりしないので、ストーリーが綺麗に終わる様な所があった様に思う。
 
そういう綺麗さが何となく、夏のひととき、涼しげな風が一瞬吹いて、振り向くと、また蒸し暑い夏が続いている様な、ちょっと寂しいイメージなのだ。またそういう漫画に会いたいと思うが、今の漫画にはそういうものを感じないのは、私が変わったのか、それとも、漫画の方が変わったのか分からない。
 
なぜ、そういう清々しい風の様な漫画なのかと考えてみると、やはり、真っ直ぐな性格の主人公がいて、正々堂々がんばって、輝き抜いた結果なのだと思うのだ。そういうストレートさが、人の心を洗うのだ。そして、そういう気持ちのよいキャラクターと別れるのが寂しいという感じになる。今の漫画のキャラクターは最初から才能が与えられて、一生懸命がんばったりしなくてもよくて、何でも出来ちゃう。
 
都合が悪くなると、才能のインフレーションが起きて、すぐに解決なんてワンパターンな漫画には感動しない、本当はね。一生懸命頑張って、頑張って、頑張り抜いて、輝き尽くした所に、読者も一緒になって読むのに頑張ってしまったりする。そういう漫画だと、最終回になった時に寂しいのだ。
 
イメージとしては、映画カリオストロの城の終わりのところで、銭形警部のあとのシーンでルパン達が去っていく所、ちょっと寂しい。とにかく、必死に頑張って、ルパンが一人の女性を守り抜いた後、去っていく様は、見る人間に寂しいと思わせる。それだけ気持ちよく爽快感のある終わり方。
 
そういう綺麗な終わり方の出来る作品に再び出会いたいのだが、最近は会えない。それが寂しい。