早稲田大学理工学術院の内藤健教授が単体でサイズによらない、熱効率60%以上を実現するエンジンの圧縮燃焼原理を発見したという。(2013.7.9)
理工・内藤教授、究極効率のエンジンを生む新圧縮燃焼原理を発見
自動車・発電・航空機用などで熱効率を60%以上、HV車凌ぐ低燃費か
http://www.waseda.jp/jp/news13/130709_engine.html
新たな熱流体力学理論を構築、それを駆使した思考実験とスーパーコンピュータシミュレーションと高速空気流実験によって考案との事。
基本原理
- 1.空気と燃料の混合気体の高速噴流を、多数、燃焼室中心部の微小領域でパルス状に衝突させ、高圧縮比を得て熱効率をあげる
- 2.さらに3つの新たな工夫を加味することで、適用範囲や用途を拡大する効果を持たせたという。
特徴
・熱効率60%以上の高効率
・低騒音化
・冷却機構不要化
これは、まだ理論の段階で試作のエンジンで検証するとのことなのだが、もし、出来たらスゴイ内燃機関となる発見なので、注目。
この内燃機関が実用化された場合...
自動車
・低価格な60km/Lの軽自動車が作れる
・自動車に使っている石油が半減する。(900億リットル→450億リットル)
・もっと言うと、軽量ボディを使えば、100km/Lの軽自動車も夢ではない。
・さらにもっと言うとハイブリッド化すれば、180km/Lの軽自動車も夢じゃない
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- 電気化することでギアなどの動力伝達部品の摩擦ロスをパスすることが出来、最終的な動力変換効率が向上する。(高価な電池を必要としない安価なハイブリッド自動車)
発電機
・最新の発電設備と同等の発電効率(60%)を自動車の内燃機関で実現できる。
発電所と自動車の発電機の性能が同じであり、違うのは購入燃料単価だけ
飛行機・今より少ない燃料で飛べる
船舶
・船舶の燃料コストが33%減る
この理論により、内燃機関は延命しそうだ。実用化すればすごい発見だと思う。特徴からいって、電池などの高価な部品を使わない傾向があり、一気に普及しそうなポテンシャルを持っているようにみえる。