SKY NOTE

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CEATEC 2011に行ってきた。

ソニーのブース

  • 3D画質で満足な画質だったのはSony液晶テレビの最上位機種HX920だった。3D映像の明るさ、解像感が十分で、立体感が十分感じられる画質だった。HX920は、LEDバックライトが直下型で、コストのかかる仕様だが、立体映像の画質を見ると納得する。反面、PlayStation用に開発された24インチの3Dディスプレイは、その半分くらいの輝度しかなく、説明員にこれが最大か?と聞いたら、最大だと言ったので、「本当かな〜」と思うくらい暗かった。ちなみに展示スペースも最悪で蛍光灯で照らしていたので、アクティブ方式の立体メガネをかけると蛍光灯のちらつきが、強調され、周囲がちらついてみえた。(直管形の普通の蛍光灯でインバーター照明ですらなかったと思う)なので、ちらつきのないLED照明もセットで買うべきだと思った。(しかも、輝度の低いモニタを補うために暗い間接照明的なもの)小さな画面ほど周囲が見えてしまうので、ある意味、3Dモニタの場合、27インチ以上が必要かもしれないと感じた。画面が暗いと、せっかくの立体映像も立体に見えにくくなる。だが、明るい画面がいいということではなく、暗い画面のほうが省エネだし、照明を暗くすれば、相対的に明るく感じると思うので、ある意味、LED照明器具とセットで買う必要があるという事なのかもしれないと感じる。ソニー液晶テレビの最上位機種HX920を買うよりも、間接照明を買ったほうが安いし、省エネである。あと、最近発表されたヘッドマウントディスプレイも見たかったが、時間が足りなかったので見ていない。発売されたときに実機を見てみたいと思う。ちなみにCEATECの帰りに銀座のソニービルに行ってヘッドマウントディスプレイを見ようとしたのだが到着したのは、6時頃で人が10人くらい並んでいて、展示が締め切られてしまっていて結局見れなかった。
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シャープのブース

  • i3Cubeは、花びらは綺麗に見えた...
    • シャープのブースには、i3Cubeの超解像度デモがあった。桜の花びらが立体的に見えるのだが、それほどハッキリしたデモではなかった。ちょっと解像感が上がったかなという程度であり、デモ映像の色が薄くて地味なことも重なって、あまり、素晴らしいと感じなかった。サクラの細かい花びらがくっきり見えるのは、よかったが、あまりはっきりとした画質向上が感じられるデモではなく、画質がちょっと向上したくらいにしか見えなかった。
  • キッチンに液晶ディスプレイは、提案が不十分だった。
    • それとキッチンに液晶ディスプレイをという展示があったが、提案が片手落ちだった。キッチンでは、手が汚れる。故に最低でも声で命令できるか、もしくは、水洗いできるリモコンが必要なのだが、そういうものが出来ていない。卵型の小型リモコンがあるのみである。説明員の方も、そこを指摘されると困っていた。相変わらず、シャープの開発陣は、ライフスタイルというものが良くわかっていないと感じた。手が汚れるのだから、声で指示が出来るようになっているべきであり、また、据付タイプの大型モニタだと、油汚れが気になる。もともとキッチンは狭い場所なので大型モニタを置くスペースがない。故にキッチンにタブレットをセットできる棚があれば十分である。リモコンも防水処理されたタッチパネル型のiPod Touchみたいな製品をリモコン代わりに使えるというのならばOKである。そのタッチパネル型の製品にキッチンタイマー機能などもつければOK。タブレットでレシピを表示し、iPhoneみたいなもので、キッチンタイマーみたいなソフトがあればいいと感じた。要するにタブレットやタッチパネル携帯の防油、防水カバーシートとタブレット用の棚、そして、レシピやキッチンタイマーの機能を持つソフトがあり、出来れば音声認識で、それらの機能がシームレスに連携して運用できるのが望ましいと言っておいた。基本的に説明員の方もその点を理解していたらしく、理解していないのは開発陣なのか、それとも、ユーザーに質問するための展示だったのかもしれないと感じた。その意味合いのほうが強い展示だと思った。
  • 太陽電池は平面型がメインだった。集光型の展示はなし
    • 説明員に「集光型は?」と聞くと、研究レベルでは、やっているとのこと、そこで説明員の人に、「今後、太陽電池を量産する際にレアメタルが大量に必要になってくる。レアメタルを大量に消費する平面型ではダメではないのか?」(集光型は集光するので平面型に比べて太陽電池部分の面積は1/500)と聞いてみた。すると、「確かに」という返事が来て、それと同時に「ずっと平面型の技術をやってきましたので...」との返事。そこで「典型的な日本の負けパターンだ」と言った。「特定の技術にこだわり、合理的な選択肢を排除し、それとは逆に合理的な選択をした海外メーカーに負ける」というと、説明員の方も「とにかくレアメタルを使わないってことですね」と言われていたので、問題認識は共有できていると感じた。開発に言っておきますとの返事。3.11以降、太陽電池は、メインストリームに踊り出たので、大規模化を前提にコンセプトを切り替えなければいけない。そのためには、レアメタルの消費量の多い平面型ではいずれ限界が生じる。ただ、この状況は半年前の事、状況に追いつけないのは当たり前なので、問題認識がきちんとあるということが救いだった。今までだと、そういう問題認識すらない状況だったのだけど、3.11以降は、どうやら違うようだ。

