SKY NOTE

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ARM,VRに適したGPU「Mali-G71」を発表 4K/120Hz、消費電力わずか4w

ARMがグラフィックIP「Mali-G71」を発表した。

 

ARM、新CPU「Cortex A73」とGPU「Mali-G71」を発表 〜Core i5+GeForce 940Mよりも速くて低消費電力とアピール - PC Watch

 

注目するべきは、その電力効率とパフォーマンスにある。消費電力は、わずか4Wと低消費電力なのに、性能はCore i5+Geforce740M(25W)の性能に匹敵し、4K/120Hz表示も可能という。これはVR向けのスペックだ。VRは、頭にセットするので、ケーブルが邪魔になる。しかし、消費電力が4Wと少なければ、コンパクトな演算ユニットにバッテリーを搭載して、VRメガネと接続する事で、PC本体との接続ケーブルを無くす事が出来る。

 

消費電力が少ない = モビリティの高い製品が作れる

Core i5+Geforce 740M:25w

・Mali-G71      :4w

 

人間が自然と感じる性能

4K解像度(人間の目の解像度に近い水準)

・両眼60Hz表示(右目:60Hz + 左目:60Hz / フリッカーフリー)

・低遅延:レイテンシ4ms(1/250秒:遅延を感じない視点移動)

・4x Multi sample antialiasing(ジャギーのないスムーズが表示)

 

技術仕様

・新しい命令セットの採用と、より簡素なシェーダユニット(電力効率が改善)

・CPU,GPUともに同じメモリアドレスを共有できる。

・Vulkanなどの新しいAPIに対応(ハードの性能を引き出しやすくなる)

・前世代のMali-T880に比べて性能が1.5倍に向上

・同じプロセスルールならば、20%の電力効率の向上、倍のシェーダコア

 

そして、4K/120Hzというスペックは、両眼に4K60Hzの動画を表示できるという事でもある。60Hzの動画を見るとわかるが、動きに生々しさが出てくる。それが4K解像度で目の前に広がり、しかも、両眼に個別に表示できるので、フリッカーなど全くない3D映像が見れる。そして、VRで気になるのは視点移動の際のレイテンシだ。人間の目の感覚は、動きには敏感らしくレイテンシが16ms程度(1/60秒)だと、感知してしまう。しかし、Mali-G71のレイテンシは4ms(1/250秒)で自然に視点が移動できる。

 

自分がこのスペックに注目したのは、この4K/120Hz、レイテンシ4msは、人間の感覚にとって自然と感じるレベルの性能である事だ。この性能でVR映像をみると、極めて自然に、その世界に溶け込む事が出来る。しかも消費電力が4wと少ないので機器をコンパクトにする事が出来、ウォークマンのように使える。実際の表示される映像がどの程度か見てみないと分からないが、表示性能のみを見れば、人間が生理的に自然と感じるレベルに達していると言える。

 

搭載形態

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ARMプロセッサとCoreLink CCI-550を介してワンチップにまとめられるMali-G71

 

あとは、VRメガネについてだが、自分は最近、視力矯正の為に老眼鏡を使ってみて分かったのだが、人間の目の焦点というのは、レンズで調整できるという事を実感した。近視のレンズが焦点を近づけるのに対し、老眼鏡のレンズは、焦点を遠くに設定できる。つまり、VRメガネで近視になる可能性は低いのではないかと思う。要するに、レンズの焦点を遠くに設定してしまえば、目はそれに合わせて調整するので、遠くを見ているのと同じ状態になる。むしろ、ディスプレイを近くで見ているよりもVRメガネの方が近視になりにくいと思う。

 

そして、最近のVRメガネは、有機ELを使っている。有機ELは液晶よりもブルーライトが半分程度で、ちらつきなく表示でき、コントラストも高いので、そういうVRメガネと、このMali-G71のようなモバイルVR演算ユニットがあれば、視覚体験としては、結構いいものが作れるのではないかと思う。ただ、現在のVRメガネはでかくて重いので、長時間の試聴はまだ疲れるだろうが、将来的に軽いものが出来れば、より快適なVR体験が出来るようになるだろう。今のVRメガネがデカイのは、スマホの比較的大きな液晶画面を流用しているからで、これからVRが普及し、VR専用の小型の表示素子を量産できるようになれば、もっとコンパクトなVRメガネも作れるようになるだろう。そのためには、VRに魅力的なコンテンツが充実する事だ。今年後半にリリースされるAndroid Nでは、VRアプリが優先的にCPU、GPUにアクセスでき、画面表示のレイテンシを最小限に抑えるVRモードというのを搭載してくる。こういったOSと連携して、VRの世界が広がっていく事が自分としては楽しみである。