ソニーが有機ELヘッドマウントディスプレイを発表した。去年のものに続いて、二世代目とのなる。
前機種からの改善点
0.装着感が悪く光が入ってしまった前機種
- 以前のものは自分も視聴したのだが、ボディが大きく装着感に若干何があり、下の視界が空いているので、そこから光が入って、部屋を暗くする必要があると感じたの覚えている。今回のモデルでは上部と下部にライトシールドを付加しているそうだ。
- 【レビュー】画質向上した有機EL HMD ソニー「HMZ-T2」
- −前モデルと比較。装着感も向上。HMDこその高画質
- http://av.watch.impress.co.jp/docs/review/review/20120911_558563.html
1.軽くてスマートになったがフルHDじゃないのが残念
- 今年のモデルは、大きくて重いという改善し、よりコンパクトなデザインとなり、重量も前機種の420gから330gと90gほど軽量化されている。デザインも小型軽量化に伴いスマートになり、洗練されている。その割にスペックを見てもフルHDになっていないのが残念なのだが、やはり、もっと売れて、量産できないとダメなような気がする。実売価格は7万円ほど。
2.画質:色が良くなったようだ。
- 画質は、AV Watchのレビューによれば、前機種よりも解像感が上がり、色も濃く、鮮やかに見え、視力が良くなったように見えるという。これは、新エンハンスフィルターと14bitリニアRGB 3×3色変換マトリクスエンジンを採用し、画質モードのチューニングを刷新したとの事。この部分が今回のスペック的な向上の肝で、そのレビューから有機ELの画質の良さを引き出しているといえる。基本的に液晶よりも有機ELのほうが映像に立体感があるのだが、前機種はそれを生かしているとは言い難かった。今回のは、レビューを読む限り、それを生かせているようだ。レビューを読むと、フルHDの液晶テレビよりも解像感があるという。1280×720なのに。これは、多分誇張ではないと思う。色がいいと、視覚的な解像感が上がる。有機ELの良い奴を見ると、そのように感じるので、多分そうだ。
- 追記:実際に視聴してみたが、たしかに前機種よりもコントラストが改善されており、画質的には、こっちのほうが遥かにいいと感じる。有機ELの特性をよく生かしている画質といえる。(2012.12.21)また、ヘッドフォンを自分の好きなものに取り替えることができる事もよいし、装着感も改善した。長時間でもなんとか大丈夫って感じがする。前機種は長時間は無理といった感じだった。
3.3D画質:自然すぎて違和感がなさすぎるとのこと
- 3Dはちゃんと奥行きがあるんだけど、自然すぎて3Dって感じがしないのだという。これは、前機種でも感じたこと、自然すぎて拍子抜けするようだ。でも、レビューを書いた人の両目の視力が左右で大きく違うことから、そこが問題かもしれないので、今回は、その評価は保留にしておく、今回のモデルでも、フォーカスが左右別々に設定できるわけではないようなので、左右の目で視力が違うと立体感が出ない可能性がある。ちなみにメガネをかけて矯正すればいいということでもあるが、出来ればメガネ無しで装着したい。
4.音声:別のヘッドフォンをつけられるようになった
- 音声は、ヘッドフォンを別のものに取り替えられるようになった。前の機種の不満点が解消された。
要望
1.ジャイロをつけてマルチモニターモードが欲しい
- 自分的には、ジャイロをつけてほしかった。このレビューにもあるとおり、視線をずらしたら映像がついてくるのはどうも...という話なので、ソニーには、ジャイロを使って仮想シアタールームを作って、視線をずらすとスクリーンの横にある時計や他のディスプレイが見れるようになっていると面白い。せっかくヘッドマウントディスプレイなんだから、視線を動かせば、別のモニターが見えるような形にして擬似マルチモニターモードがあってもいいと思う。マルチモニターって、全部見ているわけじゃなくて、必要なとき、視線を動かせばすぐに別のモニターがあることなんだよね。だから、ヘッドマウントディスプレイにジャイロつけて、マルチモニターにしてもいいんだと思う。そこにAndroid入れたり、ビデオ映像入れたりして、視線をずらせば必要な情報が手に入るみたいな環境があると面白いな。次の世代のやつにはそれをつけて欲しい。あるいはオプションで発売してほしいな。ジャイロと複数の入力端子つけて。それでフルHDみたいなのがいいな。ソニーにはAppleのマルチタッチに変わるネックインターフェースを開発して欲しい。
2.視界を覆うビックディスプレイモードがほしい
- あとはビッグスクリーンモードがほしい。視界いっぱいに映像があって、多少解像感が落ちても、ジャイロを使ってクビの動きをモニタし視界を動かせば、大きな映像を見ることが出来るみたいなものが欲しい。これは、細かい作業をするときに便利だと思う。
3.リモコンや時計機能は内蔵して欲しい
- あと、レビューの中で気になった不満点はこれ
- AV Watchのレビューの引用
- リモコンを探したり、時計を確認したり、ジュースを飲むといった時にも、少しずらしたり、再生停止しないといけないので、「リラックスして映画を見たい」といった人には向かない
- 【引用終了】
- ビデオのコントロールなど、基本的なリモコン動作は学習リモコン機能を搭載して欲しいと感じる。ワイヤレスポインティングデバイスが付属して、視界を下にずらすと、操作面が現れて、ポインティングデバイスで、ボタンを押すと、操作ができたり、時計がみれるような機能があるとよい。あるいは、ヘッドマウントディスプレイを外さなくても、上にパカっと開いて、通常視界にすぐに戻せるようにして欲しい。
まとめ
- 今回の製品はマイナーバージョンアップにとどまったが装着感の改善がされ、色も改善された堅実なバージョナップ、正直もっと飛躍して欲しかったのだが、SONYには、もっと開発費を投じて欲しいというのが正直な所。基本的な機能は、従来のディスプレイにとどまっており、ジャイロを併用したマルチモニター機能、それを使うためのネックインターフェースとか、そういう今までにない機能がほしい。マルチモニター機能を搭載した上位機種がほしいな。この一機種だけではちょっと寂しい。
HMZ-T2の仕様
【外観】
【映像】
- 解像度 :1280×720
- 視野角 :45度(仮想視聴距離20m:750インチ相当)
- 色温度 :ナチュラル、高/中/低1/低2
- 年齢制限 :15歳以下は使ってはダメ(成長過程にあるので安全のために使用不可)
【音声】
- ヘッドフォン :密閉型インナーイヤー(着脱式:別のヘッドフォンが扱える)
- 再生周波数 :5Hz~24kHz
- 音声補完技術 :ハーモニクスイコライザー(圧縮音源で失われる微小音を再現)
- 音声入力 :リニアPCM ドルビーデジタル AAC
- サラウンド :5.1chバーチャルサラウンド
【電源】
- 消費電力 :15w(0.25w)
【ヘッドマウント部】
- レンズ間隔調整:左右独立5段階(目と目の間隔を調整する)
- サイズ :187×254×104mm(前機種:210×257×126mm)
- 重さ :330g(前機種:420g:90g軽量化)
【価格】
- 実売価格 :7万円前後(前機種6万円前後)
【リリース時期】
- 2012年10月13日
- SONY 「HMZ-T2」のプレスリリース
- http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/201209/12-0911/