SKY NOTE

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2014年都知事選の社会の意識と脳の関係

今回の選挙は、一種の社会意識の調査のようなもので、選挙結果を見ると、社会の各層がどのような精神状態であるか観察できて面白い。

最大多数(54%)

  • 投票しなかった人は、政治に絶望しているか、知らないので、何も決められない。

若者(20代)

  • 若者は、長時間労働、ゆとり教育、希望のない社会、この状況では、なにか突破口を開いてくれそうな人に支持が集まるのは道理。威勢のいい事を言う田母神になびいてもおかしくはない。
  • ヒトラーを熱烈に支持する若者の感じ

中年(30〜40代)

  • 中年は、長時間労働で疲れきり、しかし、改善されない社会を見て、色々な意味で救いを求めている。その救い主として細川を選んだとしてもおかしくない。
  • 細川氏を見る支持者は教祖様を見る感じ

老人(50〜80代)

  • 老人は、テレビや新聞を眺めていると、年金が不安で、それを何とかするという舛添を選んだとしても、おかしくはない。
  • 何かしてくれる人間を選んでいる老人

全世代(20〜80代)

  • 各世代の中で、能力、実績、政策、人柄を客観的に考えた人が宇都宮氏を選ぶのはおかしくない。
  • 世の中全体を良くしてほしいと願う都民

各世代別の対処法

  • 若者には状況の打開策を声高らかに伝え、中年にはどうやれば救われるのか説き、老人には何をするのか伝える。それが大事の様に思える。

これらに共通しているのは、祈りにも似た願望である。そこで祈りがもたらす脳内の影響について書いてみたい。

「祈り」が脳に与える影響のポイント
http://news.mynavi.jp/c_cobs/news/okguide/2012/06/post-1675.html

fMRI(ファンクショナル磁気共鳴画像法)によって、脳の活動が分かるようになり、その研究結果によって、どのような「祈り」の時に脳内で何が起こっているか分かるようになりました。

祈りの種類には2種類に大別できるそうです。
・ネガティブな祈り(呪いみたいなものですね)

  • 嫌いな人に対して、なにか悪い事が起きるように祈るのがネガティブな祈りです。そういったネガティブな感情を持つときには、ストレス物質であるコルチゾールが分泌されます。この物質が過剰に分泌されると記憶を司る海馬が萎縮してしまうのだそうです。何だか忘れやすくなりそうですね。

・ポジティブな祈り

  • ポジティブな祈りの方は、βエンドルフィンやドーパミンオキシトシンなど多幸感をもたらす脳内快感物質が分泌されるそうです。これらの脳内物質は脳を活性化させ、体の免疫力を高めます。
  • しかし、ポジティブな祈りであっても、自分が「勝ちたい」と思うあまり「他人を蹴落としたい」という状態だと、アドレナリンやノルアドレナリンが分泌されます。これらは身体を戦闘状態に置くためのホルモンです。
  • 脳内物質のオキシトシンは、別名「愛情ホルモン」「信頼ホルモン」とも呼ばれ、大切な誰かを思う時(男女の区別なく)分泌されます。自分や他人の幸福を祈ることで幸福感を得たり、安心感によって免疫力が高まる効果があるようです。

 信頼分子「オキシトシン」の不思議
 http://www.asyura2.com/09/nature4/msg/732.html

これらの祈りの脳への効果について

  • 祈りによって生じる脳内ホルモンの作用により、人々は幸福感をもったり、攻撃性を持ったり、ストレスで病気になりやすくなったり、忘れやすくなったりするようです。うつ病なんかは、コルチゾールが分泌されるので、常にストレス状態になっているわけです。
  • そう考えると、今の政治は、うつ病になる元(コルチゾール)を発しているわけですね。人は、ストレスになるようなものを避けたがる訳ですから、政治を避けたがるわけです。その政治の中で、それとは真反対とも言えるポジティブな主張を政治家の口から聞くと人々のストレス状態は逆転するわけです。βエンドルフィンやドーパミンオキシトシンが分泌され多幸感が生じる。でも、それらが衝突し内ゲバなんかが生じると、その幸福感は消え失せ、アドレナリンやノルアドレナリンなどの攻撃性の高いホルモンが分泌され、対立が深まったりする。
  • こういった対立を治めるのは恐らくオキシトシンであると思う。つまり、皆を思う心、信頼ホルモンだ。それは、どういう事かというと、このホルモンこそ、全てを包み込むものであり、誰もが信頼するものだからだ。これは、将の将たる器とも言えるべき、寛容さ、器の大きさを示すものだからだ。人は、単に自分の利益を中心に考える動物ではなく、利他的行動(善)によって快感を得ている。つまり、それが脳の報酬系に作用するわけです。だからこそ、社会を構成し繁栄しているわけです。
  • 皮肉なことに、先進国で高学歴な人ほど、自分の利益を中心とした合理性が強く、この社会性が低くなってしまい、自分中心に考える傾向が強いそうです。つまり、ずるい判断(合理的な判断)をする。だから、グローバル経済による1%の人達による資本の独占が行われたりするわけですね。
  • しかしながら、人の幸福感は自己の利益だけを追求する形だけではなく、利他的行動によっても生じるわけで、そこから考えれば、自己利益の追求は、社会全体から見ると幸福とはいえないですね。1%の人達が幸福となり、そのために99%が不幸になって苦しむ、それよりも利他的な発想で皆で幸せになって、100%の人が幸せになった方がいいですよね。1%よりも100%のほうが100倍幸せですし。
  • また、最近の研究ではミラーニューロンというものがあり、人が喜んでいると自分も嬉しいとか、そういう鏡のような感情を生むニューロンがあるそうです。それだと、さらに他人も幸せならば自分も幸せという事で、みんなで幸せになった方がいいという事になります。

つまり、今、大事なのはオキシトシンによる皆を思う心です。最近、自分のツィートで気に入っているのは以下のツィートです。(部分的に抜粋)

  • 何度も言っているけど国家戦略特区原発も命の問題、過労死で死ぬ、雇用を失って自殺する人、原発被曝で癌になって死ぬ人、それらを妥協しろという方が無理

このツィートには、皆のことを思う心があると思う。つまり、皆の幸せを願っている。だから、それは出来ないんだと言っている。こういう全体から見た善意で他人を包み込むようなもの、温かい意思みたいなもの、そういうものが皆をまとめ、1つにする。つまり、オキシトシンを分泌し、互いに良くなろうという事になる。それらがミラーニューロンを介して伝播していくと、選挙に行かない若者のコルチゾールもオキシトシンに変わり、選挙に行くようになるのではないでしょうか。今回の選挙が分断された理由も、脳内ホルモンで説明できるわけです。「勝たなければ意味が無い」という細川氏を支持した人たちの言葉に代表されるようにアドレナリンやノルアドレナリンによる説得は、勝つ方と負ける方を作り出してしまい、皆を包み込むものではないのです。だからこそ、分裂してしまう。この発想自体が分断の原因なのです。

脳内ホルモンから見て、一億総中流社会で皆が幸せを手に入れることが、最大多数の最大幸福という事になるわけです。そのためには、所得格差の是正など、所得均衡策が必要なわけです。だから、競争をあまり、強く打ち出すのは問題なのです。競争原理は、ノルアドレナリンやアドレナリンによる勝つ奴、負ける奴に分けるもので、結局、勝利するであろう1%の利益しか代弁するものにしかならない。99%は敗者となり、不幸になるしかない。他人を蹴落とす発想からは、人は幸せにはなれないのです。