SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

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トランプ政権をどう捉えるべきか?

就任直後から矢継ぎ早に大統領令を発布し、世界中を騒がせているトランプ政権について、自分になりに、どう捉えるべきか考えてみた。

 

1.経済

まず、経済については、トランプ政権はレーガノミクスを踏襲するようなので、政府支出は拡大し、減税も大規模になるだろう。よってアメリカの雇用は拡大し、同時に消費も拡大する。対外的には、メキシコに国境税を20%課す方針である事がわかっており、そこからすると、アメリカとの貿易赤字国である日本にも同様の税率が課されるものとして考えるべきである。日本企業は、アメリカ国内に工場を建てた方が結果的にコストが安くつく可能性が高い。また、世界的にも今まで新自由主義を正当化してきたのは、アメリカへモノを売って儲ける事が出来たからだが、国境税によって、それが出来なくなるため、世界各国は、国内の大企業や富裕層増税し、再分配をするしか経済成長する手段が無くなったわけで、世界にデフレをもたらし、格差を広げた新自由主義が否定される契機となるだろう。世界各国はケインズモデルへの回帰をする以外に経済成長する方法がなくなる。ケインズモデルが失敗したのは、大企業や富裕層に減税した事が、財政の悪化と消費不況を同時に引き起こしたわけだが、これを新自由主義の連中は、ケインズ経済そのものが悪いのだとマスコミを使って人々を騙す事に成功した。そうする事で彼らは減税され、わが世の春を謳歌できたのだが、トランプ政権の国境税によって、その春は終わりに迎える事になりそうだ。どれほどの「春」であったかは、以下のグラフが示している。

資産上位1%とそれ以外の99%の資産合計

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上位1%の資産が2016年に下位99%の資産に拮抗しているのが分かる。つまり、それだけ格差を広げる「自由」を認める事が出来たわけだ。再分配を是とするケインズ経済はダメだ新自由主義が正しいといって、富を独占してきたわけだ。それもこれも、アメリカへモノを売って儲ける事が出来たから、辛うじて正当化できた話だった。しかし、それがトランプ政権の政策で出来なくなったら、どうなるか、新自由主義には何のメリットもない、単に格差を広げるだけの経済であるという実態がバレる。そして、世界各国で再分配の流れが始まるだろう。そして、グローバル経済が終わる。

 

なぜグローバルモデルを否定しなければいけないのか?それは、AIの登場が深く関わっている。AIは、将来的に、どんな労働者よりも安くモノが生産できるようになる。その進化のスピードはインテルディープラーニングの処理を2020年までに100倍にするといった事からも、非常に急速に進歩する事が想定される。たった3年で性能が100倍になってしまう。これはいくら何でも、人間は負ける。となると、今後20年以内に労働者の半数がいらなくなる社会が生まれる。それも世界同時にだ。そのような時局にあっては、労働者の時間あたりの賃金を上げて、休みを増やさないと、雇用を維持できない。週休4日制にして、労働者を倍雇う。そして、時間あたりの賃金も倍にしないといけない。そうしないと失業率50%以上の地獄になってしまう。その為には、グローバルモデルではなく、自国経済を保護し、国内の法律で規制しないと、そういう事は出来ない。全てを世界共通ルールにしてしまうグローバルモデルでは、失業率50%以上の世界で人が死んでしまう。高橋まつりさんがなくなった労働環境よりもさらに過酷な社会が待っている。つまり、AIとグローバル経済を同時に行ってしまうと、失業率が50%以上になり、人間が家畜か、奴隷と何ら変わらない社会が生まれてしまうので、新自由主義やグローバルモデルは早急に滅ぼさないと労働者の命が危ない。AI時代において、新自由主義やグローバルモデルはKILLするしかないのだ。そういう意味で、トランプ政権の保護主義的政策は、AI時代に合致したものであり、支持するに値するといって良い。

 

