SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

AIレンダリングによるVRの未来について 2017.8.13

1.AIレンダリングで10倍高速に

NVIDIAがAIレンダリングという手法で、従来よりも10倍高速なレンダリングソフトライブラリを開発した。11月にリリースされるそうである。

 

 NVIDIA、AIを使ったレイトレ高速化/顔アニメーション技術を開発

 http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1073443.html

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 左のノイズ交じりのCGが右のAIレンダリングしたキレイなCGになっている。

 

この手法は、AIによって最終的な映像に寄与しない光線をAIによって予測選別して無駄な演算を省き、高速化するというものである。AIレンダリングソフトはNVIDIAの業務用レンダリングライブラリ:Optix 5.0に含まれる。SDKで利用可能になる。基本的にQuadro用のレンダリングライブラリなので、業務用であってコンシューマ向けには、まだAIレンダリングの恩恵は降りてこない。ただ、そういう手法で10倍高速化できるという事は、ライバルメーカーも同様の手法で高速化できる筈である。

 

2.快適なVRには、どれくらいのスペックが必要なのか?

しかし、AIで予測するという事は、AI演算に適したGPUでないといけない。AIは8〜16bit演算を大量に処理するので、NVIDIAのように演算ユニットを8bit単位で利用し、高速化できる方が有利。

 

高速化倍率

 64bit演算:1倍 32bit演算:2倍 16bit演算:4倍 8bit演算:8倍

 

AMDGPUでは、VEGA世代で、8bit演算の高速化に対応する。ただ、AMDがAIレンダリングに対応したソフトを発表していないので、将来的にそういうソフト技術で従来よりも10倍高速にレンダリングが可能になるという話しか出来ない。では、どのくらい高速化すると、どの程度のVRが見られるようになるのか考えてみる。まず、既存の製品から逆算してみると、現在Acerが発表しているVRヘッドマウントディスプレイを例にとると、推奨環境がGeforceGTX 1060である事から推測してみる。

 

Acer VR:片目(1440×1440):2Mpixel/90Hz(4万円くらい)

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 必要スペック:GeforceGTX 1060:4テラフロップス

 

片目1Mpixelあたり、2テラフロップスが必要と計算できる。そこで、大体、人間の目でドットが見えなくなり始めるのは、片目8Mpixel位(3840×2160)だと思うので、最低限、必要な処理性能は16テラフロップスと予測できる。しかし、10倍高速にレンダリングできるという事ならば、必要なスペックは、その1/10の1.6テラフロップスとなる。大体、IntelのCPUに内蔵されているGPUが0.8テラフロップスなので、このAIレンダリングであれば、次の世代のCPU内蔵のGPU程度でも、片目8Mpixelクラスのレンダリング性能は達成可能になりそうである。ちなみにプレイステーション4の演算性能は1.84テラフロップスなので、AIレンダリングを活用すれば、いまよりも、もっと高品質なVR映像が見れるかもしれない。

 

8Mpixelのヘッドマウントディスプレイの想定スペック

・解像度:片目3840×2160 90Hz 色:30bitColor(1000階調) 視野角180度

・転送速度:44.8Gbps HDMI 2.1(最大48Gbps)

  GDC 2017]8K解像度のVR HMD 「IDEALENS M8K」を体験してみた - 4Gamer.net 2017.3.7

 http://www.4gamer.net/games/999/G999902/20170307040/

 

視野角180度で、ドットが見えない自然なVR映像が手に入る事だろう。現在、このスペックのヘッドマウントディスプレイは、2017年中に800ドルくらいで売り出される予定といわれるから、あと数年もすれば3〜4万円位で、そういうヘッドマウントディスプレイが手に入るだろう。必要なPCもAIレンダリングによって、それほどハイスペックなものでなくても、動作するようになるだろう。ただし、高品位なCGを表示する為に必要なデータ量は膨大なものになるため、大量のメモリは必要だ。ビデオメモリは、最低でも16GB以上は必要になってくると思う。テクスチャーも従来よりも8倍くらい必要になると考えると、16GBでも足りなくなると思う。(必要容量はHEIFで圧縮して4倍位)HBM2のメモリが16GB、PC側のメモリも16GB以上は、最低欲しくなってくるだろう。VRに対応する為にメモリ系列は余裕を持ってたっぷり積んでおくべきだろう。そして、ストレージは、低速なHDDではなく高速なSSDであるべきだろう。従来のテクスチャの荒いCGデータ用に超解像処理もされるだろう。

 

3.それでは、どんなVRコンテンツが出てくるのか?

WebVRで、ブラウザ経由でVR空間でショッピングをしたり、仕事が出来るようになる。というのは、解像度が8Mpixel(片目:3840×2160)と高く3Dなので商品の大きさや形状を確認したり、書類の文字もきちんと読めるからだ。町の機能を代替し始めるようになるだろう。それと、その空間にコンテンツを供給する為に3Dカメラや360度カメラの需要が高まるだろう。子供やペットの映像をビデオカムではなく、3Dビデオカムで撮影するようになるだろう。もちろんネコ動画も3Dになるだろう。スマホには3Dカメラ機能が標準になる。カメラが奥行き情報を記録して、それに基づいて3D映像をGPUが生成する形になるだろう。奥行き情報用のレンズと通常画像用のレンズの2眼レンズのカメラになっていると思う。それと観光地などを撮影し、それに物理的エフェクトを加えるシミュレーテッドVRみたいなものも出てくると思う。単にキレイな温泉というだけでなく、そのCGの温泉に自分のキャラが入る事が出来て、入った温泉の水がちゃんと物理計算で波紋を描いたり、庭の木が風で揺らめいたり、太陽の位置によって風景の影が変わったりする。旅館に行くと女将さんが出迎えてくれて、部屋に案内してくれて、布団を敷いてくれて、朝起きると鳥の声が聞こえて、窓を見るとキレイな庭が見える。一連の体験が物理シミュレーションによってリアルの再現される。AIによって各オブジェクトが自動認識されて処理される。木の枝に鳥が止まっていたら、AIは鳥と認識し、枝と分離して処理する。CGでまるでそこに行ったような気分を味わえる。