SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

Pref..
Speech
STOP
Follow..
QR Code
|◀
▶|
QR
×
voice
volume
0
rate
0
pitch
0

私が勝てない理由

恐れられていた自分
 
子供の頃、家族に理由もなく否定される亊が多かった。理由を聞いても、無視され、ただ、それは「そういうものだから」という全く理由になっていない弁明を聞く事が多かった。今にして思えば、私は恐れられていた。私は自分が弱い人間だと思っていたから、恐れられているのではなく、馬鹿にされているのだと思った。
 
つまり、自分が愚かで間抜けだから、理由を言う事すらしなくてもいいと舐められているのだと思った。だが、実際は恐れられていたのだ。なぜなら、相手の主張を論破し、裁きにかける様な喋り方は、十分、相手に恐怖を与えていたと思う。
 
私は自分が馬鹿にされていると思って必死に主張したが、その行為そのものが、相手を余計に恐れさせる結果となった。大人の私から見て、子供の私は相手の言葉をえぐってギチギチの論理で叩き潰すやりかたは、十分大人を恐怖に突き落としていたと思う。しかし、私が自分が弱いという意識があったので、相手は自分を上位者として権威的に主張する事で、私の批判をかわす事が出来た。
 
私はある一定以上の追求はしなかった。自分が弱いという自覚は、相手にとどめを刺す事をためらわせた。しかし、トドメを刺してしまえば良かったのだ。そうすれば、私は勝っていた思う。つまり、勝利とは自分が勝てると思う事で、最後までやり抜く事でもあるのだ。
 
私は自分が弱いという自覚が強すぎて、本来勝っているであろう事も負けてしまっていた。実際、強い訳ではないのだが、言葉の上で勝利しており、後は最後まで続ければいいだけだった。言葉で勝って、権威に負ける。これが私の負け方だった。私は相手を潰さなかった。潰す事で反撃される事を恐れていた。
 
私が自分をネズミだと思っていたから、猫がネズミである私を恐れる筈がないと思い込んでいた。しかし、恐れられたのは、私がネズミではなく虎だったからだと重言う。虎の子供で、猫と同等かそれ以上の力を持っていた。でも自分がネズミだと思い込まされ、虎なのにネズミだと思い込まされていた。
 
だから、負けた。勝利できないという自覚は、勝利できるものを負けさせる。
 
私は勘違いしていた。例え自分より遥かに有能であっても事実には勝てないと。
 
つまり、勝利には、自分は勝てるという自覚が最低限必要なのだ。そうでないと勝てるものも勝てなくなる。そういう意味では、私の家族は、私の自尊心を叩き潰してばかりで、子供の私に何も与えなかった。最低の家族だったと思う。