京都大学は7月11日、既存のリチウム電池から置き換えが可能な高エネルギー密度のマグネシウム金属2次電池を会はt樹した。
京大、高エネルギー密度を有するマグネシウム金属2次電池を開発
2014.7.14
http://news.mynavi.jp/news/2014/07/14/355/
<開発した人、設備>
<安全で豊富な資源量のマグネシウム>
<従来の問題点> 意味がわからんので、そのまま引用
- 2価のマグネシウムイオンは1価のリチウムイオンと比較して、相互作用が強く、固相内で拡散しにくく、電極反応が極端に遅いことが問題だった。また、マグネシウム金属を繰り返し溶解析出することが可能な、安定かつ安全に充電・放電を行うためのマグネシウム電解液が見つかっていない。つまり、マグネシウム2次電池の創製には、正極・電解液それぞれの問題点を解決する必要があった。
<今回の開発> 意味がわからんので、そのまま引用
- 正極材料の結晶構造を精密に制御することにより、マグネシウムイオンの拡散パスを確保したMgFeSiO4正極材料を開発した。同材料を用いることで、既存の正極材料と比較して2倍のマグネシウムイオンを挿入脱離することが可能となった。同材料は、Si-Oの結合によって安定化されているため、長期間にわたって充放電を繰り返すことができる。
<メカニズムの解明>
- 大型放射光施設Spring-8の高輝度放射光を用いることにより、安定で高エネルギー密度の充放電反応のメカニズムの解明に成功した。
<コメント>
- 今後、マグネシウム2次電池の実用化が加速され、安価で安全な電気エネルギーの貯蔵媒体が実現することで、変動の大きい再生可能エネルギーを貯蔵するなど、新しいエネルギー安定供給の道が拓かれることが期待される
まとめ
- このマグネシウム2次電池は、リチウムの2倍の理論容量を持つとされ、非常に有望だ。しかも、マグネシウムはリチウムに比べて資源量が豊富であり、安価であることから、実用化されれば、倍の容量で、しかもリチウム二次電池よりも安い充電池が手に入るという事なのだ。その意味するところは、電気自動車がガソリン車並みの航続距離(800km位)を持ち、しかも電池の価格(安くて1kWhあたり3万円台)は半額以下となる可能性がある。そうなると、電気自動車に搭載される充電池の容量が増え、その結果、それを使って、充電される自然エネルギーのムラがより多く吸収されることを見する。
- 具体的にシミュレーションしてみると、こうなる。
- 従来の電気自動車のシミュレーション
- 車体重量 600kg(日本の車の平均重量:1200kg)
- 高結晶化ポリマーNOCをつかったボディ
- 電池容量 24kWh(積水化学のゲル状リチウム電池:3万円台/kWh)
- 航続距離 600km
- 想定価格 180万円
- 今回のマグネシウム二次電池(想定:実用化され量産化された場合)
- 車体重量 600kg(日本の車の平均重量:1200kg)
- 高結晶化ポリマーNOCをつかったボディ
- (広島大学:鉄のように強いプラスチック参照)
- 電池容量 32kWh(マグネシウム2次電池:1.2万円台/kWh)
- 電池価格は容量あたりのコストが1/2以下と推定
- (容量2倍+リチウム→マグネシウムによるコストダウン)
- 航続距離 800km(25km/kWh 160km/160円 電気料金25円/kWh)
- 想定価格 148万円
- もし、マグネシウム2次電池により、容量密度が倍になって、電池が安くなったら、従来のガソリン車と同じように長く走れて、同じくらいの価格で買える電気自動車が生まれる。そういう電気自動車が普及すると、自然エネルギーの電気(想定500億kWh 集光型太陽電池により発電)によって石油消費の36.5%(約886億L:ガソリン:563.8億L+軽油:322.7億L)がいらなくなり、年間約5.9兆円(原油価格:66.9円/L 2014.7.15現在)、貿易赤字が減ることになる。
- 石油の用途別消費量
- 2012年石油消費量:今日の石油産業データ(P.10)
- http://www.paj.gr.jp/statis/data/data/2014_data.pdf
- ガソリンや軽油の価格に換算し、電気料金でそれらを引いてみると、そこから生まれる差額が、企業や個人の余剰所得となり、消費に回る。それらを計算に入れると...
- ガソリン価格比較 http://gogo.gs/
- 平均ガソリン価格 :166.7円/L(2014.7.14)563.8億L(2012年)
- 想定コスト:9兆3985億円
- 平均ディーゼル価格:144.1円/L(2014.7.14)332.7億L(2012年)
- 想定コスト:4兆7942億円
- 合計: 14兆1927億円
- 電気自動車
- 乗用車 :推定205億kWh 25円/kWh 5125億円(5800万台)
- トラック:推定249億kWh 25円/kWh 6225億円(1500万台)
- 合計: 454億kWh 1兆1350億円(7300万台)
- 差額
- 乗用車 : 8兆8860億円
- トラック: 4兆1717億円
- 合計 :13兆0577億円(内 原油輸入コスト:5.9兆円)
- 企業や個人に13兆円の所得が発生、特に個人の可処分所得が8.8兆円増えることになり、内需景気に貢献する。つまり、電気自動車の普及は、経済効果が高く、しかも、バッテリーが再生可能エネルギーのムラを吸収し、国産エネルギーの安定供給にも貢献する。今回のマグネシウム2次電池の成果は、そういう可能性への道を開く大きな一歩といえる。
- このように考えると、最終的に13兆円の余剰所得が生まれることが想定できることから、再生可能エネルギーに年間4兆円程度支出し、集光型太陽電池、風力、地熱、バイオマスなどに投資することは、長期的にはメリットが大きいと考えられる。よって、未来のエネルギーは、再生可能エネルギーとバッテリーの組み合わせによる安全でクリーンなエネルギーであり、原発は要らないという事になる。既に火力で現在の電気エネルギーはまかなっているのだから、原発再稼働は必要ない。それよりも、発電効率(40%→60%)の高いコンバインドサイクルガス発電(出力100万kW:1000億円)の導入による燃料コストの低減や再生可能エネルギーの開発に投資した方が安全かつ、経済的にもメリットが大きいと考えられる。そして、このマグネシウム2次電池の実用化を待てばいいわけだ。