SKY NOTE

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危機感というものは、どこから来るのか?

危機感というものは、どこから来るのか?

自民党改憲草案の危険性を伝えてはいるのだが、なかなか広まらない。非常に恐ろしい内容で、読むだけで胃が痛くなる内容なので、自分的には、これがネットに出たら、一瞬で全体に広まってもおかしくない内容だと思っているのだが、なかなか広まり方が鈍いと感じる。そこで、危機感というものがどこから来るのかというテーマで考えてみた。

自分が危機感について考える時、正常性バイアスという現象を考える。正常性バイアスとは、危機的な事態が迫っていても、平常であると偏った見方をする事(思い込む事)である。典型的な事例は、関東大震災の時に火災が広まっているのに多くの人は逃げなかった。まだまだ大丈夫だと思っていたのだ。

 関東大震災「超鮮明 炎の実写12分」ミヤネ屋より
 https://www.youtube.com/watch?v=ZMZVFa91GS0

 火が燃え広がっているのに逃げない人々(動画4分17秒)
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 この後、火が広がってきて、ようやく危険に気づき必死になって逃げる人々
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 家財を積んだ台車を転がして逃げる人々(関東大震災では火災で9万2000人がなくなった)地震の揺れで建物が倒壊し、亡くなった人は1万1000人、実に火災の方が8倍以上も多いのである。映像の中の人々も、きちんと逃げれば、多くの人が助かった筈である。


人は想像を絶する事態が起きると「これは起こる筈がない事」と思い込み、危険に対するスイッチが入らない。これと同じ事が自民党改憲草案にも言えるのではないかと思う。自分だったら、一目散に逃げる所だが、多くの人は、正常性バイアスによって「こんな事は起こる筈がない」と思い込んでしまったのではないか?

私が逃げる理由は、既に自公政権は、衆議院で325議席/475議席中と2/3以上(317議席以上)を保有しており、参議院では135議席/242議席中の過半数を超えている。これが今回の参議院選挙後、大阪維新などと連立を組んで、もし161議席以上になったら、憲法改正の発議が可能なのである。発議されても国民投票憲法改正が認められなくてはならないが、これが通ってしまったら、安倍独裁政権が誕生する。「そんな事は起こる筈がない」と思う人が多いと思う。だが、私は、日本人の弱さは、集団になると現れると思っている。関東大震災の時に火が燃え広がっているのがハッキリ見えているのに逃げなかった人々を思い出せば分かる。国民の権利が、憲法改正で燃えていても、多くの人はそれを避けようともしていない。実際、自民党の支持率が35.5%もあるのである。

この原因は、いくつかの要因がある。
1.憲法改正の具体的な内容が報道されていない
 →報道管制
2.「そんな事はあるわけはない」と言う思い込み
 →正常性バイアス

3.「みんなと一緒なら大丈夫だ」という思い込み

 →集団同調性バイアス

私が考えるに、言論を規制すると明確に書いてあり、人権を限定し、国民主権を否定し、戦争をするという内容の憲法を書いた政党は、昔の日本であれば、支持率が一桁になってもおかしくなかった、でも、それが35.5%もある。これについて説明するのに、正常性バイアスと、もう一つのバイアス、多数派同調バイアスについて述べる必要がある。

 多数派(集団)同調バイアス
 http://www.bo-sai.co.jp/bias.htm

 韓国地下鉄火災

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 煙が広がっているのに逃げない人々(集団同調バイアス)

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 焼け落ちた車両内部


多数派同調バイアスとは、迷ったときは周囲の人の動きを探りながら同じ行動をとることが安全と考えることで、こうした心理に陥り、同じ境遇に陥った人間同士が相互にけん制し合い、相互間に同調性バイアス(思い込み)が働く事。

つまり、非常に恐ろしい改憲案が提示されていても、NHKなどメジャーなテレビ局で世論調査の数字を見ると、自民党に支持率が35.5%もある。「なーんだみんな、これを問題だと思っていないんだ。なら大丈夫だな」と根拠なく考えてしまう。しかし、これは、集団同調性バイアスと正常性バイアスなどの「思い込み」の結果であって、正しい判断ではないのだ。実際は関東大震災のように、すぐ逃げないとヤバイ事態なのだ。

では、この正常性バイアスと集団同調性バイアスは、どの程度の人がなってしまうのかというと、災害など異常事態が起きた時、以下のようになるという。

1、落ち着いて行動できる人=10~15%
2、我を失って泣き叫ぶ人=15%以下
3、ショック状態に陥り呆然として何もできない状態になってしまう人=70~75%

実に85〜90%の人が落ち着いて行動する事が出来ないのだ。つまり、正しい判断が出来る人間の方が少数派なのである。9割近くの人が落ち着いて行動する事が出来ず、間違った判断をしてしまうので「みんなと一緒なら大丈夫」というのは間違いで「みんなと一緒だと危険」と考えるべきである。

そして、正常性バイアスについては、根拠なく大丈夫だと考えない事が大切だ。関東大震災でも目の前で火が燃え広がっているのが見えていたのに、逃げずに亡くなった人が多かった。なぜ逃げなかったのかというと、根拠なく安全だと思ってしまったからだ。自分の行動に根拠を求め、そして、それが危険だと思ったら単独であっても逃げる事を考えるべきである。

危機的な事態に陥ったら、集団と一緒はむしろ危険である。何しろ9割近くの人が、あわてふためている。そして、そんな中で、「みんなと一緒だから大丈夫とか、そんな事あるわけない」とか根拠なく安全だと考えてはダメ、危険は危険だと認識するべきである。最後に、自民党改憲草案の21条を紹介して、終わりたい。

 

自民党憲法草案の条文解説

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危機感とは、他律的な同調ではなく、根拠なく安全だと考える非合理性でもない。自律性を持った合理性が、あなたを救う。私は義父に「男だったら自分の行動に根拠を持て」と教えられた。今の状況は、あなたが、ひとりの人間として、自分の行動に根拠を持つべきだと私は思う。そうでないと、あなたは、この自民党改憲案で関東大震災で焼け死んだ人々のように殺される恐れがある。(若者だったら徴兵で殺される。老人だったら人権を無視する政府に殺される恐れがある)