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スマホ向けの有機ELのコストがLCD以下になった。2016.3.28

有機ELパネルの一種であるAMOLED((Active Matrix Organic Light Emitting Diode)がスマホ向けの小型製品において、LCDのコストを下回ったとの事。

5inchフルHD
 LCD   :14ドル60セント(1650円) 2015Q4:15ドル70セント
 AMOLED:14ドル30セント(1630円) 2015Q4:17ドル10セント

2015Q4までは有機ELの方が高かった。しかし、2016Q1になってコストが逆転しました。このコスト逆転の要因は、サムスンの製造ラインの稼働率が90〜95%にまで上昇し、製造ラインの減価償却が完了したのではないかとのこと。

というわけで、これからスマホ向けの製品は液晶ではなく、有機ELが増えてくる事でしょう。そこで、LEDと有機ELの違い、メリットなどを書いてみたいと思います。

1.自発光なので、コントラストが高い。

  • 有機ELは自発光なので、コントラストが高い。LED液晶のコントラスト比は、バックライトの輝度を制御する動的コントラスト比と、そうでない静的コントラスト比がありますが、基本的な性能はバックライトを制御しなくても高いコントラストが出る静的コントラストの方が重要です。というのは、映像のメリハリとは、同じ画面上の明暗によるものであり、動的コントラス比のような時間軸方向の明暗はあまり重要ではないからです。液晶の静的コントラスト比は大体1000:1程度ですが、有機ELは100万:1です。

 

  • つまり、有機ELの方が、より黒がしまった映像でくっきり立体的に見えるわけです。このメリットが生かされるのは、ディープカラーフォーマットです。有機ELの映像を見ると、液晶と比べてコントラストが高い為に色が鮮やかに、そしてモノが立体的に見えます。JPEGや、その次世代フォーマット、H.264/H.265などの動画フォーマットでは8bit以上の10~12bit階調の映像フォーマットをサポートしています。人間の認識できる輝度階調は1000階調までなので、過剰スペックと思われるかもしれませんが、実際に見ると、黒が真っ黒な有機ELの方が映像がくっきり見えます。また、有機ELは、水面などがキラキラと美しく見え、同じ解像度でも有機ELの方が高いと感じます。例えば鳥の羽が太陽光に照らされて、テカテカ光る羽毛の様子を見ると、まるでそこに鳥がいるかのように立体的にリアルに見えるのです。液晶だと、いかにも映像と言う感じですが、有機ELだと、そこにいるかのように感じる。そういう違いがあります。

2.ブルーライトが半分程度になる。

  • ブルーライトは、目に有害で網膜まで届きます。自分はiPadを使っていると、目が痛くなったのでブルーライトを90%以上カットするというフィルタを使ったら目の痛みが消えました。つまり、それだけ大量のブルーライトが出ていて、目を疲れさせていたと言うわけです。
  • 有機ELブルーライトを出していますが、LEDに比べて、光のスペクトルがより、緑色を中心とする人間のスペクトル感度に近い事で、同じ人間の感じる明るさ(光束)ならば、有機ELの方がブルーライトが半減すると考えられます。そこで以下のスペクトルを見てください。ブルーライトは波長380nmから495nmの光の事を指します。
  • 一見すると、有機ELとLEDでは、ブルーライトはあまり変わらないと思えるかもしれませんが、実際は大きく違います。同じ明るさの画面であった場合、人間は緑色をピークとした光感度スペクトルであるために、LEDでは有機ELよりも大きな光束が必要になります。この部分のスペクトルが有機ELの半分程度しかないLEDは、同じ明るさを実現するのに倍の光束が必要になるのです。すると、それに伴ってブルーライトも倍になるのです。つまり、有機ELの方が同じ見た目の明るさならば、ブルーライトが半減すると考えられるのです。

3.応答速度が1000倍

  • 液晶の製品は、通常75Hz程度、速いものでは120Hz~140Hz程度だが、有機ELは、その1000倍である。人間の目が60Hzなので、そこからすると、過剰スペックのように思えるかもしれないが、実際の人間の目は60Hz程度ではちらつきを感じてしまって疲れる事が分かっている。理想的には80Hz以上である事が望ましい。また、映像が切り替わる時、液晶は遅いので切り替わる様子が若干人間の目に知覚されるらしく、それがちらつきとなって見えるようだ。応答速度が速いと映像がカクカクせず滑らかに見えるので目が疲れにくくなる。これは、動きの速い映像を見る時に顕著で、ゲームなどで重要になってくる。また、液晶シャッターメガネを使った立体表示の際にも、最低でも120Hz以上の周波数が必要であるため、重要。現状ではスマホ製品しか安くなっていないので液晶シャッターの立体メガネは意味がないかもしれないが、小型製品で低コスト化が出来ると、次は大型化が進むので、将来的に有望。噂では次期iPhoneのディスプレイは有機ELとも言われているので、ここで量産が一気に進むと、スマホの画面は有機ELがスダンダードになり、大型化への道が開けるかもしれないという意味で重要。

まとめ

  • 有機ELが安くなった事によって、ブルーライトが少なくて目に優しく、そして、コントラスト比が高い美しい画面が、高速な応答性によって滑らかに表示される理想的なディスプレイが普及するのは、とてもいい事だと思う。特にブルーライトは、目に有害なので、これが少なくなるディスプレイは、重要だと思う。特に子供が使う機器にブルーライトが出るのは良くないと思っていた。それが半減するのはいい事だ。もっというと、有機ELでもブルーライトは出ているのでブルーライトカットフィルタやメガネを使うのは変わらないが、より安全なディスプレイになり、疲れにくくなると言う点で、今回のニュースはいい事だと思う。
  • 自分はRetina Guardという製品を使っている。この製品は屋外で使用すると青みがかる欠点があるが、それ以外では、極端に黄色くなるわけでもなく、自然な色合いで目が疲れにくくなるのでオススメ。タイプは白いボディ用のものと、黒いボディ用のものがある。他にもブルーライトカット90パーセントというものがあるのでスマホを使っていると目が疲れるという人は検討するといいだろう。
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