SKY NOTE

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AppleのAdMob排除について

1.AdMob排除は、Appleのクビを締める

  • 私は20年来のAppleファンだが、今回のAdMobへの対応には、承服できないところがある。なぜなら、この対応はAppleのクビを締める事になるからである。HTML5をベースとし広告ビジネスモデルと融合したサービスをGoogleが実践した時、Googleから登場する無料コンテンツは、AdMobの広告サービスと融合しているからだ。つまり、単にAdMobの広告ビジネスを排除するのみならず、それと連携した無料コンテンツもAppleは締め出してしまう事になる。それは、Appleの利益にもユーザーの利益にもならない。皆が損をする決定だ。

 
2.プラットフォームはオープンでなければいけない

  • なぜAppStoreが成功したのかと言えば「誰もが」ソフトを売って儲ける事ができたからだ。つまり、開かれたプラットフォームだったからこそ、成功したのである。それに対し、PlayStationWiiやDSなどのゲーム機には、誰もが商売できるような環境ではなかった。高価な開発環境を購入し、それぞれのプラットフォーム企業と契約を結ばなければいけなかった。それに対し、AppStoreがオープンだった。だから、多くのデベロッパーがiPhoneiPadのソフトを作ってくれたのである。しかし、Appleがライバルになりそうなサービスを排除するような規約を作ったりすると、Appleのプラットフォームにはチャンスがないと言う事になる。そうなると、俄然、Googleのサービスの方がデベロッパーは魅力的だと感じ始める。相対的にAppleGoogleにソフトやサービスのラインナップの面で見劣りするようになる。そうなるとユーザーも、Appleから離れて行く。そして広告サービスもそのユーザー数に比例して、得られる利益が減って行く。

 
3.Appleがするべき事は離れ小島を作る事ではない、プラットフォームという海を作る事だ。

  • 過去にAppleが失敗してきたのは、離れ小島を作り、その中のエコシステムが矮小化した結果、誰もがチャンスを得にくくなったから負けた。じゃぁFlashはどうなんだと聞かれたら、私はこう応える。「Flashは排除していい」なぜなら、Flashは所詮、Webと言う海に浮かんだ。Adobeが作った離れ小島に過ぎないから。HTML5という海こそが重要だと言うAppleの主張は正当だったと思う。HTML5という公のプラットフォームをベースにして主張するのは、正しくても、今回のAdMobを排除する規約の変更は、単に自社のプラットフォームを養護する為の私的な主張に過ぎない。プラットフォームを管理する会社が私的な目的の為に、それを運用する事は、御法度なのだ。独占禁止法に抵触する恐れがある。過去にビルゲイツWindowsIEを融合して、他のブラウザーを締め出した時、Microsoftは企業イメージを大きく傷つけた。今思えば、あの時こそがMicrosoft没落の序章だったと思う。Microsoftとは対照的なGoogleが支持されたのも、そういう閉鎖性に対する反感ゆえである。つまり、今回の決定はGoogleを利する行為であり、Appleを弱体化させる行為だと私は見ている。私はAppleGoogleがWebという公平な土台の上で切磋琢磨して、新しい市場を開拓して行って欲しいと思うので、敢えて忠告したいと思う。「今回のAdMob排除は間違っている」

 
4.Appleがするべき事はGoogleAppleのサービスの両方を利用可能にする事である

  • MacBookが売れているのは、Windowsも稼働するからである。Macを買うと、WindowsMacも両方が利用できる。そこが付加価値になるのである。昔のPowerBookの時は、Macしか使えないPCだった。だからこそ、需要が頭打ちになり売れなかったのだ。つまり、Appleがするべき賢明な判断は、Googleのサービスも自社のプラットフォームに迎え入れ、「GoogleAppleのサービスの両方が手に入るよ」とユーザーに提案すればいいのだ。つまり、どちらかを選ぶのではなく、両方手に入ると言えばいいってワケ。そうすれば、クールでカッコいいAppleのハードを買う人の方が多くなるだろうから、結果的にAppleが勝利すると言う事になる。損して得をとれというのは、重要でないものを切り捨て、重要なものを得よ。という事。重要なものはユーザーであり、重要でないものは、自社の小さな利権である。小さな利権の為に最も重要なユーザーを失っては、結局Appleは負ける事になる。優先順位を誤ってはならない。広告ビジネスは数が勝負なのだ。その数において既にGoogleAppleと拮抗し始めている。この状態ではGoogleの勢いをもはや止める事はできない。そうなると、Googleから生じるコンテンツにも魅力的なものが生まれてくるわけで、それが利用できないプラットフォームの価値は下がって行く。Appleのコンテンツはクローズドな規約を設ける度にデベロッパーは離れて行くだろうから、結果的に、ソフトの数でだんだんAppleが負けてくるのは必定。しかし、AppleGoogleを受け入れれば、市場は拮抗して面白い戦いが常に見られる状況になると言う事になる。それはユーザーにとって最大の利益になる。その戦いによって、市場が巨大化し、双方の企業が栄える事になる。そういう未来こそが私は正しいと見る。今のままだと、時とともにAppleが昔のMacのようになって行くのではないかと私は危惧する。Appleがするべき事は自社のプラットフォームをオープンにし、HTML5ベースのWebサービスChrome上で展開して、公平な土俵の上でお互い競い合う事だ。それがユーザーが望んでいる事であり、それがAppleを利する事にもなる。