SKY NOTE

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三越池袋店閉店に見るコンテンツ産業の行く末

三越は、江戸時代に越後屋として創業した。当時、革新的だった「薄利多売」という革新的なビジネスモデルを産み出し、その後も日本初のデパートに改変するなど、革新的な業態を繰り出して発展していった。しかし、今やデパートという業態そのものが陳腐化しているのにも関わらず、新しい業態への変化が遅れ、当時の革新性は今や見る影もない。そして、今回の金融危機の煽りを受けて、池袋店が閉店した。
 
この三越池袋店が、今の日本のコンテンツ産業に思えるのである。ネット販売による薄利多売という新しい業態への変化を頑に拒み続け、時代の流れについていけず、従来型の業態にこだわるあまり、衰退していく姿を見るのは、あまりにも忍びない。
 
海の向こうではiTunesという形で音楽やビデオがネットで薄利多売で売られている。CDやDVDの高利潤時代は終わっているのである。代わりに薄利で薄く広く売る事で利潤を産み出している。古い業態にこだわる人は、あまりにも利潤が薄すぎてコンテンツ産業が衰退してしまうという意見も聞かれるが、ネット販売によって外国の音楽会社やビデオ制作会社が潰れたという話を聞いた事がない。潰れていないという事は、十分やっていけるのである。
 
つまり、古い業態にこだわる人達の意見には根拠がなく、むしろ、新しい時代に適応できていない事こそ、日本のコンテンツ産業の危機なのである。つまり、今古い業態を維持しようとしている人達こそが、日本のコンテンツ産業のガンであり、否定するべき存在だと言える。新しい時代に適応できない事が、結果として衰退を生むのである。コンテンツ産業三越池袋店の様にならない為には、旧態依然としたビジネスモデルを捨て、新しいビジネスモデルに移行する勇気を持つ事である。
 
越後屋が呉服を薄利多売をしたのは、沢山の人がいい呉服を着て喜んでもらいたいという思いがあったればこそ成功したのだと思う。そういうお客様を中心とした姿勢のない商売は、成り立たないのである。その証拠にiTunesは成功している。Appleもまたお客様を中心に考えている会社だ。だからこそ、成功しているのだ。同じ様な製品を先に作っていたのにも関わらず、失敗したソニーは、著作権管理を面倒にし過ぎてしまった。つまり、ソニーはお客様よりも、著作権者を中心に考えてしまった。それでAppleに負けた。そして、恐らくソニーの音楽会社よりもAppleiTunesの方が著作権使用料を著作権者に払っている。
 
つまり、この現状を見れば、CDやDVDにこだわり過ぎて、ネットで販売しない事は視聴者にとっても、著作権者にとっても利益にならない亊が分かる。重ねて言うが、現実を見れば、文化庁を中心とする文化を守るという名目で、旧来のビジネスモデルを温存しようとする事は、実際には文化を壊しているのである。つまり、日本のコンテンツ産業衰退の原因は、過去の業態から脱皮できない日本のコンテンツ企業の古い体質(保身)そのものなのである。
 
新しい業態(ネット)に古い業態(ディスク)は駆逐される。早い段階で新しい業態に移行しないと、古い業態からは利潤が望めなくなり、再帰不能になって自滅。自滅する前に新しい業態へ移行する事で、衰退は食い止められる。それが時代の流れというものである。それに逆らうものの運命は、砂上の楼閣と言った所だろうか?(人々の支持が得られない商売は滅びるのみなのだ)