SKY NOTE

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AppleがFlashを排除する理由

AppleFlashを排除する理由について、大抵の記事が恐らく間違っていると思われる為、記事を書く事にした。ある事を正しく解釈する為には、その歴史や方向性を把握する必要がある。多くの批判は利益を基準に解釈している為、歴史的背景や、その会社の方向性、Appleで言えばジョブスの思想を理解せずに議論を展開している。これは、物事を正しく見る上で正しくない。有り体に言えば、利のみで物事を解釈すると言うのは「下衆の勘ぐり」であると厳しく批判した上でわたしの持論を展開したいと思う。(日本のマスコミの下衆の勘ぐりレベルの低次元な報道を毎日見ていれば無理からぬ事だろうが...)
 
1.ジョブスの思想:「シンプルイズベスト」→複雑なものは悪、よって排除する

  • Appleの行動は、ジョブスの思想を把握する事で理解できる。そこで、ジョブスの思想がなんであるか、過去の歴史を通じて、その発想の傾向を説明したいと思う。彼の基本的な思想は、極限まで物事をシンプルにする事で状況は洗練されると言うものだ。例えば、Macのマウスは一つだ。マウスが一つである事により、二つであるよりも遥かに分かりやすくなった。これは私が母にMacを教えている時にわかった事であるが、母はボタンが二つ以上あるマシンを上手く扱えないので、マウスボタンが二つあると使えないのだ。母のような機械オンチは沢山いる。その母にも使えるパソコンとしてMacは唯一の存在だった。機械に慣れている人間ならば、二つあった方が便利だと思うだろうが、万人に使える事を目指した場合、徹底的にシンプルにする必要があるのだ。例えば、冷蔵庫、あれはボタンが一つもない。洗たく機、全自動ボタン一つだけ、家電製品は、ボタン一つか冷蔵庫のように全くボタンがない製品も結構ある。ここで重要なのはユーザーにとって重要なのは、満足の行く結果であって、その過程ではないと言う事。だから、それに到達する過程は極限までシンプルな方がいい。ジョブスがFlashを排除する理由は、それと同じで複数の規格を運用する際の複雑さを回避する為だ。
  • 情報というのは共有されてなんぼだから、あるソフトを入れないと読めないファイルと言うのは実はナンセンスなのだ。慣れていると、そういう不便さは分からないが、母にPCを教えている時に、もし母に「新しいFlashにバージョンアップしろって言っているけど、それって何なの?」と聞かれた時、私がいなくて母しかいなかったら、母はそこで何もできなくなってしまうだろう。そこでHTML5などの標準技術であらゆる情報を読めるようにすれば、このようなプラグインによくある面倒な作業を排除できるわけだ。つまり、そこに至るプロセスを徹底的にシンプルにする上でFlashのような複数の規格の存在は邪魔なのだ。ユーザーがやりたい事をやりたいようにやれる事、そういう事が当たり前と言うのが、ジョブスの思想なのだ。バージョンアップしろとか、このファイルを読むには、このプラグインをダウンロードしろとか、そういう手間を徹底的に排除し、HTML5に対応したら、全ての情報が見られるという形にしたいと考えている。だから、中間レイヤーのソフトをレガシーアーキテクチャとしてジョブスは排除するわけだ。「もうそんなナンセンスなものはいらない」というワケだ。要するにFlashでできる事は大抵、HTML5でできるのだから、マウスボタンを一つにしたように、標準技術一つにしただけなのだ。そうすることでHTML5だけをメンテナンスしていれば、あらゆる情報が面倒なプロセス(バージョンアップやプラグインのインストール)を排除して快適に使う事ができる。

