SKY NOTE

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「おかしい」が「マズイ」に変わるとき <日本経済編>

オカシイと思うことがある。ただ、それは、「マズイ」の一歩手前の段階、では、どうなれば、オカシイことがマズイことになるのか、それは、オカシイことに確証が生じた時である。だが、大抵その確証というのは、現実によって知ることが多い。

情報通の人は、誰よりも先に、マズイ自体を把握できるので、警告するが、その周囲の人間は、「オカシイ」と思っていて、何もしない。そうこうしている内に致命的な事態になった瞬間(残業代ゼロになったり、解雇されたりして)「マズイことになった」と後悔の混じった感想を述べるのが、情報に疎い人の特徴である。

重要なのは、「オカシイこと」を「マズイこと」だと認識できるようにすることなのだ。それについて、マズイことを、ただマズい、マズイと言っていてはダメで、なぜマズいのか、どうしてこれではダメなのか、きちんと説明できないとダメなのである。

そこで、現状のマズイ事態について説明したいと思う。

まず、皆さんの興味のある景気について考えましょう。まず、景気が良くなるという事態が何であるか数値的に定義いたしましょう。それは、企業業績があがることですか?違いますね。企業が業績を伸ばしても、それを給与に反映しなければ、私たちは貧乏なままですし、消費も増えないので不況になります。よって、企業業績ではありません。だから、安倍政権の世界で一番企業が儲けやすい国にするというのは、私たち庶民の景気を良くするという意味では根本的に間違っているわけです。

では、皆の給与を上げればいいが、国際競争力はどうなるのか、国際競争力がなければ日本はダメだろうという人がいることでしょう。でも、これも正しい部分もありますが、8割方、間違いです。というのは、日本の経済の86%は内需であるからです。全体の13%台の外需のために、国内の86%の内需を支える個人所得を下げたら、8割以上の内需が細ってしまって不況になってしまいます。これは、現在の非正規雇用の状況をそのまま映し出していますね。だから、これも間違いです。

でも、給料をあげたら企業は赤字になって倒産してしまうだろう。これは、7割方正しいと言えますが、実は間違っています。現在、日本の企業の7割は赤字企業で非課税です。問題は3割の大企業なのです。これらの企業の内部留保は2012年に304兆4828億円になりました。

Wikipedia:内部留保
従来、日本の上場企業は欧米と比べて、利益の内部留保を重視し、配当は低く抑える傾向があったが、近年では大株主の要求や敵対的買収からの防衛策として大幅な増配に踏み切る企業も増えている。一方、利益剰余金(狭義の内部留保)も増加傾向にあり、1988年に100兆円、2004年に200兆円を突破。2012年には300兆円を突破し、過去最高の304兆4828億円を記録した。

304兆円が大きすぎて意味がわからないかもしれませんが、実はバブル期まっただ中の1989年の企業の内部留保は、たった99兆円なのです。つまり、あのバブル期に比べて現在、企業は205兆円も余計に貯めこんでいるのです。

内部留保の推移 資本金10億円以上(金融業除く)1985-2011

引用:http://blog.goo.ne.jp/saitamajitiken/e/8000dbb09afad1d324ccc60eb999fc00

それも黒字の大企業に集中しているのです。お金は流れることで、人々の所得になり、消費となり、税収となり、経済をよくします。しかし、それが企業のメインバンクの口座の中に眠ったままであるとしたら、給与は上がらず、消費もされず、税収も下がるわけです。ですので、給料を下げるというのは短期的には7割方正しくても、長期的に見ると間違いです。

 なぜ、企業は205兆円も余計に貯めることが出来たのでしょう?
 
 それは、消費税に伴って行われた法人税減税が原因です。
 この法人税減税が政府の再分配機能を破綻させてしまいました。
 情報元:http://megalodon.jp/2012-0122-2300-39/www.hhk.jp/quiz/2011/

つまり、3割の大企業の富の独占がこの不況の最大の原因なのです。想像してみてください、その205兆円が実体経済に流れ消費となったら、日本のGDPは、現在の478兆円(2013年)が683兆円となる計算になります。多くの企業が黒字企業となり、税収も上がり、給与も上がり、消費が増え、非正規労働もほとんど存在しないでしょう。経済規模が現在の1.43倍ですので、現在サラリーマンに支払われている給与の総額191兆円が単純に1.43倍になると計算してみると273兆円となり、それを労働者数5400万人で割ってやると、年収505万円の正規労働者、失業率0%となります。このレベルの所得があれば、結婚できないとか、少子化なんてありませんね。つまり、それだけの規模のお金を大企業が余計に貯めこんでいるということなんです。

これってマズイことではありませんか?私たちの稼いだお金を一握りの大企業が独占し、その結果、若者が貧困に喘ぎ、結婚も出来ず、子供も作れない。社会保障費は削られ、医療も年金も不安で景気も悪い。

お金は動かしてこそ、所得となり、消費となり、税収となって、価値が生じるのです。貯めこんでも何の意味もありません。(あるとすれば内部留保から配当を出し株主のご機嫌を取ることです→議決権制限株式などで株主の発言権を削ぎ落とす必要がある)

金融用語辞典:議決権制限株式
議決権制限株式とは、議決権(会社の経営に参加できる権利)に制限のある株式のことをいいます。
◆発行限度の改正
これまでの制度では、無議決権株式の総数は、発行済株式総数の3分の1を超えることができないと定められていました。商法改正により、議決権制限株式の総数は、発行済株式総数の2分の1を超えることができないという規定に変更されました。

そういう意味のないことを続けるのってオカシイのを通りすぎて「マズく」ありませんか?

各国の雇用者報酬の推移

情報源:http://blogs.yahoo.co.jp/norrie_sky/25468004.html

日本も法人税減税などしなければ、巨額の内部留保など存在せず、お金は消費され、諸外国と同様に賃金の増加率は140%台であり、非正規雇用など必要なかった。現在の不況は完全に政策不況です。国際競争力の問題ではありません。

景気回復のために、残業代ゼロにしなきゃいけないのか、解雇が必要だとか、そんなことないんです。大企業の富の独占を是正する事、それが正しい景気対策なんです。大企業のために過労死しますか?貧乏でもいいですか?株主のために人生を捧げますか?

もう、富裕層(株主)の詭弁に付き合うのはやめましょう。