SKY NOTE

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プラグマティズムについて

自分が意見を述べると「それってプラグマティズムだね」と言われるので、プラグマティズムとは何か調べてみた。プラグマティズムとは実用的なものを好む考え方らしい。なるほどと思った。(褒め言葉だワーイ)しかし、同時に侮蔑を込めて「君は政治家か」といわれる事もある(ウグゥ)。どちらも、実用性を重視した結果である。前者は褒め言葉、後者は侮蔑である。同じ考え方であるが、評価のされ方は違う。実用的な考え方が共感されれば褒め言葉となり、冷淡だと思われれば、侮蔑となる。その違いなのだ。実用的な事には変わりない。そのプラグマティズムについて、脳科学者の茂木健一郎氏が面白い事を書いている。
 
茂木健一郎 クオリア日記(脳科学の先生、NHKのプロフェッショナル仕事の流儀の人)
 連続ツイート プラグマティズム
 http://kenmogi.cocolog-nifty.com/qualia/2010/09/post-4391.html
 
ここで述べられている日本の批判は非常に的を射ていると感じたので紹介する。

  • プラ(8)新聞、テレビなどの日本のメディアが陥っている「風土病」は、アメリカのプラグマティズムとの対極にある。「政治とカネ」、「感染症の予防」など、何かの社会問題が生じた時に、実際的にどのような処置が効果的なのかというよりも、「絵に描いた餅」の理念をヒステリックに騒ぎ立てる。
  • プラ(10)日本の霞ヶ関全体が、プラグマティズムの思想からすれば、滑稽な形式主義、理念主義に陥っている。目の前の現実を見つめて実際的なソリューションを模索するのではなく、理念的なスローガンを並べるだけで満足するのである。

 
私がプラグマティズム実用主義)なのは、役に立たないものにコストをかけたくないからである。実際に効用のないものは、意味がないものとして扱う。私は、道具が汚くても、きちんと使えれば、それは良い道具であり、否定の対象にならない。私は、工具も使えるものは延々と使い続けるため、小学生の頃に買ってもらった工具を未だに持っていたりする。そういう意味で古い工具や道具を使っている人は、プラグマティスト(実用主義者)といえるのではないかと思う。プラグマティズムが何故必要なのかという話に戻すと、この発想の美点は、コストパフォーマンスが高い事にある。意味のない(実用的でないものに)コストを払わない為、結果を得る為のコストが低い。高コスト構造の社会を打開する為にはプラグマティズム的思想が必要になる。無駄なコスト構造を壊す事で、社会全般が低コスト化されれば、より多くの他の有用なものに対してコストを払う余裕が生まれる。それが社会の進歩発展に役立つのである。
 
プラグマティストは無駄のないシンプルなものを好む、真のお金持ちはプラグマティストである。服でも何でも、本当にいい家の人はシンプルなデザインの品のいいものをまとっている。なぜなら、そういう服が何十年も使えるからである。彼らはお金があるだけでなく、そのお金を無駄にしないため、金持ちなのだ。このように一流の人はプラグマティストが多かったりする。石油王のロックフェラーなどは、石油を運ぶ樽を止めるピンを減らしてコストダウンした事を誇らしげに語っていたという。無駄を省く事に美徳を感じる人は、結局、そのコストパフォーマンスの高さが競争力になり勝つ事になる。勝利者はプラグマティストが多い。歴史上の敗者はその逆である。大奥がその典型で、江戸幕府の財政建て直しに大奥の贅沢三昧の暮らしを是正するというのがあった。あまりのコストパフォーマンスの悪さに財政改革をする度に大奥の改革が叫ばれて実践されていった。享保の改革をした徳川吉宗などは大奥の女達から、特にブスを選んで残したという。要するに美人であれば、行き手があるが、ブスだと生き手がないからだそうな。吉宗もまたプラグマティストといえる。形ではなく、実質を重視するところに良い政治がある。悪政は見た目を重視することによる無駄三昧の財政で、最終的には民衆を困窮に陥れるものであり、否定するべきものだ。金科玉条の如く絵に描いた餅をあがめ奉る姿は、歴史的に見ると失敗する政治家の典型例である。
 
日本のマスメディアの政局中心の報道も、金科玉条の如く理念をあげつらっているが問題を解決する為の有効な政策を伝えるという実用的な報道姿勢に欠けている為、日本社会は失敗を続けている。時間と労力を全く意味のない事に使うその姿は、実用的とは言いがたい。傍から見るとバカであり、悪政の元といっても良い。良い政治とは、良い政策であり、良い政策とは実用的である事である。つまり、良い政治家とはプラグマティスト(実用主義者)の事をいう。そして、良い報道とは、問題解決の為に必要な実用的な情報を提供する事である。見た目だけ繕った何の役にも立たない理念(屁理屈)ではないのだ。