SKY NOTE

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プレミアムフライデーの欺瞞

統計データから見て、プレミアムフライデーは、現状の経済状況では、消費喚起には結びつかず、全くの無意味である。それを経済学の基本的な知識から紐解いていく。そして、どうすればいいのかも書いてみたい。

 

まず、そもそもプレミアムフライデーとは何なのかというとl経産省経団連が月末の金曜日を午後3時くらいに早めに仕事を切り上げて、買い物や余暇を有効に活用し、消費を喚起するというもの。2月24日始めた。アメリカのブラックフライデーの真似との事。ブラックフライデーとは年に1回だがプレミアムフライデーは毎月なので、年に1度のブラックフライデーと比べると全然プレミアムじゃない。

 

このプレミアムフライデーがいかに欺瞞に満ちたものであるかは、経済統計を見れば分かる。それは貯蓄率だ。余暇を消費喚起に繋げる為には現金が必要だが、貯蓄率ほぼ0%の状況では、それは全く期待できない。これ以上消費するとなると、日本人もアメリカ人と同様にクレジットカードで借金をしろという内容だ。 

 

 家計貯蓄率がマイナス、日本経済の影響は?

 http://toyokeizai.net/articles/-/57992

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グラフを見ると分かる通り、貯蓄率は2013年にマイナスに転落、1997年の9%と比較すると、20年でここまで日本人は貧しくなった。つまり、プレミアムフライデーなるものがあっても、無い袖は振れないというわけだ。これでは、消費喚起には繋がらない事が分かる。では、クレジットカードで国民が借金をして消費をすればいいという形になるが、そうなると、今度は国民の貯蓄を原資に政府が債務を積み上げているので、外国から資金を持ってこないといけなくなる。日本国債は、基本的に国内で還流しているから、もし万が一デフォルトになっても円を刷ればいいという事になるのだが、それが、外国から借金をするとなると、それが通用しなくなる。つまり、プレミアムフライデーで消費は喚起されないし、喚起する為に国民が借金をすると、その国民の資金をベースに借金をしていた日本政府が外国に借金をする事になり、国の財政が首が回らなくなるという事態に陥る。そもそも、私たちの賃金が下がり続けている状態では、とてもみんな借金などこわくて出来ない。つまり、プレミアムフライデーなるものは全くの欺瞞なのです。机上の空論といっていいと思います。もっといえば空論以下かもしれない。

 

では、どうすればいいのかというと、経産省経団連が避けているのは、税制改革です。消費税の廃止と法人増税がデフレ対策には有効です。大企業の内部留保は、溜まり続けていいます。これが増え始めたのが、消費税が開始された時(1989年)でした。本来増税されれば、企業の内部留保は減る筈です。でも、逆に増えているのです。それは、消費税の財源が丸まる法人減税になっているからなのです。みんなから消費税を薄く広く集めた資金を、厚く濃く大企業に減税している状態が大企業を中心に内部留保が蓄積した理由です。

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大企業に集中する内部留保

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大企業に内部留保が蓄積する理由は、日本の企業の70%は中小企業ですが、これらの企業は、法人減税の恩恵を受けていないからです。なぜならば、親会社の下請けいじめなどで、殆どが赤字経営で無税、つまり、ゼロであり、これ以上、減税しようがないからです。法人税を納められるのは利益の出ている一部の大企業に限られるのです。つまり、消費税の殆ど全てが、消費者から大企業に減税として還流している状態、それがデフレ不況の正体です。マスコミがいっている国際競争力の低下が原因ではありません。デフレというのは、消費者にお金がなくて、消費が低迷している状態ですか、本来、こういう資金が潤沢にある大企業に増税をして、消費者に還元するのが真のデフレ対策です。しかし、政府がそれとは逆の税制を行っている為に、人々は、この20年で貯蓄率がゼロにまで貧しくなったのです。しかしながら、この事実をなぜかマスコミは報道しないのです。

 

つまり、デフレの正体を理解すれば、プレミアムフライデーなんてモノは全くの欺瞞である事が分かります。給料が下がっている状態では、誰も借金をしてまで消費など出来ません。であれば、大企業の内部留保に課税(6%で20兆円)したり、法人増税(+10兆円)をしたりして、それを原資に幼稚園や給食費、教育費を無料(7.5兆円)にしたりして、家計を助ける社会保障に使えばいいのです。また、消費を喚起する為にエコポイントの復活、消費税を廃止(廃止:-20兆円)するなど、消費者にお金を流す政策が、真のデフレ対策です。政府が、これを避けているのは、現在の政権が大企業と癒着した政権であるからで、そういう政権を支持している限り、不況が続くという事なのです。癒着政治を終わらせるのは、市民の賢い投票行動です。マスコミは、ウソばかりを言っています。彼らを信じてはいけません。トランプ政権がウソニュースといっていますが、あれは事実です。ウソのニュースに騙されて、プレミアムフライデーみたいな欺瞞に騙されず、正しい投票行動で税制改革を政府にさせて、消費喚起を促す。それが本当の景気対策です。再分配を1989年の消費税開始と同時にやめたときに、日本のデフレ不況が始まったのです。

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デフレを無くすのはプレミアムフライデーではありません。税制改革による再分配です。これ以上働いたらみんなが死んでしまいます。高橋まつりさんのような人をこれ以上増やさない為にも、再分配で、特定の大企業の限られた人達が豊かになるのではなく、みんなが豊かになるべきなのです。

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日本は、下から数えた方が早いほど、再分配が出来ていない国です。この再分配率の低さが、日本の貧困の真の原因です。国際競争力でも、消費をしなくなったからではありません。分配をしなくなった結果として、富が特定の階層に集中し、貧困が生じているのです。具体的には、特定の大企業に富が集中し、それ以外の人達が貧乏になった。それが事実なのです。それが是正されなかったのは真実を伝えないマスコミに大きな責任があります。そういう彼らのウソの報道を信じ続け、私たちは、貯蓄も出来ないほど貧しくなりました。もうプレミアムフライデーみたいな欺瞞に騙されず、真の原因に目をむけ、正しい投票行動をするべきだと私は思います。もうこれ以上、貧乏に苦しむのが嫌ならばそうするべきだと私は思います。