SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

戦略とチームワーク

・戦術と戦略の違い
・チームワークと談合の違い

共通するのは理念があるかないかという事である。

理念という背骨がなく、ただ目の前の問題を解決するのが戦術
 (戦術はタコ:背骨がないから立てない:短期的な対処療法に過ぎない)
理念という背骨がなく、利によって集合するのが談合
 (談合は砂糖に群がるアリと同じ:行列)

恐らく、理念と言う概念そのものが分かっていない。

日本社会では「こうあるべき」という理念を掲げると、大抵は、それができない理由を減点主義的にあら探しし、できないものは無意味と言う形で理念を否定する。(その上、代案もないから停滞する)よって日本人の減点主義的思想からは、理念と言うのはあってないようなもの。つまり、そのあってないようなものをベースにして行動(戦略)したり、集団を形成(チームワーク)することは、今の日本人にとって全く無意味と言うことなのだ。でも、海外を見れば分かる通り、GoogleAppleを見れば、それぞれにその会社の理念があり、その理念に基づいて成功している。逆に、そういう理念の無い日本メーカーは、負け続けている。違いは何かと言えば、理念の有無にある。では、どのように存在させるのかと言えば、そもそも理念と言うのは、加点主義的にゼロから作り上げるものであって、ゼロやマイナスだから、存在しないと否定するものではないのだ。そこにあるものしか評価しない今の日本(何もなかった世代は、そういう考え方はしなかった)と、そこにないからこそ、自分達が作り上げて、新しいパラダイムを切り開く外国企業との差が、イノベーションの有無となって現れる。つまり、理念から生み出されるイノベーションが付加価値となり、新しい市場を開拓する。既に陳腐化した市場では利益が望めないが、新しい市場では利益が望める。それは、ソニーの設立趣意書にも書かれている。そこには、こう書かれている。

ソニー設立趣意書(一部抜粋)

極力製品の選択に努め、技術上の困難はむしろこれを歓迎、量の多少に関せず最も社会的に利用度の高い高級技術製品を対象とす。また、単に電気、機械等の形式的分類は避け、その両者を統合せるがごとき、他社の追随を絶対許さざる境地に独自なる製品化を行う

抜粋終了

この中で「他社の追随を絶対許さざる境地に独自なる製品化」とある。さて、既存のもの基準にした発想で「他社の追随を絶対許さざる独自の製品化」ができるかというと、できない。その意味において、「技術上の困難はむしろこれを歓迎」とある。つまり、できないと言われていることを率先してやるという事だ。他人ができないと思っている場所に、新しい市場がある。だから、それを歓迎すると言うことなのだ。ソニーが調子よかったのは、この設立趣意書を守り、独自の製品を作っていた時だった。その時のソニーの製品は今のアップルの製品と同じでプレミアがついていても売れる。そういうものだった。

だが、成果主義を導入したときに、規模という成果を追求するあまり、既存の市場の中で最大の市場に打って出ようとして、結果的にコスト競走に巻き込まれ、中国などの低価格品と同じレベルでの戦いを強いられ、赤字になってしまった。ソニーが本来闘うべきなのは、そういう既存のものではなく、常に新しい市場に打って出て、そのなかで、高付加価値品を作っていく事が必要だった。つまり、新しい市場に打って出て高付加価値路線で勝負しない限り、ソニーに勝ち目はなかったのだ。しかし、規模を追うあまり、わざわざ負ける道を選んでしまった。

日本全体も同じである。理念を捨てたとき、イノベーションが起こせなくなり、市場における優先順位が下がってしまった。それが原因で利益の生み出せない市場でのゼロサムゲームに突入してしまった。新興国市場は拡大しているけど、とにかく安すぎて利益が出せない。安くすることばかり考えると、結果的に日本の雇用が守れなくなって、人件費下げろとか、法人税を安くしろとか、研究開発費に課税するなとか、そういう要求をして、かろうじて生き残っているのが現在の日本の製造業。安すぎると言う前に、高くても売れる製品を作っているかと言うことなのだ。そして、そういう製品とは既存の価値で括れない難しい製品なのだ。その難しいことに挑戦してこそ、価値が生まれるわけで、そういうものを作り出すのには、理念が必要だ。「どうあるべきか」と言う理念が。

 理念を中心にチームを編成するのがチームワーク
  成果主義:チームの理念より個人の利益 → 弱小チーム
 理念を中心にプランを編成するのが戦略
  成果主義:新しい市場よりも大きな市場へ → 苛烈なコスト競走で疲弊

