現地時間2017年1月23日、トランプ大統領は公約通り、TPP協定から正式離脱した。大統領令には「永久に離脱する」との文言の元、離脱を明確に表明した。
トランプ米大統領、TPP離脱の大統領令に署名
http://jp.reuters.com/article/usa-trump-executiveorders-idJPKBN1572MU
トランプ大統領
「米労働者にとって素晴らしいことだ」
労働組合幹部との会談にて
「すべての人や企業を国外移転させるばかげた貿易協定を停止させる」
凶悪なTPP条約は、これによって消滅した。関税撤廃によって米国産業がさらに海外流出し、多国籍企業の利権を拡大させるだけで、市民には何のメリットもない、この条約はトランプ大統領のこの大統領令によって葬られた。TPPとは何なのかと言うと、以下のように表現できる。
TPPの自由の意味
・グローバル企業が国家主権を侵害する自由(ISD条項)
・賃金カット、首切りの自由(労働規制緩和)
・薬代を高くする自由(知的所有権の強化)
・国の皆保険をなくして民間医療保険が儲ける自由
(知的所有権の強化)
・強力な農薬、遺伝子組み換え作物の自由(農業規制の緩和)
・食料生産国が消費国を支配する自由(関税の撤廃)
TPPの詳細については以下のPDF(21ページ)https://t.co/nI0Mp0Ls0X
あるいは、2ページで解説した画像、これをクリックして拡大してよめば大体分かります。
…というろくでもない条約で、米国は北米自由貿易協定で関税が撤廃され、国内産業が海外流出し、不況になった事から、アメリカ国民の7割以上が自由貿易協定(FTA)に反対という状況でトランプ大統領が生まれた。北米自由貿易協定(NAFTA)がもたらした困窮がトランプ政権を生んだと言っても過言ではない。だからTPP離脱の大統領署名と同時にNAFTA再交渉、もしくは脱退と宣言し、トランプ大統領は「すべての人や企業を国外移転させるバカげた貿易協定を停止させる」と言ったわけだ。
アメリカがこのようにするのは、年間7000億ドルもの貿易赤字があり、その赤字を減らすという意味では関税をかけて自国産業を保護するのは当然の事である。大統領選で若者を中心に支持されたバーニーサンダース氏もTPP離脱、国境税導入に対して支持をしている。
アメリカの対日貿易赤字は2014年の時点で688億ドル、貿易統計には軍事部門の数字は入っていないので、日本の場合、アメリカから100億ドル程度、武器を購入しているので、実際の貿易赤字は588億ドルくらいです。その貿易赤字をゼロにするには、自動車の現地生産で500億ドル、天然ガス輸入で80億ドルでいいはずです。そうすることで、日本はアメリカに対して国内産業を保護する名目が立ち、農業や医療分野を保護し、食糧自給の保全や薬価の高騰を抑える事が出来る。
さらに、それによって生じた貿易赤字を解消するのには、省エネと再生可能エネルギーの導入が効果的です。省エネに関しては、最近朗報がありました。理研がクモの糸の化学生成に成功したという研究成果を発表しました。クモの糸はカーボンファイバーの6倍以上の強度があり、これを練り込んだプラスチックは、鉄に比べて半分以下の重さしかなく、これによって乗用車の重さが半減し、電気自動車の走行距離がガソリン車の遜色ないレベルに達します。
これにより、石油の輸入量の最大4割(自動車燃料)を削減する事が可能です。そして、再生可能エネルギーに関しても実用化すれば7円/kWh程度で発電できると言われるペロブスカイト太陽電池の実用化が間近に迫っており、安い再生可能エネルギーと軽いボディの電気自動車の組み合わせで大幅なエネルギー輸入量の削減が可能になります。
日本は石油に7兆円、天然ガスを5兆円程度、輸入していますが、それを省エネと自然エネルギーの導入で減らしていけば、500億ドル程度の貿易赤字は10年程度でゼロに出来ます。
2015年の電力消費量は8704億kWhです。3年で500億kWh減っています。
経済成長も国内大企業に対する増税や内部留保への課税によって可能です。
特に大企業を中心にある内部留保への6%課税(銀行や保険を除く内部留保は315兆円)し、政府が消費をすれ最初の1年で18兆円分の消費を拡大する事が出来、これを財源に消費税を廃止すれば、輸出6兆円分の棄損を取り戻す事は充分に可能です。再分配をきちんと行えば、GDPを拡大する事が出来、非正規をなくせるのです。(GDP600兆円で非正規を無くせる売り上げ水準になる)
スウェーデンのような高福祉国は、再分配が行き届いているので、所得も高く、福祉が行き届いた安定した国なのです。日本も、そういう国になろうと思えば出来るのです。だから、再分配をする為に大企業に増税をし、政府が消費をする事が大事なわけです。再分配や省エネで日本はアメリカに対して、貿易赤字をゼロにすることで国内産業を保護する名目が得られ、それによって農業や医療を保護する事が出来、長期的には再分配によってGDPを700兆円まで拡大できるのです。
テレビや新聞がそんな事を書かないのは、彼らのスポンサーがこういった政策で増税される大企業だからです。だから、皆さんには、正しい情報が届きません。正しい情報は、図書館の経済学の本やネットにあるのです。正しい情報を得て、正しい投票行動をすれば、日本もスウェーデンのような安心できる国になれます。しかし、マスコミの言いなりになっていると、経済は成長せず、特定の大企業に利益を吸い上げられるばかりで、私たちは不幸なままです。どうか正しい情報を得て、正しい投票行動をしてください。それが皆さんの幸福になります。ウソを言うマスコミを疑ってアメリカは変わりました。日本も変われる筈です。