SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

Pref..
Speech
STOP
Follow..
QR Code
|◀
▶|
QR
×
voice
volume
0
rate
0
pitch
0

OpenCLに見る変革の波

私は常に問題の根治を目指すあまり急進的になり、それが抵抗を呼び失敗することが多い。新しいものは常に旧来の発想に抵抗される。だが、OpenCLは、極めて短期間に認められた。それは現在の閉塞状態から脱するために最も有効な選択肢とされたからだと思う。つまり、未来のニーズではなく現在のニーズとして、OpenCLのような革新的規格が必要だったのだ。

世の中は、未来のニーズには疎いが、現在のニーズに対しては敏感だ。環境問題も同様で未来に問題が起きると言っても誰も見向きもしなかったが、一度、金融危機が起きて、内需拡大のために環境産業が必要だとなったら、途端に話が変わってきた。

つまり、革新を促すには未来の話をしては駄目で、その未来が現在にどのように役立つか提案できることが必要なのである。新しいことをするとき、それが産み出す未来の話は、とても楽しいものだが、だが、それが現在にどのような価値があるのか提案できた方がいいのである。

現在の価値が提案できればとんとん拍子に話が進むということをOpenCLや環境産業へのニーズが証明している。どうも私は未来にこだわり過ぎるあまり、「今」をよく見ていなかったようだ。よく考えれば未来の技術であっても、「今」に対して非常に有効なものがあるのだ。そういうものを提案していけば、新しいことが認められるようになると最近感じるようになった。不況や閉塞状況は変革のチャンスだ。古いものが自滅し、新しいものが前に出る。そういう意味では悲観することばかりではないなと思う。
 
未来に強く過去に弱いIntelLarrabee
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/1225/kaigai482.htm

OpenCLは3Dグラフィック、画像認識など、並列処理が多用される処理を一手に握ろうとしている。また、膨大な情報を並列に処理する様な高度なシミュレーションにも活用でき、非常にスケーラビリティが高い。その上、GPUDSPが持っている独自の方言に共通語を提供するという点でも大きな革新と言えるだろう。

OpenCL
http://ja.wikipedia.org/wiki/OpenCL

C言語をベースにしている並列処理言語として、これから新しい世界を切り開いていくのは明白だが、やはり、現状ニーズとしてはOpenCLを使ったQuickTimeによる動画エンコードが、SnowLeopard(MacOS 10.6)で、どの程度実装されているか興味深い。それが分かるのはMacWorld Expo 2009だろうから、2009年はOpenCL実用化元年と言えるのではないかと思う。

OpenCLの予想されるニーズ
 2009 動画エンコード/超解像処理
 2010 3Dグラフィック(OpenGLを内包)
 2011 ホログラフィック液晶(裸眼立体映像)の3D処理

「いざ我らくだり、かしこにて彼らの言葉を乱し、互いに言葉を通ずることを得ざらしめん。ゆえにその名は、バベルと呼ばる...」
旧約聖書の一節、パトレイバー劇場版での後藤隊長のセリフ

共通の言語としてのOpenCLと、それがソフトの力でハードの機能を代替するという形態が映画の中の帆場のプログラミングスタイルにシンクロしている様に思えたから。そして、それが産み出す仮想社会への変革について思いをはせるとき、ソロモン王の亊を思うのだ。

画像はWikipedia commonsより(画像をクリックすると拡大します)

くれぐれも神の鉄槌が下りません様に...