成果主義の名のもと、それらを両方とも捨てたとき、本来の自分の強みを失い20年間も漂流することになった。今の日本に足りないのは、まさしく理念(哲学)である。皆の意見を聞くだけがチームワークではない。リーダーは、皆を一つにまとめるために、他の意見にNOという事が必要だ。もし、皆の意見にYESと言っていたら、皆バラバラになってしまう。一つにまとめるためには、いくつかの意見にNOといい、他のいくつかの意見にYESという事になる。それは、極端に言えば100ある意見の中で99にNOと言い、1つの意見にYESという事なのだ。その選択基準が、その会社の理念であり、哲学なのである。

美術の先生に彫刻の授業の時にこういわれたのを思い出す。
「美しいものを作るときには、汚いものを捨てることが必要だ」

つまり、捨てることによって美しいものができると言うことだ。つまり、沢山のNOという削り粕から、本当に美しいものを生まれるという事だ。リーダーはYESというよりもNOという事の方が多い。なぜなら、自分たちの力を一つに収束するためには、複数ある意見の中から、ひとつを選ばなければいけないと言うことなのだから。

今の日本は、どういうことかと言うと。

・個人を中心にタスクを編成し、チームワークバラバラの弱小チーム
・利益を中心にプランを編成し、コスト競走に巻き込まれる。

チームワークのなっていない弱小チームが苛烈なコスト競走ですり減っている。それが今の日本の状態。理念と言う羅針盤を失い、コスト競走の嵐に巻き込まれている。何が間違っているのかと言うと、個人の集合体である組織の力を引き出すのには、理念と言う統一した価値観が必要だと言うこと、だから、ことさらに個人を強調して理念を無視するのは、結果的に組織の弱体化を生む。また、単に利益を求めて大市場に向かうだけだと、そこに理念(イノベーションも)なく向かえば、他と同じようなものを作ってしまい、その結果、苛烈なコスト競走が待っている。つまり、日本の問題点は、理念の欠乏なのだ。コンセプトの貧弱さが、商品の貧弱さとなり、それがチームワークバラバラの弱小チームと相まって、勝てないのだ。

要するに一番バカにしている理念がないことが、一番の敗因なのである。今の日本が最も必要としているのは、理念(哲学)である。そして、その理念を中心に皆がまとまって、新しい社会なり、製品を作り出すことだ。それは、今までにないものである必要がある。そうであってこそ、そこに価値があり、その価値こそが、日本が寄って立つところなのだ。
 
 理念(哲学)を共有してこそ、チームプレイができる。
 理念(哲学)が基準であってこそ、戦略が立てられる。

その全ては理念の有無なのである。

理念、理想なきものに、本当の価値は生み出せない。

そして、無いものは自分達で作ると言う気概の無い今の日本
戦後焼け野原で何もなかった世代と、豊かになって何でもあった世代との違いが現れている。しかし、欠乏の時代が始まった今、それも変わろうとしている。ダメな政治だったら、いい政治を自分達でつくればいい、安全で安心できるエネルギーがなかったら、自分達で作ればいい、安全で安心な食料がなかったら、自分達で作ればいい。多分、古い世代は、そういうはずだ。それを担保する技術もそろいつつある今、それは夢想ではなく、現実的な要求であり、私達、大人が未来の子供たちに向けて果たすべき義務なのだ。
 
井深大のエピソード

一例に、1980年代前半ごろのエピソードで、井深が当時の新素材についてソニー社内の担当責任者にその可能性について意見を聞いた際、その返答は満足のゆくものではなかった。担当者は、現在出来ること、近く出来ることと可能性を話したが、井深は以下の内容を言ったという。「なぜ、そういう考え方をするのか。そんな数年後ではない。1990年や、2000年でもなく、2010年、2020年にはどうなっているしどうなるべきだから、という考えかたをしないといけない」。

今を基準にしていれば、新しいことは生み出せない。では、その今をどう否定するのかと言うことになると、「どうありたいか?」という理念が必要になってくる。つまり、そういう今の状況より高い目標を設定しなければ、未来と言うのは考えることすらできないのだ。そう考えるとイノベーションには理念が必要だと分かる。過去(今)を否定する理念(理由)が必要なのである。
本を三冊紹介する。一冊目は、ソニーの創業者である井深大氏の伝記物、彼がソニーと言う創造的な会社をどうやって作ったかが書かれている。二冊目はルイスガースナー氏の本、IBMを再建したCEOだ。官僚的になってしまったIBMをどうやって、まともな会社にしたかと言うことが書かれている。三冊目は、ドラッカーの本だ。マネジメントにおける成果の出し方について書かれている。この三つの本、創造、改革、管理の三つのテーマの本を紹介して締めくくるとしよう。
  
 
そして、最後に...リーダーシップの本として、この本を紹介する。正直、読んだことのない本だが、前のシリーズのドラッカー本が面白かったので、いちおうそういう本が出ていると言うことも紹介しておきたかった。

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