今、モノが売れないと言われている。そこで1ユーザーの視点から、なぜ売れないのか検証したいと思う。ニーズがマッチすれば売れる筈である。
電化製品
テレビ
・コンピューターとテレビの両方に対応しているモニタがない。(一台二役)
最低条件:フルHD/モニター用の低輝度表示(100カンデラ)
・1366×768→1920×1200(1080ではない、性能劣化と受け取られる)
・最低輝度250cmd→100cmd
・DVI-D端子装備(現状では最もメジャーで高画質なPC用ビデオ端子だから)
・B-CASやダビング10など、不便な規格で映像コンテンツが規制されているため
・B-CAS→廃止
・ダビング10→EPN
この不況の中、テレビだけにしか使えないテレビよりもパソコンのモニターとしてもきちんと機能する一台二役のものが望ましい。パソコンモニタとテレビを二台置けない家は沢山あるだろうし、大きなテレビは電気代が高いし、環境にも悪い。そういう意味で21インチから24インチの個室向けのコンパクトテレビモニタが売れるとみた。要求項目は、安い、コンパクト、PCモニタ(一台二役)、フルHD(買う理由になる付加価値)、目が疲れない明るさ(快適性)
ビデオ
ダビング10による運用の不便さがネック→EPNにするべきだ。
データの移動に回数制限があり、パソコンやビデオに柔軟に移動及び運用、編集ができない。EPNならばこの部分か解消される。本来、B-CASやダビング10などの極端な著作権保護技術がなければ、ネットを使って、いつでもどこでもビデオが楽しめ、利用ニーズが多様化するのだが、それに回数制限があったり、出来ない事によって市場を萎縮させてしまっている。ハードが売れなければ、ソフトも売れないわけで結果として著作者の利益にならない。また、極端なコピーガードを嫌って不正コピーが氾濫してしまっている現状を見ると、ユーザーニーズにマッチしない規制は、かえって市場を萎縮させたり不正流通を促進させてしまい逆効果だ。(禁酒法を見てみるといい)即刻、これらの極端な規制を撤廃し、適正なEPNなどの規制に切り替えるべきである。
コンピューター
Windows Vistaが評判が悪い×景気が悪い→安い、軽い、静か、省スペース、省エネ
やはりOSの出来が悪いとパソコンが売れない。性能とパフォーマンスのミスマッチが問題だ。Macを購入する事も考えられるが、来年の1月あたりに新OSが出る可能性があるので様子見だ。Windowsも2010年くらいに新バージョンが出る予定の為、不況だからVistaをスルーしてWindows7にしようという人も多いのだろう。要するに、大枚をはたける様な状況ではない。よって少枚で勝負できる製品が鍵となる。Mac miniの様なコンパクトディスクトップなど、ユーザーの初期投資を最少にする事が求められる。静かで安くてコンパクトで省エネなど、快適さや安さ、電気代やスペースが節約できる亊をアピールすればいいと思う。そういう意味で従来製品との比較広告などもいいだろう。ただ、みんな安物買いの銭失いになりたくはないので、単なる安物ではなく、Geforce9400を入れておく位のリッチさは欲しい。
値段 高い →安い(ディスクトップ/ノート)
重さ 重い →軽い(ノート)
スペース でかい →コンパクト(ディスクトップ:Mac miniみたい)
静か 煩い →静か(ディスクトップ:Mac miniみたい)
電気代 多い →省エネ(ディスクトップ:Mac miniみたい)
性能 GM965 →GeForce9400
OSで訴求できないので、ハードの魅力と価格で勝負。顧客の負担が少なく、静かで省エネ/省スペースというモノとしての魅力を訴求する。そして、GeForce9400/9300を搭載するなど決して安物ではないデラックスさを持っているものが売れると思う。古いパソコンから買い替えた時、机が広くなり、性能も向上し、静かで、省エネ、それでもって、通信会社とのタイアップキャンペーンで、同時加入ならばもっと安くなると提案すれば結構売れると思う。Mac miniタイプのディスクトップやミニノートが売れると思う。
DVD/CD
・DVD→iTunes
・CD →iTunes(楽曲を古いヒット曲も含めて充実させよう)
現行のネットダウンロードで成功しているのはiTunesだけなので、このモデルが望ましい。DVDやCDを買わないのは、面倒なメディア交換をしないでリモコン片手で見たり聞いたりしたいからであるが、実際のiTunesは、私の欲しい古い曲(ヒット曲)が全然売っておらず、ビデオソフトに至っては皆無である為、結局の所、買わないという結論に至ってしまう。最新の曲であってもiTunesにない場合もあり、日本のレーベルのネットに対する消極姿勢には呆れるばかりだ。時代遅れも甚だしい。
・ソフトの切り替え メディア交換 →リモコン片手で見れる
・視聴場所 特定の場所 →いつでもどこでも見られる
(ネットでつながっていれば)
・購入・レンタル 店舗まで行く →自宅でワンクリック
・規格が変わった時 買い直しが必要→データの移動で済む
・値段 高い →安い
・モビリティ 一枚ずつ →ハードディスクで全部まとめて
売れないのは、対応が時代遅れだからであって、コピーではない。有料サービスの品揃えが極端に悪いからだ。(「売れない」というよりも「売っていない」のが正しい)著名な経営学者のピータードラッカー氏も「変化に適応できたものが生き残る」と言っている様に、日本のレーベルも変化に適応するべきだ。時代に逆らっても馬鹿を見るだけだ。日本のコンテンツホルダーは変化への適応が不十分(中途半端)である為に収益が上げられないのだ。
まとめ
と...このように単に不景気であったとしても、ユーザーの不満というのは沢山あるもので、それを解消すれば、それなりの市場はある。つまり今までにない事をする勇気が必要なのだ。それが変化への適応であり、それが出来たものが生き残る。不景気に勝つ為には、そういう新しい市場の掘り起こしが必要だ。今までと同じ事をやっていたらジリ貧の陥るだけだ。経費節減にも限界はある。そうなると、新しい市場を開拓するしかない。この開拓精神こそ、ソニースピリットなのであるが、ソニーはそれを忘れてしまった様なので、他のメーカーがやるしかない。
テレビ :BRAVIAと並行するCREAVIA(Create Vision Audio)
みたいなブランドを立ち上げてテレビとモニタを融合する。
パソコン :VAIO mini(コンパクトディスクトップ)
フレッツ光とのタイアップで安くする。
ビデオ :Play doc(ネットサーバ兼デジタルビデオレコーダー)
・BS+ダブルチューナー/無線LAN(802.11n)
・単体動作も可能だがVAIOと連携できる。
・バックアップサーバとしても機能する
・将来的にはSSDで動作できるようにドライブを交換できる構造
・低消費電力設計
・対応外付けUSB HDドライブで簡単に容量拡張が可能
コンテンツ:Play Center
音楽やビデオやゲームや本を一緒に扱う総合ソフト流通センター
本 :VAIO Book(Play Docは本棚になる)
以上の様な布陣で戦えれば、ソニーの復権と景気浮揚効果も望めると思うのだが、肝心のソニーがだらしなく、リストラするしか能がないメーカーに成り下がったので、Appleに頑張ってもらうとしよう。