2.移民、入国規制

移民の問題についてはシリアの例を見ると、トランプ政権は、シリア難民を無期限で受け入れないと言ったが、同時にシリア国内に地上部隊を配置して安全地帯を作るとも言っているとの事。これは、ロシアと対立し、地上部隊の配置を避けていたオバマ政権では出来なかった事だが、トランプ政権では、ロシアと融和し、地上部隊を配置してシリアに安全地帯を確保するという話のようなので、そういう事ならば話が通る。ISもロシアの石油タンクローリーの攻撃で資金源を失い、青息吐息の状態なので、安全地帯を作る構想は、アメリカがロシアと協調し、地上部隊を配置するのならば、現実的に可能であろう。その上で、テロリストがいそうな国に対して、入国制限をするという話ならば、一応話としては通るのではないかと思う。なぜロシアと協調するといいのかというと、まず、ロシアは、ISの登場によって資源価格が下がり、大損害を被っている。故にロシアはISを徹底的に叩く動機がある。そのロシアとアメリカが協調するという事は、このシリア戦争はISの敗北が確定する。そして、敗北したISは世界中に散らばり、世界各国でテロを行う事が予想される。攻撃対象はアメリカになる事は必定、そういう意味で入国を厳格化するというのは、国の安全保障上、正当化できると思う。入国制限をしている7カ国(シリア(無期限)、イラク(他は厳格な入国制度が出来るまでの90日間)、イラン、イエメン、スーダンリビアソマリア)はIS戦闘員が潜伏していそうな国ばかりだ。シリアだけ無期限と特別なのは、シリアに地上部隊を配置し、安全地帯を作るという話と合致しているように思える。

 

3.メキシコの壁

メキシコ移民が拡大し、国内の雇用が不安定となっているアメリカがメキシコ移民を排斥する為に壁を作る事は、国内雇用を維持する上で有効な政策だと考える。壁は日本円にして4.7兆円程度で出来るという話なので、国境税の税収で充分賄える額である。壁(恐らくAIセンサーが搭載される)で麻薬の流入を防ぐ事が出来るかどうかは疑問だが、入国するのがより難しくなり、麻薬の輸送コストが上がる事が想定される。麻薬の流通を抑えられると、困るのはメキシコのマフィアである。メキシコは国境税によって国内の自動車工場の殆どが生産縮小に追い込まれるだろうから、不景気になる。そうなるとメキシコ国内の富裕層や大企業に増税するしかないが、その時に一番、叩くべきなのは、メキシコマフィアだ。警察すら手に負えない連中だが、資金源の麻薬の消費が抑えられて、弱体化した所をメキシコ政府が軍隊を使って殲滅して、彼らの富を奪い取って、民衆に分配するような事が可能であれば、それに越した事はない。メキシコは壁を契機に国内のゴミを掃除して、クリーンな国になり、海外から投資を呼び込むべきではないかと思う。

 

まとめ

つまり、経済においてトランプ政権の政策は、AI時代に即した保護主義と言え、移民、入国規制については、テロ対策、メキシコの壁に対しては麻薬、移民対策と考えるべきではないかと思う。基本的に、これからの国というのは、再生可能エネルギーでエネルギーを自給し、AIで人間の労働を減らせばいいわけで、その際にグローバル経済の必要性は、ほぼない。つまり、保護主義でも何も問題ない。むしろ、保護主義でないと国内調整ができず、過重労働で人がバタバタと死ぬような社会になってしまう。よって、自分は概ねトランプ政権の政策を否定はしない。何でもかんでもオープンであればいいというのは、AI時代の過酷さを分かっていない時代遅れである。また、移民政策もシリアに安全地帯を地上軍を派遣して作るというのならば筋が通る。壁も、移民問題を解決する上で有効な選択肢と考える。不法移民が増えてしまっては、犯罪の温床となり、それがマフィアの構成員の増大にも繋がるだろうから、総合的にみて、世の中(マスコミ)が批判するような事ではないと思う。アメリカが国家としての無秩序状態を是正し、ある程度の安定性を確保するのならば、これらの政策は、やってみる価値があると自分は思う。ブログ読者の不評を買うかもしれないが、自分はそう思う。