SKY NOTE

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玄海原発、再稼働について

動画リンク:NHKスペシャル 原発危機「事故はなぜ深刻化したのか」

0.地震発生
1.津波による冠水でディーゼル発電機故障、電気系統故障、制御不能に陥る
2.ベントの遅れ---住民避難
3.メルトダウン
4.ベント開始、海水の注入---周囲への放射能汚染
5.1号基水素爆発

まず、致命的だったのは、ベントの遅れですが、なぜベントが遅れたのかと言うと、日本のベント弁は、フランスのようにフィルターがついてなく、ベントを行うと同時に高濃度の放射性物質が駄々漏れになってしまい周辺住民を避難させてからベントを行う必要があったからです。しかし、メルトダウンは、その間に起こってしまった。つまり、フランスのようにベント弁にフィルターを装着していれば、住民を避難させる事なく早い段階でベントを行えたのにそれをしていなかった。

さらに手順が定まっていなかった事と津波による電源喪失によって、電気制御でベント弁を開放する事が出来なかった。それについても、発電機が強度の強い原子炉建屋ではなく、それよりも遥かに強度の低いタービン建屋にあった為、津波であっけなく冠水し、停電したと言う体たらくです。そこから分かる事は、日本の原発は、非常に脆弱で冠水してしまえば制御不能になるという事です。電気系統の防水処理を玄海原発はしたのでしょうか?ベント弁にフィルターを装着したのでしょうか?発電機を安全な場所に配置したのでしょうか?それもバックアップも含めて、複数。そういった具体的な安全策も明示されず、「ただ安全だ安全だ」を連呼する経済産業省資源エネルギー庁)の主張とは何なのでしょうか?彼等は国民の為に仕事をしているのでしょうか?疑問に思います。

また、水素爆発を防ぐ為に、水素が発生した場合、水素を排出する経路の確保と、その経路にフィルターを装着して放射能を排出する事なく水素だけを取り出す。それが電源を失った状態でも素早くできる状態になっているのでしょうか?あるいは、電力が多重化、及び防水処理されていて、動くのでしょうか?それを実現するプランも何も提示されず、「ただ安全だ安全だ」と言っても納得できるわけがないでしょう。

全く論理的にも経験則的にも、評価が出来ず、主張というには、あまりにもお粗末です。改善点が何も具体的に説明される事無く、稼働要求をするのはおかしくはないですか?具体的に安全対策を明示し、その上で理解を得ると言うのが本来の筋ですが、彼等がやったのは、地元テレビ局に自分たちが選んだ7人の市民に質問役を買ってもらって、番組を作っただけ...これではダメなんじゃないでしょうか?

彼等は恐れているのだと思います。この夏、恐らく、火力発電の発電出力で何とかやっていけます。そうなると、原発を全て廃止してもいいんじゃないかと言う機運が広まるのを彼等は恐れているのだと思います。つまり、自分達の主張が全て嘘だったと言う事が分かってしまうからです。「日本の電力の為」と言っていたのが、「自分達の保身の為」であったとバレてしまう事が恐ろしいのだと思います。でも、恐れるべき事が間違っていると思います。最も恐れるべきは、国民全体の安全なのです。しかし、危機感の欠けた経済産業省の役人にはそれが分からないようです。

福島第一原発事故は、その危機意識のなさから生じました。玄海原発をそういう危機意識のない中で再稼働していいものか私は疑問に感じます。原発を作った専門家ですらも、「安全だ、安全だと言っても、その理由を言ってもらわないと」と言うように、安全を担保する説明を国民に対して何もしていない状態で再稼働を求めても、ダメだと思います。そういう説明を避けている段階で既にダメなんだと思います。

日本は危機管理の人材からしてなっていないと思う。アメリカのNRCという原発を管理する組織は、軍隊出身者、原子力潜水艦原子力空母の連中が管理している。現場知っているのが運用しているから、危険性も分かっているし、危機管理意識もしっかりしている。しかし、日本はどうだかと言えば、電力会社と癒着し、甘い基準を設定し、今回の事故を招き、それでも、何ら反省する事なく、大した安全対策も説明もせず、再稼働を求めている。その程度の事しか出来ない人材からしてもうダメとしか言いようがない。人材の育成からやり直す必要がある。そうなると何十年とかかるから、そこから考えると、その何年もの間に、自然エネルギーが一番安い電力になっているだろう。つまり、自然エネルギーこそが日本にとって目指すべきエネルギーと言えるのだ。その間の発電は、火力に任せよう。日本には、それだけの余力がある。資源エネルギー庁のエネルギー白書に書いてある。過去、日本の最大のピーク電力は1億8000万kwだった。このピーク電力は夏の1週間程度、発生する可能性があるが、このたった1週間の為に、私たちが放射能汚染に脅えなくてはならないと言うのはおかしい。

エネルギー白書2010
二次エネルギーの動向:「(2)供給の動向」を見てください
http://www.enecho.meti.go.jp/topics/hakusho/2010energyhtml/2-1-4.html

引用
電源構成は、原子力20.2%(4,885万kW)、LNG火力25.5%(6,161万kW)、石炭火力15.7%(3,795万kW)、石油等火力19.1%(4,617万kW)、水力19.2%(4,638万kW)

原子力以外の発電出力を足し合わせよう。
LNG:6161+石炭:3795+石油:4617+水力:4638=1億9211万kwとなる。
 
つまり、水力や火力をフル稼動すれば可能と言う事、しかも、私たちは既に15パーセント節電を実現している為、実際に必要となる発電出力は1億5300万kwと想定される。そこから考えれば、節電を続ければ、停電する事がない事が分かる。それに企業の自家発電の規模もかなりの規模があるので、総合的に見ても、原発を今すぐ全廃しても、停電しないのである。それに原発も火力発電も発電コストはあまり変わらない。6円/kwhと言うのは嘘である。そこから考えれば、電気料金が物凄く上がると言う説明もおかしいわけで、エネルギーの安定供給の視点で考えても玄海原発を再稼働する必要は全くないのである。問題は、デマが普及していると言う事だけなのです。脱原発こそが現実的であり、原発再稼働こそが、安全上の夢想なのです。なぜなら、彼等は、福島第一原発の経験から、安全と言えるだけの充分な説明を何もしていないからです。自分達の命に関わる事に充分な説明もなくて、それをやりたいなどと言っても通るわけがないでしょう。