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川内原発再稼働について、あまり知らされていない事。

川内原発2号機(1985年運転開始)が、2015年10月15日に再稼働されました。

 NHK:川内原発2号機 きょう再稼働 2015.10.15
 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151015/k10010270051000.html

そこで、この原発再稼働について、安全上、非常に重要であるのにも関わらず、マスコミで全く報道されていないか、扱いが小さすぎて、多くの人があまり知らないであろう事を中心に書きたいと思います。


1.日本の原発の安全基準は大地震を無視して作られている。

  • 言うまでもなく、原発は普通の建物と違って、地震が起きても、倒壊しなければいいという代物ではありません。福島第一原発事故を見れば分かる通り、メルトダウンを防ぐ為に、絶対に壊れてはいけない施設なので、地震が来ても完全に耐えられる構造物でなければならない。しかし、実際は、耐える事が出来ないという事実は、非常に重要な事であるのにも関わらず、全く報道されていません。日本の原発の安全基準は、実は、過去10年以内に起きた大地震の揺れに対して、全く耐えるだけの強度がありません。ちなみに、東日本大震災の揺れ加速度は2933ガルでしたが、福島第一原発は460ガルで壊れたと見られています。川内原発耐震強度は620ガルまで耐えられる構造になっているがいるとされているが、過去11年の日本の大地震の揺れ加速度は、以下の通りです。
  • ここ11年以内の地震を見ても、4回も、最大揺れ加速度2000ガルを超える地震が観測されています。これに対して、再稼働された川内原発1、2号機の耐震強度は620ガルしかないのです。実際、2007年の新潟県中越沖地震では、柏崎刈羽原発で933ガルの揺れを観測し、変圧器が火災を起こしています。(1号機の岩盤で1699ガルを記録)もし、運転中の原発に2000ガルクラス(震度7)の揺れが直撃したら、非常に危険といわざるおえない。実際に、そのクラスの地震が、過去11年の間に4回も起きているのです。その内1つは、原発の火災事故、もう1つはメルトダウンです。そこで再稼働が予定されている原発耐震強度のリストを以下に記します。
  • 安全には、ほど遠い数値が並んでいる事がお分かりいただけると思います。強度が最近起きた大地震に対して1/3〜1/5程度しかなく、原発地震に耐えるだけの強度がない事が分かります。この問題について、地震学者が問題点を指摘しているので、それを短くまとめます。
  • 【引用】
    • 基準地震動は1万〜10万年に1度くらいしか起きない地震を想定すべきものです。だからプレート間巨大地震とスラブ内大地震も検討する必要があるのに、九電も審査側も、規則を無視して「手抜き」をした。
    • 仮に最大加速度が540ガルより小さかったとしても、プレート間地震とスラブ内地震活断層地震とは非常に違った揺れ方をするので、基準地震動を策定して重要施設の耐震安全性をチェックすべきです。
    • 川内原発の基準地震動は620ガルとよく言われますが、これは直下で震源不詳のM6.1の地震が起きた場合の想定最大加速度です。しかし、活断層がなくてもM7程度までの大地震は起こりうるので、これは明らかに過小評価です。
  • 【引用終了】
  • 以上の内容からも分かる通り、最近の旭化成のような杜撰な耐震偽装が組織的に行われているといえます。考えようによって、もっと悪質です。なぜなら、審査する原子力規制委員会の基準そのものが偽装行為に加担しているからです。地震の想定の一部をはしょって、最大想定地震動を540ガルにまで引き下げ、620ガルの耐震強度しかない川内原発に稼働許可を与えてしまったのですから… 言うまでもなく、原発は一度メルトダウンをしてしまえば、周辺を広範囲に放射能汚染をし、多くの国民が被害に遭うというのに、この杜撰さは、日本国民全体に対する不正と言わずして、なんと言うのでしょうか?もっと言うと、これほど重要な情報がNHKなどの報道機関で殆ど報道されていないというのは常軌を逸しているといわざる終えません。

