GoogleのAIの「AlphaGo」が囲碁の名人と対局して勝ったとあるのですが、記事を読んでいくとなかなかスゴイ内容だった。
- 囲碁チャンピオンを打ち破ったGoogleの人工知能「AlphaGo」を作った天才デミス・ハサビスが人工知能を語る
- http://gigazine.net/news/20160311-demis-hassabis-talk-ai/
まず囲碁の局面数は10の360乗という途方もない数字であり、これは、単純な総当たり処理では計算にムチャクチャ時間がかかり、実用的でない事が分かります。
局面数
オセロ 10の60乗
チェス 10の120乗
将棋 10の220乗
囲碁 10の360乗
1.自分で考える事が出来る
- つまり、AlphaGoの凄い所は、まず、人間のように局面をきちんと「考えて」手を打っていて短時間の内に効率よく最適解を導き出しているという事です。これが将棋のプログラムでも、その組み合わせ数から同様の処理が求められるので、あまり驚きではないかもしれませんが、AlphaGoの凄い所は、その処理方法なのです。
- 引用:デミス・ハサピス氏(AI技術の天才)
- ディープブルーはチェスのルールや情報について非常に高度にプログラムされていたのに対して、AlphaGoは状況や対戦から自分で学び取る様に作られています。誰かにプログラムされたのではなく自ら学んでいくという、より人間に近い行動をとる点が重要なことです。
2.自分で学ぶ事が出来る。
- ルールややり方を人間が教えるのではなくて、無数の局面パターンから自分で学習して、高度な思考を生み出す所がスゴイのです。しかも、もっとスゴイのが、これを実行するコンピューターに特別優秀なハードを使っていないという事です。
- 引用:デミス・ハサピス氏
3.実行時に優秀なハードウェアを必要としない
- 学習する時には沢山のハードウェアが必要だったと言っていますが、それを実行する時には特別に優秀なハードを使っていないという所がスゴイのです。つまり、学習した事を、それほど優秀でないハードでも実行できるほどコンパクトにまとめる事が出来ているという事です。
- スーパーコンピューターで膨大なデータを注入して短時間で学習させ、その学習結果を実行するのには、それほど優秀なハードを必要としないというのは、非常に実用的です。将来的にAIに様々な仕事をスーパーコンピューターで覚え込ませ、それを、ロボットや家電、スマホやPCで実行するような時代も来るかもしれません。通常は、様々なパターンを覚え込ませる為に膨大なデータを記録しないといけないのですが、それがコンパクトにまとまっている点がスゴイのです。考える事が出来る為、高度な組み合わせを効率よくまとめていると推測されます。
まとめ
- まとめると、このAlphaGoの凄い所は、自分で「学ぶ」こと、次にそれを「考えて」実行する事、そして、それが、それほど「優秀でないハードでも実行できる」ほど、コンパクトに効率よくまとめる事が出来ている事。これが凄い理由は、これを発展させていくと、AIが自分で学習して、答えを自分で見つけ出して、それを、一般的なコンピューターでも実行できるという事です。様々な仕事を覚え込ませ、最善の選択を出来るようにすれば、人間がいらなくなる可能性もありますし、反面、沢山働かなくてもいい社会も出来るかもしれません。そういう意味で「AlphaGo」は、スゴイのです。