 
2.拡張アーキテクチャの不安定性

  • Appleは、MacOS 9まで、OSそのものが拡張できるアーキテクチャがとられていた。現在のブラウザのプラグインと同じようなアーキテクチャがOSに採用されていたと言ってもいい。しかし、このアーキテクチャには問題があった。機能を拡張すると、拡張したソフト同士で衝突したり干渉したりして、システムが不安定になるのだ。これを解消する為には無数の組み合わせから、問題を突き止め、排除する必要が生じ、ユーザー自身に技術的なスキルが必要だった。今のMacOS Xは、そういう事があまりできないようになっている。そうすることでMacはOSそのものがフリーズする事は数ヶ月に一回と言うような安定したものとなった。アプリケーションは結構落ちるがOSは落ちない。Appleが目指しているのは普通の人が快適に使えるコンピューターである。2歳の子供から、99際の老人、はては猫まで...要するに誰でも使えるようにするためには、プラグインみたいな拡張アーキテクチャは非常に問題が多いのである。Googleはその問題をブラウザの処理プロセスの分離で対応しようとしているが、Appleは、それよりもHTML5に統合して、そういう事をできるだけ省く事が重要ではないかと考えているのだと思う。例えば、あるプラグインをブラウザにインストールしてシステムがフリーズした時、母の様な人には、どう対応していいかわからない。その時、私がいなかったら、母は、そのマシンで何もできなくなってしまう。私のような人間には、どうでもいい事であっても、母のような人間にとっては、とても重大な問題となる。Appleがそういう人達を意識してコンピューターを作る事は非難される事ではなく称賛されるべき事だと私は思う。そして、技術に明るい私も、そういう風になって欲しい。なぜなら、プラグインの管理をするのは面倒だからだ。頻繁にバージョンアップするプラグインなど、自分の目的をプラグインと言う手段の為に中断させられるのはうんざりだからだ。私は目的を達成する為にPCを使っているのであって、その為の手段(プラグインのバージョンアップなどのメンテナンス)にかかる手間は最小に抑えたいのだ。

 
3.従来のPCが使いにくい理由と、それに対するAppleの対応

  • パソコンには、スムーズにできない事が沢山ある。それは汎用性を考えた結果なのだが、しかし、それを排除すれば非常にスムーズで快適な世界が生まれる。iPadのインターフェースのようなスムーズでシームレスな操作感というユーザーにとって本当に必要な機能が手に入るわけだ。機能を拡張する事で、フリーズして使えなくなったり、あるホームページに行ったらプラグインが古いからダウンロードしろとか命令されたり、このファイルを読む為には、このプラグインが必要ですと言われてダウンロードしろと言われたり、そういう手段でしかない事によって目的が中断される事がパソコンには多すぎる。家電として考えてみた場合、明らかにNGな動作だ。Flash排除はその一環に過ぎない。中間レイヤーの存在は、その管理に多くの手間と労力が必要になるから、同等の事がHTML5でできるならば、それに統合して、皆が使えるようにすればいいではないかというのがAppleの主張だと言える。だから、AdobeにもFlashツールではなくHTML5ツールを作れと言っているのは、ユーザーの利益の為であって、自社の利益の為ではないのだ。ただ、機械に慣れているギーク達には、その事がわからないと言うだけなのだ。ある意味、Flashという自社のプラットフォームを守りたいアドビの方が自社の利益を考えていると見る事もできる。

 
4.開発環境を排除する理由は?

  • 開発環境をiPad上で動かせてしまうと、iPadの間だけでソフトが流通できてしまう。このことの問題は、ウィルスなどのソフトを排除する事が難しくなる。誰にでも使えるようにするためには、ウィルスプログラムのようなソフトが流通するのを避けたい。その為には、AppStoreという関所を通じて危険なソフトをふるいにかけ、安全なソフトを流通させ、ソフトの開発プロセスAppleが把握できていなければいけない。そうなると、指定された開発環境のみで動作するプログラムに限定するのが得策と言う事になる。

 
まとめ

  • Appleが目指しているのはギークの為のコンピューターではなく、万人に開かれたコンピューターである。よって、技術的知識が、あまりなくても快適に使えるコンピューターを目指すのであれば、今回の対処は、妥当なものと言える。だからといって、Googleのアプローチが間違いと言うわけではない。GoogleGoogleの考え方があるだろう。私は、その両方を尊重する。Appleは自己の利益と言うよりも、誰にでも使えるコンピューターを作ると言う点で昔から一貫している。(マウスのボタンを一つにしたり、iMacの古いI/Oを排除したり)その一貫性を、単なる利益主義と捉えるのは、Appleの思想を理解しておらず、下衆の勘ぐりだと私は思う。相手を理解せずに目先の利益のみで解釈しているように見えて仕方がないのだ。そういうAppleの一貫した思想の成果を以下の動画で説明しよう。要するに、そういう一貫した姿勢で製品を作っているから、誰よりも早く、誰にでも使える製品が作れる会社なのだと、そのことを安易に利益主義と言うひねくれた目線で見るのは、あまりにも稚拙な評価であると私は思う。

 

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