三菱ブース

  • レーザーバックライトで赤が綺麗という液晶を見てきた。イメージとしては、マジェンダよりの妖艶な赤といったところだった。従来の液晶よりも色が濃く、色の解像感がありハッキリとした赤という感じだった。綺麗な赤といったところ。

インテルブース

  • 指を強く押し付けると筆圧を感知するように、線が太くなる平面タッチパネルの展示があった。他のブースのセンサメーカーに聞くと、指を強く押し付けると、その分、接地面積が広くなり、静電容量が増すので線が太くなったのではないかということだった。そういうことならば、もしかしたらiPadでもセンサーの信号の解釈次第で筆圧感知のような事ができるかもしれないと思った。ただ、それは圧力ではなく、指の接地面積によって生じていることなので、ペンによる筆圧感知はできないのだが...

NEDOのブース

  • 酸化亜鉛を使ったレアメタルインジウム)を使わない透明電極のディスプレイを見てきた。デモ機を見ると20〜30%くらい明るく感じた。酸化亜鉛の透明電極は透明度が高く明るいのだという。(明るくなれば、3Dや省エネに有利)しかし、今まではフィルムを貼り合わせる際の要素技術が確立されておらず、透明電極としては半分程度しか利用できていないとのこと、今後は要素技術の開発によって全面使用が可能なように改良するという。しかもガラスパネルではなくてプラスチックパネルだと、従来のインジウムのパネルよりも大幅に明るく出来るとのことなので、どうやら今後は、レアメタルがなくても液晶ディスプレイが作れそうな状況になってくるようだ。(ガラスパネルをプラスチックにすると軽くなるのでタブレットに向いている)というわけで、液晶パネルの透明電極に使われていたインジウムはこれから徐々に、酸化亜鉛のものに切り替わっていくと感じた。

 
まとめ

  • 今回のCEATECは、なにか新しいものがあったかというと、そういうものを見つけられなかった。そういうものも若干あったのだが、そういうのに限って長時間並ばなくてはいけないので、結局見れなかった、そう思いながら、帰り道に銀座のアップルストアに寄って、ジョブスに手向けられた花束とりんごを見て「本当に死んじゃったんだな」と実感し、帰り道で「時は流れ、また新たな道が始まる」と思った。
  • 要するにこれは、時の流れの中で必ず来るであろう通過点にすぎない、そう思わないと、悲しくて辛かった。そして、ある時代の終わりと、新しい時代の始まりを予感した。だが、その未来は混沌として見えない。ジョブスという強力なキャラクターを失って、時代がどのように流れるのか分からなくなっている。その中で日本はどう生き残るのか、それは分からない。だが救いだったのが、問題認識が共有できているという事だった。3.11以降、日本の問題点が明確になり目が覚めたという感じがする。そういう意味では、新たな道へ進む準備はできていると感じたCEATECだった。