EPSONが新開発のヘッドを採用した業務用プリンタを発表した。
新ヘッド「PrecisionCore」を引っさげ、新たな8モデルを投入
- エプソン、ビジネスインクジェット複合機/プリンタ発表会
http://news.mynavi.jp/articles/2014/02/27/epson/001.html
通常は、このブログでは業務用プリンタについての記事を書かないが、この製品は、今後のEPSONのプリンターの性能を見る上で重要なものであるため書く。肝は、新開発のプリントヘッドで、「Precision Core」というMEMS技術(Micro Electro Mechanical Systems)を用いたもので、従来よりも効率よくインクを射出でき、約2倍の解像度のドットを射出でき、2倍のスピードで印刷できるというものである。これにより、レーザープリンタと遜色ないスピードで印刷できるようになったとのこと。
BtoB品質の高速/高画質印刷をインクジェットで――エプソン「PrecisionCore」
http://eetimes.jp/ee/articles/1402/28/news035.html
PrecisionCoreプリントチップは、シリコンウェハ上に精密なピエゾアクチュエータとインクノズルを集積したものだ。このピエゾアクチュエータは業界最大の変位量を誇り、同社の前世代ヘッドに比べてインクを噴射する能力を2倍以上も高めている。これにより、プリンタの小型化と高密度化を実現。また、マイクロメカニカル方式のアクチュエータを採用しているため、熱を発生させることなく、高速でインクを吐出させることができる。
「新開発のPrecisionCoreプリントヘッドを搭載した今回の新製品は、プリントヘッドのワイドバンド化により、一度に印刷できる幅が大きくなった。加えて紙送りの最適化により、例えばPX-M840Fでは、カラー/モノクロ印刷で20ipm(image per minute)と、レーザープリンタ並みのスピードを実現している」
EPSONプレスリリース:Precision Core 2013.9.25
http://www.epson.jp/osirase/2013/130925.htm
- この新開発プリントチップは、エプソンが長年培ってきたマイクロピエゾ方式のプリントヘッド技術に、超薄膜ピエゾを形成する材料分野での革新、高精度なMEMS製造技術とを融合させたもので、小型・高精密でありながら高い応答性と超高精度のインクドットコントロール性能を有しており、高速かつ高画質なプリンティングの実現に貢献します。
- 解説動画
新製品の業務用プリンタの特徴
・印刷スピード:2倍
・解像度 :360dpi→600dpi(1.67倍)
・画質 :高発色(色がいい)
・耐久性 :約2倍(8万ページ→15万ページ)
・大容量インク:約2倍(黒インク 1500/2200ページ→4000ページ)
・コスト :A4カラー1枚 6.3円(PX-M840Fを同等クラス品と比較:1/2)
・電力消費 :従来器と比べて約90%の節電
要するに「速い、キレイ、安い、使える」のである。
速い
従来機に比べて2倍
キレイ
高発色、高解像度(360dpi→600dpi)
安い
レーザーに比べて半額(A4カラー:6.3円)
従来機と比べて90%節電
使える
耐久性の向上(8万ページ→15万ページ)
これは、今年の秋の一般向けプリンターの発売が待ち遠しい性能だ。