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太陽のスーパーフレアについて

京都大学の柴田一成 理学研究科附属天文台教授らの研究グループによると、一般的な太陽フレアの最大級レベルの、そのまた100〜1000倍の超巨大フレア「スーパーフレア」が太陽型星で365例発見したという。

 京都大学:太陽型星におけるスーパーフレア
 http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2012/120517_1.htm

これまで太陽型の星でのスーパーフレアの観測は9例しかなかったので、統計的研究が不可能だったそうだが、365例も観測できたので、それが可能になった。そこで分かったことは。

1.スーパーフレアの発生頻度

 10倍のエネルギー :発生頻度は1/10(太陽フレアの発生頻度の統計とよく似ている)
 100倍のエネルギー :発生頻度は800年に1回
 1000倍のエネルギー :発生頻度は5000年に1回

 
2.スーパーフレアの発生頻度は自転周期が長いほど小さい
 (廻るのが遅い星ほど頻度が低い)

3.スーパーフレアの規模は、自転周期の長さによらない

4.スーパーフレアを起こす星は、明るさが0.1%〜10%準周期的に変動しているものが多い

5.従来、スーパーフレアを起こす条件とされていた大きな惑星の存在は実は稀であった。

  • よって、太陽のような大きな惑星のない星でもスーパフレアが起こりうる。

超巨大太陽フレアの問題

  • このスーパーフレアの何が問題なのかというと、巨大フレアから生じる太陽エネルギーが地球に届くと、地球で様々な被害が起きることが知られており、1989年の大フレア(1年〜数年に1回程度)が起きたとき、地球で大磁気嵐が起き、カナダのケベック州で600万人が9時間停電に遭遇するという被害があった。また、太陽フレア人工衛星の故障や通信障害を引き起こすことも知られている。もし、スーパーフレアが太陽で起きれば地球は甚大な被害を受けると予想される。
  • 太陽フレアで影響を受ける半導体
  • 半導体ソフトエラー(引用:http://phits.jaea.go.jp/expacs/terminology.htm
  • 半導体メモリの有感部分に,放射線によりある一定値以上の電離が与えられると,メモリ反転などの誤動作を引き起こします。従来は,極めて放射線レベルの高い宇宙環境や加速器施設などにおいてのみ問題となっていましたが,近年の急速な半導体素子の小型化に伴い,宇宙線由来の中性子が航空機内や地表面で引き起こすソフトエラーが大きな問題となっています。例えば,256Mバイトのメモリを搭載したノートパソコンを高度約10000mで飛行中の航空機内で使用した場合,約5時間に1回の頻度でソフトエラーが発生している推定されており,地表面においても,この1/100程度の頻度で発生していると考えられています。したがって,信頼性の高いコンピュータシステムを構築するためには,そのソフトエラー発生頻度を正確に予測し,それに応じた様々な対策(エラー発生頻度の低い半導体素子の採用やエラー訂正回路の組込など)を講じる必要があります。
  • 地球規模での停電
  • 停電が起きると、困るのは世界中で同じだが、その中で最も危ないのが原発といえる。福島第一原発の事故は電力がなくなったことから生じた。自家発電に切り替えればいいということになるのだろうが、強力な太陽フレアが生じた時、それを制御している半導体そのものが異常動作をする可能性がある。この問題を解決するためには、世界中の原発をなくし、自然エネルギーに移行することが必要だ。もし、世界中の原発をこのまま使い続けて、その際にスーパーフレア(従来の最大級の太陽フレアの100〜1000倍)が起きてしまうと、単なる停電では済まず、地球各地にある原発メルトダウンを起こし、放射能で地球全体が覆われ、人類滅亡という事になりかねない。現状の技術では、従来の想定の100〜1000倍に相当するフレアに対する備えは恐らく出来ていないだろう。(あまりにも巨大過ぎるエネルギーなので、何が起こるかわからない)

 

  • イメージとしては、電磁波の津波と言ったほうがいいような気がする。