SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

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「我慢」は美徳ではない、「悪徳」である

1.釈迦は我慢とは慢心の一つだといっている

我慢のエピソードは、釈迦のスジャータという娘の話に出てくる。釈迦は、真理を探すべく苦行を重ねていた。苦行の末にあまりに痩せこけ、死にかけた釈迦を見てスジャータと言う娘が粥を持ってきた。釈迦は、それを食べるべきか迷った。苦行を諦め堕落したと思われるかもと思ったからだ。しかし、釈迦は、その粥を食べた。それによって生気を取り戻した釈迦は、菩提樹の元で悟りを開くことができた。粥を食べなければ、釈迦は悟りを開く前に死んでいた事だろう。苦行は正に我慢の象徴であるが、釈迦は我慢を7つある慢心のひとつだとした。

 

2.我慢が何故ダメなのか

釈迦は苦行をしていたのでは、悟りを開く事が出来なかったからである。我慢の害は、苦しみが自分一人のものだと独り善がりになる事だという。つまり、自分の苦しみにばかり目が向き、他の人の苦しみに無頓着になる。それでは真理は見えない。苦行をしていた修行僧が悟りを開く事が出来なかったのは、苦行による己の苦しみにばかり目が向き、他の人の苦しみや思いと言うものを軽く見る。私はこれほど苦しい事を耐え抜いたのだから偉いのだと慢心し、他者を省みない傲慢さがあると釈迦は批判しているのだ。釈迦は、自分に粥をくれたスジャータのような他者の苦しみに心を砕ける人間にこそ、真理が開けるといっているのだと思う。スジャータがいなければ釈迦は悟りを開く事が出来なかった。つまり、仏教もなかった事になるので重要なエピソードなのだ。

 

3.我慢する事で己にばかり目が向き、他者を省みない傲慢さが生じる

私がこのエピソードを紹介するのは、まさに義祖母が、この七慢のひとつである我慢の象徴のような人で、自分が若い頃、どれだけ苦しんだかという基準で今の人間の苦しみなんて軽く見ていた。しかし、人によって同じ苦しみでも、その重みが違うと言う事に義祖母は無頓着で子供の私を傷つけた。まさに我慢と言うのは、慢心なのである。スジャータのような他人の苦しみを思いやる心の持ち主こそ、真に謙虚で優しい人なのである。

 

4.社会に蔓延する我慢と言う悪徳

では、どのように我慢が社会に悪徳をまき散らしているのだろう。その事例を紹介する。ここ30年近く労働者は我慢に我慢を重ねてきた。マスコミに高い給料を貰うと経済が悪くなると言われて、皆の為に我慢しようと善意に基づいて、皆、我慢した。だが、結果はどうだろうか?社会に格差が広がり、経済は低迷した。反面企業の内部留保は、2017年に40兆円と膨れ上がった。

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多くの人々は、我慢をし、苦しいと思いつつも、それが皆の為だと思っていたに違いない。だが、実際は労働時間は長時間化、賃金は下がる。一人当たりのGDPは、世界25位にまで落ち込んだ。非正規雇用者が増えた。

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皆が苦しい、だが、お互いの苦しみに、皆、無頓着でそれを正そうとしない。皆が我慢をする事で、その格差や不公正を認めてしまっているのだ。つまり、他人の苦しみを結果的に無視しているのだ。我慢をし続ける事で、様々な不公平を認め、格差を広げて経済を低迷させたのだ。自分の苦しみにばかり目がいって、全体が見えなくなって、スジャータのように苦しんでいる他者を助けようともせずに、ただ、自分の苦行を全うすれば、悟りが開けると言う苦行僧のように、皆、苦行に耐えているのである。だが、それでは全体が見えないのだ。釈迦は、そうではなく、スジャータのように他人の苦しみを思いやり、粥を差し出すような心こそ、大事だと言っている。つまり、問題を我慢をすることで放置するのではなく、スジャータが粥を差し出したように問題は解決するべきなのである。そうする事が正しいとお釈迦様もいっているのである。

 

皆さん、我慢、もうやめにしませんか?

 

大企業に減税するのではなく、増税したり、賃上げを要求しようではありませんか、何せ40兆円も貯め込めるんですから、皆が働いたお金を経営者にちゃんと払ってもらいましょう。もう、我慢をするのは辞めて、本当の意味で皆の為に立ち上がるのです。スジャータのように苦しんでいる人を救うのです。我慢は悪徳に過ぎません。我慢をする事で他人の苦しみに目をつぶり、悪に加担して、この先ずっと不況に苦しみ続けるのは、もうやめにしませんか?

 

賃金を下げたり、労働時間を長時間にしたりする政党に投票したり、投票に行かないで、ただ我慢するのは、もう辞めませんか?