HDMI 2.1規格が発表された。内容は、帯域幅が従来の18Gbpsから48Gbpsと大幅に向上しており、4K/120Hzから8K/60Hzまでと対応する。実際どの程度なのか計算してみた。
4K解像度だと、色深度16bit(65536階調:RGB 48bit)で120Hz表示が出来る。4KVR表示だと、フレームレートは遅延が見えなくなる90Hzまで高めて、2眼という構成で色深度は10bit(1024階調:RGB 30bit)という感じ。8Kになると、色深度は8bit RGB 24bitで60Hzが非圧縮では限界という帯域幅である。
HDMI 2.1規格 PDF(日本語)
http://www.hdmi.org/download/hdmi_2_1/HDMI_Forum_2.1_Launch_EN_JA.pdf
この他の特徴として
サポートする色深度
12、14、16 bit Colorをサポート
DynamicHDR
シーンごと、あるいはフレーム毎に最適なディテール、明るさ、コントラスト、色域が最適なレベルで表示できる。
eARC
最新のオーディオ規格をサポートし、高度なオーディオコントロールを可能とする。最新のオブジェクトベースオーディオなどをサポート。没入型多次元体験とオーディオ解像度、深さを実現との事。
ゲームモードVRR(可変リフレッシュレート)
より滑らかで、より解像度の高いゲーム体験を可能にする。具体的には可変リフレッシュレートをサポートし、ソースとディスプレイを同期させる。これが同期していないとカクついたり、タイムラグが生じたりする。
この規格で注目したのは、48Gbpsという大幅に向上した帯域幅とVRRだ。向上した帯域幅では4Kならば、ほぼフルスペックで表示でき、8Kも非圧縮では色深度が8bitに落ちるが、ギリギリ60Hz表示できるスペックである。特に注目なのは、このスペックだと4K VR表示が10bit(1024階調)90Hz表示できる事。このクラスの解像度と色深度が立体映像(2眼)で見られるのは、かなりリアル。大抵の人は、このスペックで満足するレベルに到達すると思う。4K VRの視覚体験は、現実と見間違えるくらいリアルなものになる。それ位、人間の目の性能に近づいている。解像度以外は。VRR(可変リフレッシュレート)が重要だと言うのは、フレームレートが固定されていると、CGのレンダリングタイミングとのズレでフレーム時間軸がズレる事があるからである。そのズレを解消し同期させる事が出来るというのは、VR表示には重要だと考えられるからだ。8KVR表示ともなると、滅茶苦茶なスペックが必要だが、4K VR表示が、この規格において、視覚体験としては、最もリアルなものとなるだろう。4K VR表示が出来るようなGPUは、まだ出来ていないし、できるのには、あと数年は、かかると思われる為、この規格は、あと数年はメジャーな規格になるのではないかと思う。今年はHBM2メモリを搭載したGPUが登場してくる。本格的にHBMが量産段階になって普及して来る年なので、HDMI2.1とHBM2メモリを使った高速GPUの組み合わさった新しい視覚体験がどんなものになるのか、今から楽しみだ。