SKY NOTE

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iTunesで映画を買い、YouTubeでテレビを見る日

Apple、DVD発売同日にiTunes Storeで映画配信
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20080502/apple.htm

価格は新作が14.99ドル、カタログタイトルが9.99ドル。
日本円に直すと、1ドル105.13(5/6現在)
新作:1576円/旧作:1050円となる。

これだけ安ければ映画も音楽と同じ様に売れるだろう。DVDはメディア交換をしなければいけないので手軽に見れないが、iTunesで簡単に映画が見られる状況は、とても魅力的だ。ディスクメディアを購入するよりもデータとして購入した方が遥かに利便性が高い。

恐らく、音楽と同じ様にアメリカで普及した後、日本のソフト販売業者も渋々、参入して来る事になるだろう。この価格が産む潮流が全体を動かすからだ。価格が安くなり、尚且つ、利便性が高いので普及し、それを見た日本の販売業者が追随する。まぁこのニュースを見た途端に即発表する様な機転のある日本のソフト販売業者はいない。音楽だって、未だにSMEiTunesに楽曲を提供していないなど、日本は閉鎖的だ。多分、1〜2年経って、日本、ようやく映像をiTunesに配信、みたいな記事が2010年くらいのニュースとして出てくるだろう。

日本の場合、情報を見て、それが何を意味するか考えて行動するよりも、その情報が実際に結果を出すまで何もせず、結果が明らかになった途端にあわてて行動するという、いつものみっともない頭パープリンな行動が関の山だ。リスクを極端に恐れ、逆に参入遅延リスクを背負い込むという馬鹿げた行動になりやすい。特に日本のソフト業界はそういう官僚的な傾向が強い。(よく結果だと威張る人がいるが、結果が出るまで待っていては世の中遅い事もあるのである)

極端なことを言うと、ソフト流通はiTunesがあって、後はクリエーターとお金を出す人がいれば、他はいらない。映画もアニメもみんな、ネットで流通すればいい。Blu-rayの高画質は魅力だが、メディア交換の事を考えると、MDがiPodに負けた構図が、もしかしたら、Blu-rayiTunesに負けたなどという事になるかもしれないと思ったりもする。

日本のテレビ業界も2010年の無線LANと携帯電話がシームレスにつながる規格の登場によって、その権威が失墜する可能性が高い。なぜなら、ネットでいつでもどこでも映像コンテンツが楽しめる時代になった時、電波メディアは1ランク下の利便性の低いメディアになるだろうから。

YouTubeだって、もっと高画質になってCMが混ぜられる様になれば、日本のアニメスタジオ同士が協賛してチャンネル(ジャパニメーションチャンネルみたいな)を作って、字幕入れて配信なんてやったら、かなりの広告収入が入って来るのではないかと思う。電波メディアに波代を払うよりも、もしかしたら儲かるかもしれない。そんでもって、ソフトはiTunesで配信、そうすれば、中間業者はいらなくなる。出資者(広告主)とYouTube/iTunesとクリエーターがいれば、ソフトが作れる世の中になるかもしれない。そうなると中間業者であるテレビ局やソフト販売業者の発言力は低下し、テレビでコンテンツを見るのではなく、ネットで見る時代になる。地デジの使いにくさも手伝って、そういう傾向が生まれるだろう。

7月26日から、アナログ放送に常時、アナログという表示がされるそうである。地デジに促すのが目的のようだが、どうやら、2011年は地デジなどの従来の電波メディアではなく、ネットが主流映像メディアになる可能性が出てきた。アナログ放送から地デジではなく、YouTubeというユーザーが生まれてもおかしくない。特にアニメなどのワールドワイドで通用するコンテンツはその傾向が強い。要はネットで儲かればいいのだ。今のテレビではクリエータは幸せになれない、流通コストがかさ張って損ばかりをする。iTunesでソフトが売れて、YouTubeで十分な広告収入が得られる様になれば、別にテレビ局はいらない、ネットがあればいい。

日本のテレビ業界は、地デジを導入するにあたり、ユーザーを無視して、厳しいコピーコントロールやB-CASカードなどを導入し、既得権を守るのに躍起だった様だが、その強権的な姿勢が仇となったようだ。その姿勢が産み出す利便性の低下が、新しいメディアの利便性をより引き立てる事になるだろう。世代交代はそうやって始まると、Appleのこの発表を見て思った。

権威の主張が質の低下を招き、新興勢力に敗れる結果となる。

「驕れる者は久しからず」(驕りとは自分が驕っている事に気づかない事である)