SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

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本とウェブの違い

図書館で本を読んでいて、本の方が情報の密度が高いと感じるのは、本が2つの要件においてウェブより優っているからだと思う。

1.画素数が4倍違う(iPad3で追いついた)

  • 一般的にコンピューターのモニタは96dpiであり、それに対し、出版物は200dpi以上、画素数にして4倍違う。これに対して、iPad3は254dpiと画質は出版物に追いついた。これにより、文字が格段に読みやすくなり、いままで文字が潰れてしまい出来なかった高密度なレイアウトも可能となった。高解像度の液晶で見る文字は、特に小さな文字がきちんと黒く表示され、コントラストがはっきりするので読みやすい。今までは画像補完でグレーとなっていた。複雑な漢字などを表示すると、小さなフォントサイズだと表示が曖昧になってしまっていたが、iPad3の解像度は、それを十分にクリアするものとなった。RetinaDisplay(iPad3)クラスの液晶が一般化する課程で、この欠点はクリアされる。噂ではAppleiMacにも同様の液晶を採用しようとしており、コンピューターのモニタにも「Retina化」が進みつつあるようだ。そうなれば、もはやコンピューターと紙の画質的な差は皆無になるだろう。むしろ、暗いところでも見れて、カラーが映えるという点では優っているかもしれない。

2.有料メディアである(電子出版は、まだ日本では定着していない)

  • 出版物は有料メディアであるためにプロが作っている。ウェブでもプロが書いているものもあるが、それは、本業の片手間に書いているのであって、どうしてもボリュームとしては小さくなりがちである。ただ、出版物よりも遙かにウェブの情報が有益なことも多々あり、そこから察すると、そういった有益なものを書いている人達が電子出版に乗り出していったら、状況は変わる。現在のところ、電子出版サービスは個人が出版するものでは、いくつかあるが、そのどれもが、完成度が高いものとは言いがたい。AppleAmazonが電子出版サービスをアメリカで展開しているが日本ではまだまだである。でも、円決済の出版サービスは、恐らくもうすぐ実現されるであろう。その頃には、iMacなどもRetina化され、AppleのモニタもRetina化、新しく出るであろうAppleTVもRetina化という流れが生まれてくると思われる。そして、出版サービスが名実ともにドーンと出てくる塩梅なのであろう。

紙がなくなる未来

  • 昔、ウェブが登場した時、1995年当時、紙はいらなくなると思った。しかし、実際にはなくならなかった。あれから17年もたっても紙は未だに健在である。その理由は、紙のほうがディスプレイよりも画質面で勝っており、紙のコンテンツの方が有料である分、優っているところがあったからである。しかし、その状況も、もはや終りに近づきつつある。表示品質ではiPad3で追いつき、決済ではAppleAmazonが着々と日本に進出するために準備をしている。恐らくここ1〜2年で状況は変わるだろう。その時、ウェブ登場時に想定した紙のいらなくなる状況が生まれる。もはやiPadはビジネスツールとして定着しつつある。紙がなくなると、原理的にオフィスが仮想化しやすくなる。そうなると高価なオフィス代を払うよりも、FacebookGoogle+などのソーシャルサービスの中にオフィスを構えるなんて時代が来るかもしれない。そうなると、都心のオフィスの需要は下がり、オフィスの住宅化が進むことになる。結果として地方の過疎化が進行し、交通の便の悪いところは人がすまなくなる地区が増える。そうやって土地が空いていったところに農地なり、自然エネルギー発電所が立つ時代になるのだろう。紙がなくなることが、そのトリガーになるのである。だが、この時に考えなければいけないのは、高層化は避けるべきである。なぜならば、地震が増えていく中での高層化は危険だからだ。そして、資源自給の観点から言っても、ローマン・コンクリートを使えば低層建築ならば鉄筋を使わないで地震に耐えられる安全な建物が作れる事は地震国イタリアに残る1800年前のローマ建築からも明らかである。つまり、鉄を使わない建築により、鉄を作るために必要な石炭や鉄鉱石を必要とせず、ローマン・コンクリートにより従来のポルトランドセメントを作るのに必要だった石炭も必要としなくなれば、国内資源のみで建物が作れる。つまり、ドルがなくても住む場所を作れる。国際競争力云々なんてことを考えずに生きられるのである。オフィスの減少と低層建築の組み合わせは、結果として、中密度都市を増やすことになる。それらを鉄道や路面電車などの交通機関で結んだ町、それが日本の未来である。内需率は95%を超え、エネルギー自給率も90%以上を超え、食料自給率も90%を超えている。国際競争とは無縁。紙の需要がなくなることがトリガーとなり、日本は変わっていくだろう。その頃には原子力発電も、石油火力、石炭火力発電所もなくなり、製鉄所も高炉製鉄は全滅。電炉製鉄が細々と残り、二酸化炭素を出していた産業は軒並み消えて行くだろう。紙の需要がオフィスの需要を正当化し、オフィスが鉄需要を正当化していた。紙がなくなると、それが正当化できなくなり、鉄がいらない。鉄を作るために使っていた莫大なエネルギーが節約できる事になり、日本のエネルギー自給率が改善される。紙の終焉は、鉄の終焉に繋がっていく、ネットと超プラスチックと超コンクリートが鉄需要を大幅に削る。21世紀はプラスチックと電気の時代である。鉄と石油の時代は紙の終焉と共に終わる。