SKY NOTE

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価値の創造の仕方

価値の創造の仕方について書いてみたい。日本メーカーは成果主義の導入によって、コレができなくなった。そこで、価値の創造をどのようにするのか、書いてみたい。

相手の立場に立つ、これが大前提である

  • 価値の創造は、相手の立場に立つことが大切である。例えば、図書館があったとする。そこに背の低い女性が高い棚にある本を取ろうとしていたら、背の高いあなたならどうするだろうか?代わりにとってあげたり、台座を持ってきてあげたりするだろう。


1.価値の前提となる条件を無視した製品

  • これが出来ていないのが日本メーカーの冷蔵庫、冷蔵庫のメインユーザーである日本の女性の平均身長は158cmなのに、現在主流の冷蔵庫のサイズは180cmである。自分の身長よりも20cm以上も嵩いところの棚に手が届くだろうか?身長180cmの人から見たら、2mくらいの冷蔵庫を作っているのだ。これは使いにくいし、第一、見にくかったり、使えない高さはデッドスペースになり、同じ400L冷蔵庫でも、実際に満足に使えるスペースは、350L程度となり、1クラス下の容量の少ない冷蔵庫と同じとなる。これは、顧客の状態を無視した冷蔵庫の間違った設計である。

2.価値の変動性に対応できない製品

  • 馬鹿げたドアの二段ポケット
  • 使用頻度の低い二段のドアポケットによって、冷蔵室のメインで使うであろう棚の奥行きが減り使いにくくなる。実質使用容量が減る。メーカーは、ドアポケットを増量して使いやすくしたと思っているようだが、最も使用頻度の高い棚の奥行きを減らすという本末転倒なことをし、その価値を下げてしまった。ここで重要なのは、顧客の性能に対する優先度が違うのにもかかわらず、メーカーが勝手にそれを規定してしまったこと。では、どうすればいいのかというと、ドアポケットは1段に野菜室の高さをペットボトルが入れられる高さにして、その温度設定を調整出来るようにする事で解決できる。つまり、ドアポケットの容量が足りなかったら、他の場所におけるようにすればいいのである。さらに今風に設計すれば、Bluetoothなどでスマホと繋いで、そういう温度調整を予めアプリに登録しておいて、ワンプッシュで切り替えられるようにしておく。これは、顧客の価値の優先度が個々に違うのに、それをメーカーが勝手に決めてしまうことによって固定化し、価値の変動性に対応できない製品によって、価値が減少してしまう。つまり、価値が変動しても対応できる製品が求められる。
  • 硬すぎる上に開けにくいという非常識な取っ手
  • 量販店で冷蔵庫を見ると、ドアの開け閉めが硬い、これは冷蔵庫の基本機能において、もっとも頻繁に使う操作の品質が低いことを意味する。開けやすく締めやすいのが冷蔵庫の大命題のはずだ。もっと言うと、ユーザーが締め忘れたら、赤外線センサーでユーザーがその場にいないことを確認し、モーター駆動で自分で閉めようとするモードのある冷蔵庫があってもいいはずである。ちょっと話がそれたが、まず、硬さを柔らかくする努力をするべきである。では、どうするべきなのか、冷気を逃さないために硬いのであれば、電動アシストドアにするべきである。昔、そう言う冷蔵庫のドアが東芝にあったような気がするが、なぜかなくなってしまった。復活するべきだ。もっというと、冷蔵室のドアはその、サイド全体がドアフックであるべきである。大抵の冷蔵庫は、なぜかフックが下にあるものが多いが、これは手の角度を水平にして、引くという手首が痛くなるような操作をしなければいけない。また、日本は高齢化が進んでおり、手の握力、腕の力が少なくなっている人が多くなっている上に、若い人の身長とお年寄りの身長がかなり違う。つまり、ドアの底部にドアフックを固定化するのは、顧客の開ける力が弱くなってい上に開けやすい高さが変動するという状況に対応できていない。この状況は、サイド全体をドアフックにしたり、電動アシスト化、あとはドアパッキンの改良などによって解決できるだろう。どんな人にも開けやすく締めやすい機能性、これが重要なはずである。

まとめ

  • まず、日本メーカーの致命的な所は、価値の所在自体を把握していないという本末転倒な所、ユーザーの身長、握力、腕力を前提にして設計するという基本的なことが出来ていない。まず、メインユーザーを中心に性能を規定して、冷蔵庫の高さを170cmが上限だとする。その上で容量をアップさせるためには、どうすればいいか?まず、ドアの壁を真空断熱材で薄くし、横幅を数cm広げる。ドアの段数を現在の4段から3段にして、仕切り板の分のスペースを削り、棚の高さは可変し、デッドスペースをなくす。またドアポケットは一段にしてメインの棚の奥行きを確保、そのかわり、野菜室にも1.5Lペットボトルが置ける様にし、温度調整が簡単にできるようにする。もっというと、製氷水の残量がスマホで確認できるようにする。まず、実質可能容量を最大限広げるために、技術リソースをそこに注ぎ込む努力をするべきである。それを安易に高さに逃げる段階でダメなのである。実質可能容量という新しい価値基準を提案し、他の製品よりも、実際に使える容量はウチの方が上だとマーケティングするべきなのだ。重要なのは、ユーザーの価値の特徴、または、その変動性に対応できるように設計する事が大切なのである。日本メーカーは、これを完全に無視している。正確に言うと、優先度が低くなっているといえる。間違った優先度で開発しているので、いいものが作れない。そして、それが利益率を圧迫しているという事実に気づくべきである。