SKY NOTE

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絶望と疑心暗鬼で動けなくなっている日本人

今の日本人の現状を考える時、絶望と疑心暗鬼によって動けなくなっていると思う。というのは、人が、十分な知性があるのに、どんな理屈を言っても動かない時というのは、大抵は、その理屈に対して疑念を持っているか、疑念を持っていないけれども、対処ができないと絶望しているかのどちらかであるからだ。

疑心暗鬼
疑念については、ネットの流通する情報の何を信じていいのかわからない不安によるものだと思う。テレビや新聞の情報はもはや信じるに値しないとしても、そのかわりとなる信頼に足る情報源を見つけられていない。よって疑心暗鬼となり動けない。

絶望
絶望については、テレビや新聞の言っていることの間違いをある程度理解し、また正確な情報を理解しているが、その対処方法が見いだせず、どう動いていいかわからない。

まず、信頼に足る情報源という点で言えば、確たる証拠をつきつけるようなシャープな情報が必要で、曖昧ではなく具体的できちんとした情報の提供が必要といえる。そういった情報を供給するインフラの確立、そして、それを知った人達が、次に起こす行動についても、大規模なものでなくてはいけない。そのためには、皆が納得する現実的な打開策が必要である。そこへ向かうというビジョンがあってこそ、人々は、そこに意味を見出し行動をする。であるからして、皆が納得するリアリティのある対案や大規模なデモ、政権を奪取する戦略が必要である。

1.信頼に足る確たる情報(具体的で、要点をおさえた確実な情報)
2.正確な情報を伝えるメディアの創設
3.現実的な対案の提案
4.対案を実現するために行動(デモや選挙戦略の提示)
5.政権交代による真の改革

絶望を打ち崩すには、打開策の存在が不可欠である。だから、単なる批判だけでは弱いのだ。明確な出口戦略があってこそ、希望が持てる。その希望が人々を動かす。その前に、問題の存在を理解し、それに対処する方法を伝えなくてはいけないという前段階を経ないと、それが、なぜ正しいのかわからない。よって、まずやるべきは、情報の伝達である。

大体、おおまかにわかると3段階にわかれる。
1.知る段階(問題を認識する段階)
2.考える段階(対案が正しいかどうか考える段階)
3.行動する段階(改革を実現する段階)

この3ステップをクリアする事で、状況が好転する事になる。現状は、御用報道によって支配者層にとって困る情報は流れない為、知ることが阻害され、それによって、優れた対案があったとしても、それが正しいとは理解できず、その結果、建設的な行動に結びつかず、安倍政権の意のままに状況が動いている。まず、最初にやるべきは信頼に足る情報の提供。デマ情報の特定と排除。現状は、デマを流している人間が真実に対して、デマと言い出すアベコベな状況があるため、これを確たる情報を広めることによって排除する。ここで問題となるのは、多数決バイアスである。悪貨が良貨を駆逐するという言葉にあるように、悪いものであっても、それが多数であれば、一定の信頼を得てしまうという状況をどうクリアするか。それには明瞭で具体的な説明が不可欠である。もっというと、それだけでは十分とはいえず、自分に自信のない人ほど他人の事を気にする。つまり、日本人の多くが他人の目が気になっているため、それが正しくてもマイナーな意見に耳を傾けない。よって、そこに加えて皆が信じるに足る大義が必要である。たとえマイナーな意見であっても、それが大義を持っていれば、支持せざる負えない状態になる。ここでいう大義とは現実的な対案である。反対と叫んでも、その後どうするのか言わないと、文句だけを言う大義なきものとして扱われてしまう。そこで、以下のように主張するべきなのである。

赤字が大義に相当する。
×:原発反対!(ネガティブなイメージ)
◯:原発に反対して、放射能のない電力に移行しよう。(ポジティブなイメージ)

×:特定秘密保護法に反対(ネガティブなイメージ)
◯:特定秘密保護法に反対して、自由な言論を守ろう。(ポジティブなイメージ)

このように主張して、放射能のない電力を具体的に提案したり、自由な言論を守ることで民主主義が機能し、人々の権利が守られることを主張する。そのように主張すると、これに反対するものは、放射能のある電力を望む悪党になったり、人々の権利を蔑ろにする悪者と明確に定義され、その反面、こちらは正義の味方ということになる。悪の味方に進んでなる人はいないから、威力がある。そういう大義を強く主張する事と、それを実現する具体論のセットがあってこそ、人々は納得し、同時に希望を持って行動することが出来る。そして、それに呼応して具体的なデモや選挙戦略を展開し、実行することで政権交代を実現し、改革を実行可能にする。

具体論で疑念を払拭し、大義を設定して希望を持つ。そして、変化を生み出す。このプロセスを確実に実行すること。そのためには、具体論や大義をセットしてきちんと伝えること。それが大事なのだ。しかも、それを難しい言葉ではなく簡単にしてわかりやすく伝える必要がある。難しい言葉を使った段階で面倒だと思われて聞いてもらえないので、その点を工夫しないとダメなのだ。これは非常に難しい、だからこそ、改革がうまくいかないのだが、それを実現できれば、状況は動く。

最後に、そういう大義が色濃くある有名な演説、キング牧師の「I have a dream」を書き記して終わりたい。

「私には夢がある」(1963年)
http://aboutusa.japan.usembassy.gov/j/jusaj-majordocs-king.html

私には夢がある。それは、いつの日か、ジョージア州の赤土の丘で、かつての奴隷の息子たちとかつての奴隷所有者の息子たちが、兄弟として同じテーブルにつくという夢である。

私には夢がある。それは、いつの日か、不正と抑圧の炎熱で焼けつかんばかりのミシシッピ州でさえ、自由と正義のオアシスに変身するという夢である。

私には夢がある。それは、いつの日か、私の4人の幼い子どもたちが、肌の色によってではなく、人格そのものによって評価される国に住むという夢である。

今日、私には夢がある。

私には夢がある。それは、邪悪な人種差別主義者たちのいる、州権優位や連邦法実施拒否を主張する州知事のいるアラバマ州でさえも、いつの日か、そのアラバマでさえ、黒人の少年少女が白人の少年少女と兄弟姉妹として手をつなげるようになるという夢である。

今日、私には夢がある。

私には夢がある。それは、いつの日か、あらゆる谷が高められ、あらゆる丘と山は低められ、でこぼこした所は平らにならされ、曲がった道がまっすぐにされ、そして神の栄光が啓示され、生きとし生けるものがその栄光を共に見ることになるという夢である。