SKY NOTE

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【SID】3M、液晶パネルの色域を大幅に広げるフィルム「QDEF」を開発

3Mが量子ドットを使ったフィルムで、從來の白色LEDではなく青色LEDの光をNTSC比100%の色域のカラーを実現する技術を開発した。

 NEONLINE:【SID】液晶パネルの色域を大幅に広げる量子ドット
 http://techon.nikkeibp.co.jp/article/EVENT/20130527/283864/

その名も「QDEF」という。これにより、有機ELと同等の色域のディスプレイが、このフィルムを使うだけで出来る。従来は、高演色性の白色LEDRGB直下LEDを使った高価なディスプレイにしか色域100%の製品はなかったが、これを使うとLEDの中では発光効率の高い青色LEDとこのフィルムを使うだけで出来る。上記の記事中の写真だとオレンジっぽいF1カーらしき写真がこのフィルムを入れると鮮やかな赤色に見える。

このQDEFの仕組みは、3nm経と7nm経の量子ドットをフィルムの中に分散させ、それを保護フィルムでサンドイッチした構造を持つ、バックライトの導光板と液晶パネルの間に貼る。

 R:3nmの量子ドットで青色光を緑色光に変換
 G:7nmの量子ドットで青色光を赤色光に変換
 B:青色は、多分、青色LEDの青色光をそのまま使うんだと思う。

これにより、赤緑青の鋭いピークを持った光源となり、鮮やかな色彩となるという。

しかし、この技術、課題もあり、大量の量子ドットの量産が必要とのことで、粒形の揃った量子ドットを作るのには時間が必要とのこと、42型で計算すると年間100トンの量子ドットの原材料が必要とのこと、そのため、その量を減らすために導光板の入り口に置く、「On-edge」という方法であれば、必要量を1/100に出来るという。つまり、42型ならば1トン、さらにLEDチップ表面に置く「On-chip」という方法ならば、1万分の1となり、42型ならば、年間10kgで済むのだが、この方法はLEDの熱が問題になるので「On-edge」の方が妥当とのこと。要するに、この技術は、量子ドットによって光の波長を変えて、青色LEDの光をNTSC100%の高演色光に変えてしまう技術のようだ。
 
演色性が高まると、色が濃くなって綺麗になるので、iPadのRetinaDisplayに採用してくれるといいな、色がよくなると解像感が上がったように見えるし、画質が質的に良くなる。もし、この技術を照明に使うと、部屋の中の物が色鮮やかになるはずだ。また、こういうディスプレイが普及する過程で量子ドットの量産技術が確立されたりすると、太陽電池のフィルムに使えるようになってきて、発電効率が上がるかもしれない。色々と面白い技術だと思う。