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泊原発がなくても北海道は停電しない

残念ながら泊原発3号機の営業運転が決まってしまいました。この原発は以前から発電していたのですが、扱いとしては調整運転でした。今回、それが調整運転から営業運転へと北海道が認めたという事になります。(北海道民の7割が反対だったそうです。日本国民は、節電という形で民意を示した。その民意に反する今回の決定は、彼らの終わりを意味するだろう)

道知事が泊原発3号機再開を容認 営業運転は震災後初
http://www.47news.jp/CN/201108/CN2011081601000980.html

しかし、北海道には、原発は必要ありません。そのことを説明したいと思います。

泊原発を止めても北海道は大丈夫である。原発が道内の電力の40%を占めていると言われているが、それは北海道の電力ピークは579万キロワット(北海道のピークは、夏ではなく冬:ちなみに夏のピークは483万キロワット(2011年8月11日):参考リンク)に対し、全ての原発が動いている状態である207万キロワットと比較した場合である。しかも、その比較をもってしても40パーセントになることはなく実際には35.7%であり、40パーセントという数字は、この35.7パーセントという数字をさらに四捨五入したものと考えられる。

北海道の発電設備内訳

さらにこの数字にはレトリックがあって、本来脱原発を述べるのならば、道内の発電設備の全てを合わせた出力との比較が望ましい。つまり、全発電設備の総量との比較がなされるべきなのだ。そこから計算すると道内の発電所全ての出力は、739万キロワット(原子力を含めて)である。それに対し、現在の稼働している泊原発の出力は151.6万キロワットだから、実際は、20.5パーセントである。つまり、現状は40%と言っていた内容の半分の20パーセント程度でしかない。

さて、泊原発がなくなると、北海道が停電するかという問いに対しては、「停電しない」と言える。それには三つの要因がある。

1.他の電力会社と違ってピークの発生時期が夏ではなく冬であること
 →ピーク時期がずれているので他の電力会社から確実に融通を受けられる。
2.足りない電力は実は47万キロワット(8.1%程度)であり40%ではない事
 579万kW:今年1月のピーク時の需要
 532万kW:脱原発後の北海道電力の総発電量
 →必要量が他の電力会社から融通できる60万キロワット以下の47万キロワットである。
3.今年のピーク時(1月)は、3.11前で節電をしていなかった。
 節電すれば最低でも5%は浮く(実質的な不足分は47万キロワット)
  節電5%:29.0万キロワット
  節電8%:46.3万キロワット ← このラインがターニングポイント
  節電10%:57.9万キロワット

これら1〜3の要因を組み合わせると、脱原発をした場合でも、本当に必要な電力は47万キロワット(ピーク時の8.1%程度)であり、それだけの電力は他の電力会社から融通が出来る規模(60万キロワット)である。融通を受ければ、供給量は532万kW+60万kW=592万kWとなり、2011年のピーク時の消費電力579万kWを上回る。よって、節電なしでもギリギリ大丈夫であるが、(予備率2%)発電所が壊れた場合に備えて、予備率が8%程度が適切と言われており、それを加えると、625万kWが必要である。つまり、予備率を加えた場合は、31万kWが不足する。それを節電すればいいのである。その規模は、6パーセント(34万キロワット)である。つまり、節電なしでも融通を受ければ、ピークに間に合うし、予備率を確保することを考えれば、6%節電すれば、発電所が壊れた場合にも対処できる余裕度が生まれ、より安定した電力供給が可能となる。

 2011年ピーク    :579万kW(冬)
 脱原発後の発電出力   :532万kW
 融通を受けた場合    :592万kW(532万kW+融通60万kW)
              2011年のピークに対し、2%の予備率
 予備率8%加算     :625万kW(発電所が壊れた場合の予備を加算)
 予備率8%にする節電規模: 31万kW(6%の節電が必要)

北海道の場合は、節電なしでも、融通を受ければ去年のピーク程度ならば、ぎりぎり間に合うし、6%程度の節電で予備率8%を確保し、より安定した電力供給が可能となる。(ちなみに去年の夏、東京は15%の節電をやりました)

Twitter上で定期検査でフル稼動できないという意見が見かけれらますが、通常は、ピークのある季節の前に定期検査を終えるものなのです。また、常時、ピーク時の電力を常時発電しなければいけないかのような意見もみかけられますが、ピークが常時続くことはありません。(当たり前ですね)冬のピークは早朝と夕方6時頃です。それ以外は稼働率を下げられるのです(2012.7.4追記)

よって原発がなくても、北海道は停電しない。だから、泊原発は必要ない。北海道は脱原発できるのである。原発の不安のない社会を作るべきです。節電をし、バイオマス自然エネルギースマートグリッド電気自動車)を普及させればいいのです。世界は地震の活動期に入りました。そして、日本は世界の地震の10%が発生すると言われています。つまり、いつどこで巨大地震が起こるか分かりません。そういう時に原発が動いていることは、非常に危険です。北海道が福島の二の舞いにならない最も確実な方法は、原発の再稼働をしないことなのです。
 
 泊原発を止めても電力が不足しない理由
 http://ima311.web.fc2.com/data/denki-tariru.html
 ↑自分の記事よりもこっちの方がいい。(2012.8.1追記)

1900年〜2008年までのマグニチュード6〜8クラスの地震が世界で起こった数
情報源:http://www.thehorizonproject.com/earthquakes.cfm

日本全国の発電所を調べ、脱原発が可能か分析した。
 関連記事:脱原発は可能か? 統計で分析してみた。
 http://d.hatena.ne.jp/skymouse/20110813/1313178776

冬の節電に効果的な家電の紹介
 早めに省エネ暖房器具を買うべきかも...(北海道の方へ)
 http://d.hatena.ne.jp/skymouse/20110803/1312298117
 
泊原発、営業運転の裏事情
 北海道・泊原発活断層と3号機の検査記録の改ざん
 http://kaleido11.blog111.fc2.com/blog-entry-778.html