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Retinaの3倍の解像度も実現できるブルー相液晶、実用化へ

アメリカ光学会(Optical Society of America: OSA)は2月1日(現地時間)、新たな「ブルー相液晶」を開発したと発表した。

 

ブルー相液晶とは

通常の液晶よりも10倍の速度で駆動出来るブルー相液晶を使ってフィールドシーケンシャル表示を使い、同じ液晶密度であれば、従来比3倍の解像度を実現できる。タテヨコのピクセル数が√3倍(1.732倍)になる。仕組みは、従来の液晶がRGB毎にカラーフィルタを通したピクセルがあるのに対して、RGBのバックライトを時分割で点灯し、そのRGBの光の透過度をブルー相液晶で変化させる事でRGB階調を表現する。RGBのピクセルが時分割によって1ピクセルに統合されているので、3倍に高解像度化できる。表示の切り替えを非常に高速で行う為に、人間の目には、混色されて見えるわけだ。そして、カラーフィルタを通すと光の透過度が30%となってしまうが、この方式はカラーフィルタそのものを使わないので、光が失われない上にRGBのバックライトを使うので、色純度の高い高品位な映像表現が出来る。メリットが多い技術だが、ブルー相液晶は、駆動電圧が高すぎる上にコンデンサ充電時間の遅さという問題を抱えていた。2008年にサムスンがプロトタイプを発表してから音沙汰がなかった。

 

当時は、この技術を使って出版物の解像度を持つタブレットコンピュータが出来て、電子出版が活発になると思っていたが、その予想は見事に外れた。現実は、普通の液晶で出版物クラスの解像度になり、出版物と同等の表示品質になったが出版革命は起きなかった。

2017.2.3

CREOLの研究チームと日本のJNC石油化学株式会社と、台湾のディスプレイメーカーAU Optronicsの共同研究者と協力し、このブルー相の問題を解決した。

 

【問題1】駆動電圧の高さ

電圧の高さを、電界が液晶により深く浸透するよう電極を突出させた構造にすることで各画素を駆動するのに必要な電圧に下げる事に成功した。これにより、通常の液晶と同じ電圧レベルに落とす事に成功した。

 

【問題2】トランジスタの充電時間の遅さ

ブルー相液晶の誘電率を最小許容範囲に抑えることでトランジスタの充電時間を短縮した。この問題をJNCと協力して解決した。これによりミリ秒以下の時間で液晶を駆動出来るようになった。つまり、1/1000秒以下で液晶を駆動出来るようになった。

 

2018年には、動作可能なプロトタイプを作る予定との事。

 

このブルー相液晶を使えば、ヘッドマウントディスプレイの解像度が上がる。

・1920×1080→3325×1870

・1440×1440→2560×2560

4Kヘッドマウントディスプレイも安く作れるだろう。そして、HBM2のような広帯域メモリを使ったGPUが安くなれば、4Kの3D映像が楽しめる状況になる。ブルー相液晶は1000Hzで駆動できるが、カラーだとRGBの時分割で1/3になり、333Hzとなるが、人間の目は85Hzくらいを越えると、ほぼ感知できないので、RGBのチラつきが殆ど分からないキレイな映像が楽しめるだろう。実用化は2020年以降となるだろうが、4Kの3Dヘッドマウントディスプレイが比較的安価に出来る可能性が出てきたのは素晴らしい。この4K品質の3D映像は、ある意味、映像ではなくなる。というのは、現実と錯覚するレベルの画質に到達する。AIのカノジョが出来たら現実に戻ってこなくなる可能性が出てくるレベルに達すると思った。バレンタインデーが近いがチョコを貰う可能性ゼロの私にとっては、こっちの方(3D映像のAIのカノジョ)がリアルなカノジョのような気がする。