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住友電工、発電効率2倍、7.5kWの集光型太陽電池を製品化

住友電工が一般的な平面型の太陽電池に比べて発電効率が2倍の「集光型太陽電池」を製品化した。

 太陽光を追って集めて発電効率2倍に、64枚の電池モジュールで7.5kW
 http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1403/31/news017.html

集光型太陽電池は、太陽光をレンズで400〜500倍に集光し、発電効率が一般的な太陽電池に比べて2倍程度高い、集光することによって生じる高熱に耐える通常の100倍位高い人工衛星などに使う特殊な太陽電池を使うのだが、集光することによって必要な太陽電池の面積が1/400〜1/500になるので、発電素子自体のコストは、一般的な太陽電池に比べて1/4〜1/5になる。

 フレネルレンズ(平面レンズ)
 

その太陽電池にプラスチック製のフレネルレンズ(平面レンズ)と太陽をひまわりのように追いかける架台を組み合わせて発電する仕組みだ。

 集光型太陽電池の仕組み
 

今回、住友電工が製品化した集光型太陽電池のスペック

 発電効率:通常の平面型太陽電池の2倍
 出力:7.5kW
 通常の太陽電池との出力比較
 
 年間発電量:7500kWh(日照時間1000時間として)
 モジュールの厚さ:10cm
 レアメタル消費量:1/400〜1/500(推定)

太陽光を追尾するために架台を高く設置する必要があり、駐車場や農地などにも向いているという。平面型太陽電池に比べて2倍の発電能力を持っているため、狭い場所でも、日光さえ当たれば、電力を確保できる。

 住友電工、横浜製作所で稼働中の集光型太陽電池システム
 

例えば、7.5kWのモジュールが晴天時の日照時間11時間程度あったりすると、一基あたり、82.5kWhの電力を生じる。こういう太陽電池を大量に作れば、夏場のピーク電力を抑えることが出来る。また、駐車場にバッテリー付きで置くと将来的には電気自動車充電スタンドの電力にもなる。

用途を考えると、住友グループの企業なので、住友不動産の所有している駐車場に、こういう太陽電池を設置してバッテリーステーション事業が出来るだろう。どれくらいで満充電できるのかと言えば、電気自動車の充電池が20kWh程度だとすると、晴天時で3時間分、実際には、電池の充電には8時間位かかると思うので、晴天時に、この集光型太陽電池で3〜4台の電気自動車を半日で満充電出来るだろう。または、3時間程度で満充電出来るのであれば、週末、ショッピングセンターに行くと駐車場に、この太陽電池があって、ショッピングしている間に満充電という事もできそうな感じである。

将来的に軽量素材で車の重量を半減できれば、現在の電気自動車、特に乗用車の走行距離は、同じ電力でも2倍になるはずである。この2倍発電する太陽電池を使って、軽量素材で2倍走る車と組み合わせれば、結構パフォーマンスが良いと思う。そこで、電気自動車のエネルギー効率を見てみる。

 SIM-CEL(http://www.sim-drive.com/news/2013/0327release1.html
 ・エネルギー効率
  ・91.2W/km(1km辺りの電力消費量)
  ・11km/kWh(1kWhあたりの走行距離:JC08モード)
 ・車体重量:1580kg(外形寸法:全長4840×全幅1830×高さ1400mm)
 ・電池容量:29.6kWh
 ・航続距離:324km(JC08モード)
 
車体重量が、1580kgと日本の乗用車の平均重量1.2tよりも大きい。これは、車体がまだ金属パーツが主体である事と電池が重い。それを高強度プラスチックにして軽量化すると、必要な電池容量も削減できるだろう。また、電気自動車はタイヤにモーターが入っているので、エンジンルームはいらない、だから、車体は小型車並でも、中型車並みの空間を手に入れられる。そこら辺を考えると小型車サイズでいいのである。そう考えると車体重量は600kg位に出来ると思う。電池容量は24kWh程度とすると、エネルギー効率は2.5倍になる。

 未来のクルマ
 ・エネルギー効率:27.5km/kWh(車体重量が600kgだから)
 ・車体重量:600kg(軽量素材+最新の電池&小型車、広さは中型車並)
 ・電池容量:24kWh(推定70kg)
  電池の容量が従来比3倍に、積水化学がゲルタイプ電解質を新開発
  http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1312/03/news105.html
 ・航続距離:660km(一般的なガソリン車の航続距離は800km位)
 ・車体素材:超プラスチック
  広島大学:鉄鋼のように強い汎用プラスチックの創製
  http://www.hiroshima-u.ac.jp/top/koho/news_info/p_epvdxb.html

日本の研究機関や企業の最新技術を組み合わせると、ガソリン車並みの航続距離を持つ電気自動車が出来る。こういう電気自動車住友電工の集光型太陽電池が組み合わさり、低コスト化すると、ガソリンのいらない時代が来るというわけだ。(日本の石油消費量の45%は自動車用燃料である)また、集光型太陽電池は使用するレアメタルの量も1/400〜1/500に出来るので、資源の消費量の観点から言っても、集光型太陽電池は大規模化に適している。

想定している未来のクルマの電力消費を平均的な日本の自動車として、日本の乗用車の年間平均走行距離1万kmと乗用車台数5936万台(2013年)を計算に入れると、必要な電力は216億kWh程度である。これは、2012年の日本の電力消費量9236億kWhに対して、2.34%程度である。つまり、日本の電力の2.3%程度を、こういう太陽電池(集光型太陽電池:7.5kW×288万台×日照時間1000時間=216億kwh)で賄えば、日本の全乗用車(5936万台)を自然エネルギーで走らせる事が可能である。

 ガソリン消費量:572億リットル(2011年)
         資料:ガソリン、軽油、灯油消費量
 
         東京ガソリン81.55円/L(2014.4.2現在)×572億L=4.66兆円
 電気消費量  :216億kWh×23円=0.497兆円
 差額     :4.16兆円(年間)

特に地方では、車がないと不便なため、ガソリンは必須だが、こういう太陽電池を使えば、石油を使わずに、エネルギーが地産地消できる。エネルギーと食料が自給できる自治体が増えれば、お金が、その地方で還流する経済が形成できる。それと、最近、facebookが3Dゴーグルを作っているメーカーを買収したことも合わせると、恐らく、ソーシャルネットが3D都市化する。つまり、ネットの都市化により物理的に地方であっても、社会的には都市に住んでいるのと、同等の状況が生じるだろう。すでにネット通販で、その片鱗が見えているが、今度は社会そのものがネットと融合していくプロセスに入る。その中でエネルギーなどの基本的なものが自給できるようになると、外貨が必要無くなるので、もはや貿易立国ではなくなり、環境立国となる社会となるだろう。つまり、グローバル経済とは20世紀型の古い経済モデルであって21世紀の経済モデルではないのである。こういう集光型太陽電池は、その礎になるものだ。

自分は、こういう集光型太陽電池が「未来を照らすひまわり」に見える。