SKY NOTE

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「貿易立国」という大艦巨砲主義

トランプ政権の誕生によって、貿易立国という発想は、前時代のものになりつつある。なぜなら、国境税によって貿易では成功できなくなるからだ。今まで世界各国は、アメリカに輸出する事で利益を得ていた。アメリカも基軸通貨の強みを生かして通貨を発行して、こういった利益を正当化していった。だが、アメリカの巨額の貿易赤字に対して、アメリカがNOと言い始めた。なぜなら、海外に仕事が移転し、国内に失業者が溢れているからだ。アメリカの実際の失業率は10%近いだろう。公表されている統計(現在4.8%)は、職を求めている人しかカウントしていない。長期にわたって職にありつけず、仕事を求めるのを諦めた人は、アメリカの失業統計にカウントされていない。

 

トランプ政権は、国境税で海外流出した工場を国内に取り戻し、政府支出によるインフラ投資など、内需拡大を通じて、アメリカ人に職を与え、消費を拡大しようとしている。つまり、自由貿易を標榜しているアメリカが180度違う政策をし始めたのだ。そして、アメリカに海外からモノを売りつけても、もう、儲からないぞと言っている。つまり、もうアメリカと貿易をしても利益は出ないよ。国境税を取るから、それぞれの国で内需拡大をして経済成長しなさいといっている。つまり、アメリカ頼みの経済成長というものが完全に崩壊したわけだ。この意味がわかるのは、実際に国境税が課される時になってからだろうが、これは、グローバル経済の破綻を意味する。なぜなら、それに何のメリットもなくなったからだ。グローバルモデルが意味があるように見えたのは、アメリカが貿易赤字を垂れ流して、世界各国にお金をばらまいていたからであって、それがなくなったら、殆ど何も意味はない。その流れをAIが拍車をかける。AIは、将来的に人間のどんな労働者よりも勤勉で低コストに運用できるようになるだろう。それも半導体の進歩に比例して、それが可能になっていく。中国で生産すれば安く作れるようになるのではなく、AIで作らせれば、一番安くなる社会が来る。それが半導体の進歩のスピードと連動してやってくる。

 

パラダイムが変化し始めている。外国で生産するよりもAIに作らせた方が安くなる。でも、AIに労働を完全に移管してしまうと労働者がいらなくなり、失業者で溢れる。すると、消費する人間が減るから商品を買う人がいなくなる。つまり、経済が停滞する。AIを使うなという事は出来ないが、国が労働基準を見直して、週休4日、時給3000円とかにする事は出来る。そうすることで、富をみんなに分配する。分配した富で人々は消費するので、経済は停滞しない。AIが生産活動を担うので生産性は落ちない。そして、グローバル競争も全く意味がなくなっている。だって、それで利益が出る世界は、トランプ政権の誕生とともに終わったのだから。このパラダイムの変化に気づかないと、私たちは、大艦巨砲主義で沈んだ大和のようになる。