SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

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戦争で問題が解決しない理由

1.戦争は国をボロボロにし、一からやり直しになる

  • 戦争で問題が解決しない理由は、イラク戦争を見るとよく分かる。戦争を一度行うと、敗戦国の中央政府はガタガタになり、統治機能が著しく落ちる。これは人間の体で言うと、免疫不全状態と一緒であり、外敵に対して無防備になる。その結果、国内外の反分子やテロリストなどの流入を許してしまう。その結果、国内の統治能力の低下と相まって、治安が安定しない。その結果、戦争が終わって平和な社会ではなく不安定な社会が待っている。

 
2.日本の戦後は希有な成功例だった

  • 戦争と言うのは、その後の統治が極めて難しく、時間とコストがかかる。それでは、なぜ日本の戦後が成功したのかと考えてみると、まず、日本の特殊事情がある。それは、天皇の存在と島国と単一民族という事である。まず、他国と海を隔てた島国と言う事で国外のテロリストなどの流入が無かった。その結果、日本は国内の統治に集中するだけでよく、さらに天皇の存在と単一民族と言う事が相まって、国が分裂する事はなかった。つまり、この国は、最初から統治しやすい素質を持っていたと言える。普通の国であれば、周辺国の不満分子の流入や民族同士が争う事で分裂しているところだ。さらに、朝鮮戦争という名の強力な経済支援(露骨な言い方だけど真実)をもらって、日本は早期に立ち直った。

 
3.戦争よりも貧困対策の方がテロには効果がある

  • 元々、統治しやすい国家体制と東西冷戦の中で漁夫の利を得る立場になったため、結果的に日本の戦後は成功した。しかし、これは、とても希有な例であり、殆どの場合は、イラク戦争のような状況になってしまう。イラク戦争が始まる時、そういう歴史上のお決まりの展開を予測し、非常に厄介な問題になったと思った。最近になってやっと治安も収まるようになり、やれやれという感じになった。ここまで来るのにアメリカが、どれだけ金をかけたか考えると、割高な戦争だったと言えるだろう。戦争などせず、その金で貧困対策(教育、医療、産業支援)をした方が、どれだけテロリストが減ったかしれない。

 
4.戦争は割に合わない

  • つまり、戦争では問題を解決する事にはならず、より問題を大規模にし、多くの人が苦しむ事になるのが普通だ。その苦しみの果てに何があるのかと言うと、過去の体制が滅び、新しい脆弱な統治機構と、それによる貧しい今がある。つまり、最初からやり直しなのである。もし、戦争をするのならば、なるべく勝敗を決める統治者のみを殺害し、発電所や道路や通信設備などの設備を温存する事が必要だったが、アメリカ軍は、そこを派手にぶっ壊した。勝つ事が分かっている戦争なのだから、戦後の事も考えて、そういうものを壊さずに作戦を立てるべきだと思ったが、それを徹底的に破壊するところがアメリカの軍産複合体の意思なのかよく分からないが、いずれにせよ、非常に低効率な事をしたものだと思う。

 
5.国ではなく、貧困と戦うべき

  • 戦争でアメリカは敵対する国を滅ぼしはした...莫大なコストをかけて、だが、テロリストを減らすと言う当初の目的は達成できなかった。アメリカは問題の本質を履き違えていたと思う。それは、テロリストを生む土壌とは、衛生状態の悪い所と同じで、テロリスト菌というバイキンが繁殖する貧困という環境があるからなのである。アメリカが戦うべきは、この貧困だった。ある科学者の意見は、世界の軍事費の11%を使えば、貧困に対処できると言う。つまり、アメリカは戦うべき相手を間違えたのだ。戦うべきはイラク(国)ではなく、貧困だったのだ。そういう意味での成功例は、冷戦の後、アメリカとソ連は戦争をしなかったが、冷戦終結後は、明らかにアメリカは勝利したと言える。それは、戦争をせずに和平にこぎつけ経済的優位に立つ事でアメリカは勝利したのだ。だから、戦争などをしなくても、問題は解決できるのだ。こちらがナイフをちらつかせれば、向こうもちらつかせてくる。そういう世界の中で戦う事はコストと時間の無駄である。そんなことにリソースを食いつぶすくらいならば、そのコストと時間を、もっと有用な事に使うべきなのだ。

 
6.文化と教育の力でテロと戦え!

  • ...とこのように戦争は全く割に合わないと教えるのが教育である。私がこのように考えるのも日本の歴史教育の賜物と言える。歴史教育によって、戦争を減らす事は可能である。歴史という過去の経験を教育によって未来に継承する事で誤った判断を避け、正しく賢明な判断を促すのが歴史教育の使命である。残念ながらアメリカは、そういう教育が充分でなかったらしく、愚かにも戦争をし、泥沼にはまっている。もっと言えば、ブッシュのような無教養な人間を大統領に据えた事自体、間違いだった。もっと戦史を民衆の立場に立って描くような物語があると、良かったかもしれない。英雄ではなく、地に足をついた民衆の目線から戦争の苦しさや辛さを描く、そういう意味では「はだしのゲン」や「火垂るの墓」のような作品を世界に広め、どこの国の小中学校の図書館にも「はだしのゲン」のコミックや「火垂るの墓」のDVDが借りれる様な状況こそ、本当の意味で反戦教育になるように思う。そして、そのために必要なコストは大したコストではないのだ。戦争をするよりも遥かに安いコストで、それは実践できる。戦争を病だとするならば、教育は予防なのだ。医者も言っているように病気には予防が第一なのだ。一番コストがかからず、一番、良好な状態を保てると言う意味で、最善の行為なのだ。

 

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