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Panasonic、近赤外線、カラー画像も瞬時に切り替えて撮影できるCMOSセンサーを開発

2017年2月、Panasonicが近赤外線画像とカラー画像をフレーム単位で切り替えて撮影できる有機薄膜イメージセンサーを開発した。

 感度波長域をフレーム単位で同時に変えられる技術 - EE Times Japan

特徴

1.同一画素で近赤外線域とカラー画像を切り替えて撮影できる。

 →従来の4倍、高解像度な近赤外線画像が得られる。

2.可視帯域と近赤外線帯域の切り替えがフレーム単位で瞬時に切り替え可能

 →例えば60fsのセンサーであれば30fsをカラー画像で、30fsを近赤外線域の映像に振り分ける事が出来る。

3.近赤外線域が高解像度に撮影できるので、人の目では見えない暗闇でも鮮明な画像が得られる。

4.明るい所では、近赤外線域の映像信号をカットして、高品位なカラー画像を得る事が出来る。それをフレーム単位で瞬時に切り替えられる。(画質劣化の原因になる赤外線カットフィルターを外せる。赤外線カットフィルタを外すと、解像度は上がるが、色バランスは崩れる。よってモノクロセンサーとして使うと良い)このセンサーは、そういう光の帯域を動的に調整できるので、赤外線帯域をカットせず、高解像度なモノクロセンサーとして撮影し、次のフレームで赤外線をカットしてRGB画像を得る。それを合わせて高品位な写真にする事も恐らく可能だろう。

 

 Panasonicのプレスリリース

 積層型有機薄膜を用いたCMOSイメージセンサーによる

 近赤外線域撮像を可能とする電子制御技術を開発

 http://news.panasonic.com/jp/press/data/2017/02/jn170209-1/jn170209-1.html#3

 

仕組み

f:id:skymouse:20170206151546j:plain

電圧をかけることで、赤外線域をカットし、可視光域のみを透過したり、近赤外線域のみを透過するなど調整できる。

 

これにより、暗い所でも鮮明な映像(近赤外線モノクロイメージ)を得る事が出来る。

f:id:skymouse:20170212230451j:plain

さらに近赤外線は透過するので、透過イメージも得る事が出来る。

f:id:skymouse:20170212230534j:plain

近赤外線によって醤油瓶の醤油の黒い液体の奥にあるラベルが見える。

 

この技術を使えば、近赤外線で奥行きデータを得て、可視光域で通常の映像を得る。これらを合成し、立体映像を合成する事が可能だろう。

 

近赤外線を奥行きデータとしてハックしたものが以下のページにある。

 

 スマホ内蔵カメラを3Dセンサーにハック:MS研究部門が開発(動画あり)

 http://wired.jp/2014/08/19/microsoft-camera-depth-sensing/

 

近赤外線をソフトウェア処理する事で奥行き情報が得られるデモ。

 

このPanasonicが作った有機薄膜CMOSセンサーを用いれば、近赤外域と可視光域を切り替えて、カラー画像と奥行き情報を得て1レンズで3D動画を撮影する事が可能である。ソフトウェア技術と組み合わせて面白いカメラが出来るだろう。