2.加圧水型は安全とは言えない。

  • 再稼働された川内原発は、福島第一原発の沸騰水型と違って加圧水型というタイプです。一説にはECCSという安全装置もあって、福島第一原発の沸騰水型のよりも安全なように喧伝されていますが、これについて、小林 圭二氏(京都大学原子炉実験所講師:2003年、定年退官)が警告をしている。
  • この動画は、大飯原発再稼働の際に加圧水型の問題点を指摘したもので、8分10秒あたりに、その問題点の指摘があるので、そこをかいつまんで説明すると、福島第一原発の場合は、水素爆発は格納容器の外で起きた。しかし、加圧水型の水素爆発は格納容器の内側で起きるという。格納容器というのは、放射性物質をそこから外へ出さないようにするものであり、その中で大規模な水素爆発が起きてしまえば、大量の放射性物質が外部に漏れ出す事態になる。実際、1979年のスリーマイル島事故の原発は加圧水型で、格納容器内で小規模な水素爆発が起きていたという。爆発が小規模であったため、格納容器は無事だったが、大規模な水素爆発が起きた場合、格納容器が破損し、大量の放射性物質が外部に漏れ出す可能性があると指摘。
  • 失敗百選 〜スリーマイル島原発の破壊〜
  • http://www.sydrose.com/case100/228/
  • というわけで、加圧水型の方が、むしろ過酷な事故を起こしやすいのだと指摘されていた。また、中の圧力は沸騰水型は70気圧、加圧水型の場合は110気圧で、もし、配管が地震などで破れた場合、中の水が抜ける早さがものすごく早い、沸騰水型よりもずっと早い、従って、事故の進行も速い、とても、いろんな事をやろうにも間に合わない。
  • 加圧水型原子炉の構造
  • というわけで、沸騰水型よりも加圧水型の方が事故の進行が速いケースが多く危険であると指摘されていた。ちなみに、川内原発は圧力を逃がすベント弁はあるものの、フィルターベントの設置は2016年中と、再稼働ありきで、安全対策が後回しという状態である。
  • また、加圧水型は地震が起こらずとも操作ミスによってもメルトダウンが起こりうるという指摘もあり、現在の九州電力や規制委員会の杜撰なチェック体制からすると、非常に不安の残る内容である事が分かる。むしろ加圧水型の方が事故が起きた場合、問題の進行が早く過酷事故が起こりやすいとの事。


3.実際に川内原発メルトダウンが起きたらどうなるか

  • 以上の地震原発の専門家の意見を総合すると、地震に対しては、過少評価をしており、原発耐震強度が日本で起こる可能性のある地震よりも少ない事、原発に対しては、加圧水型の方が事故が起こった場合、水が抜けるスピードが沸騰水型よりも速く、過酷事故を起こしやすい事から総合すると、大地震が起きたとき、福島第一原発事故以上のメルトダウン事故が起きる可能性も想定せねばならない内容である事が分かる。そこで、もし、川内原発メルトダウンをして放射性物質が漏れたとして、どのように被害が生じるのか、川内原発の位置と偏西風から見た予測図を提示してみたい。
  • 図を見れば、分かる通り、風向きによっては西日本全域が汚染域になる事が分かる。福島第一原発の時は、風下が海だったおかげで、放射性物質の9割が海に落ちたと言われている。しかし、川内原発の位置からメルトダウンを起こしてしまうと、偏西風に乗って7〜8割が地上に落ちるだろう。その被害は、西日本全域に及ぶと考えられる。そうなると、現在、汚染されていない農地のかなりの部分が放射能に汚染され、安全な食料と水が確保できなくなる恐れがある。たかだか89万kW程度の原発を2基動かす為に、西日本全域の市民の安全を脅かす原発の再稼働は、全く合理に合わない行為であると言える。

まとめ

  • 耐震強度は不十分、加圧水型の方が沸騰水型よりも事故が起きた場合、進行が早く、より危険な状態になりやすいなどの状況を総合的に考慮すれば、原発は今すぐ停止するべきである。89万kW×2程度の発電ならば、再生可能エネルギーや高効率火力発電を活用すればよいわけで、メルトダウンを起こしたら、西日本全域の国民の安全を危険にさらすようなデンジャラスな発電方式を利用するべきではない。有権者として、この問題に対するもっとも有効な行動は、この無謀な原発推進政策を行っている。現在の自民党公明党に対して来年の参議院選挙において不信任を突きつける事だ。これらの原発推進政党に入れず、野党が結集した国民連合政府に票を入れるべきである。そうすることで、民主的に、この問題を解決する方向に持っていけるだろう。だから、西日本の皆さん、ここで書かれている事は、あまり良い事ではありませんが、正しい選択をすれば打開する道はありますので、どうか、来年の選挙には足を運び、原発に反対する政党に入れて、この危機を回避してください。