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SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

MIT、既存の3Dスキャナが1000倍高精度になる技術を開発

MITが既存の3Dスキャナを1000倍高精度にする技術を開発した。

 既存の3Dスキャナが1,000倍高精度になる技術、MITが開発
 http://www.gizmodo.jp/2015/12/3d1000mit.html

従来の3Dスキャナは、精度が低く、形状の再現性が低かった。それをMITは、偏光技術を使い、Kinectをベースにした3Dカメラを使って従来よりも1000倍高精度な3Dスキャンを可能にする技術を開発したという。では、サンプルを見てみよう。

 MITの3Dスキャナーのサンプル
 
 左端:kinect、中央:レーザースキャナ、右端:MITの3Dスキャナ
 
サンプルを見ると左端のKinectは解像度が低くて、ガタガタしているのに対し、右側のMITが開発した3Dスキャナーは滑らかに曲面を再現しており、高い品質の解像度(3D情報)を持っている。その品質は中央の高価なレーザースキャナーの性能すら上回っている。もっというと、拡大図を見ると、表面の細かい凹凸も正確に再現している。

この技術は、物体から反射する光の正確な方向を測定するとの事。その仕組みは、kinectのような既存のテクノロジーによる深度測定データと3つの偏光フィルターから得られるデータを融合して精度を高めているという。その計算処理は既存のゲーム機の標準的なGPUで可能との事、偏光フィルタも既に市場に出回っているものが使えるという。つまり既存の技術で低コストに出来るという事。

 この3D技術のMITのPDF(訳分からん数式とグラフが書かれている)
 http://web.media.mit.edu/~achoo/polar3D/camready/manuscript_iccv.pdf
 画像サンプルでかろうじて、何をやっているかおぼろげに分かる。

ここからは、自分が見た感じ、正確ではないかもしれない。偏光フィルタで、光の方向の割り出しに必要な光を抽出(3点必要)、物体の凹凸によって変化する反射光の方向を3点の偏光から割り出し、そこから物体の形状を推測し、3Dデータ化する処理を行う。

さて、この3Dカメラの用途だが、かなり幅広いといえる。従来、奥行き情報の品質が低くて使えなかった分野に対しても、この技術によって一気に実用レベルに達していると思えるくらい、品質が高い。

 
 左がオリジナル、右上がKinect、右下がMITの3Dスキャナ
 →画像をクリックすると拡大します。

サンプルを見ると従来のKinectが像の顔がガタガタで品質が低いのに対して、MITの技術は、見事に顔の凹凸が滑らかに高品位に再現できている。飛躍的にデータの質が上がっているのが分かる。1000倍というのはウソではないと感じる。あとは3Dデータだが、これはJPEGの次世代規格のJPEG PLENOで、この3D情報を標準規格として記録できる。

 JPEG規格再編(JPEG XS、PLENO、XT) 2015.7.11
 http://d.hatena.ne.jp/skymouse/20150712/1436709845

恐らく、スマホに三つの偏光レンズセンサーが搭載されて、3Dカメラ機能が搭載されるのは遠くないであろう。Amazonの商品写真がJPEG PLENOで表示されるのも遠くないかもしれない。高品位な3Dデータが手に入るメリットは、かなり大きい。これを人間の動作を感知するのに使えば、より高精度なゼスチャー操作も可能になるだろう。ヘッドマウントディスプレイに、このカメラが搭載されて、手の動きが正確に把握できれば、仮想空間の中で手が使えるようになる。ロボットや車の目に使えば、人間と握手するロボットや自動運転する車にも使えるだろう。様々な応用分野が想定される。非常に実用レベルが高い技術のように思える。凄いという他ない。

これで4Kになると、どうなるだろうか、自分は品評会などで、見る角度によって変わる3D映像を見た事があるが、そこに映像が3次元で存在しているかのような錯覚が生じるところがすごいのだが、未来のAmazonなんかは、大画面テレビで商品を手に取って360度眺めながら検討する事になるかもしれない。そう考えるとAmazonがしなければいけないのは、AppleTVを自社のサイトから締め出すのではなく、AppleTVのAmazonアプリを作る事ではないかと思えてくる。

手に取る時のハンドゼスチャー動作を、このカメラでスキャンする。Amazonの3Dの商品写真もこのカメラでスキャンする。そんな感じで、3Dによる様々な体験の向上が可能になると思う。例えば、小さな部品を正確なサイズで見たい時は、タブレットを机において、ハンドゼスチャーで、その部品を360度眺めて、どういうものか把握するとか、そういう実際の店舗に行かないと分からない様な細かい形状の情報も、このカメラで把握できるのではないかと思う。原発のような人間が入れないところでも、ロボットにこのカメラを搭載して、3次元データを把握しながら、廃炉作業をする事も出来るようになるのではないかと思う。センシングが高精度になれば、遠隔で可能な事の精度が上がる。このスキャン技術によって様々な応用用途が広がり、人々の生活を変えてしまうくらいのインパクトがある。