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Panasonicと東北大学、従来のモータと比較して3.1%効率向上の圧縮機を開発

Panasonic東北大学は、従来のモータと比較して3.1%効率向上の圧縮機を開発した。世界最高水準との事。

 新ナノ合金を使った圧縮機が次世代省エネ実現へ
 http://eetimes.jp/ee/articles/1602/26/news049.html

このモーターの特徴は高鉄濃度Fe-Si-B-P-Cu合金(NANOMET:軟磁性材料)というものでレアアースを使わない点にある。10nm程度の均一なナノ結晶構造により、高飽和磁束密度(高い磁力)と低鉄損(鉄損:コイルなどの電力損失)を実現という。つまり、新素材により、レアアースを使わないで、高磁力で従来よりも3.1%程、低消費電力のモーターが出来ましたという事だ。ただ、この素材は応力に弱く、その為、Panasonicでは応力のかからない工夫を行いモーター/圧縮機の試作に成功したとの事。今後は家電や産業機械に向けて量産技術、コストダウンを図るとの事。

この種の圧縮機は、エアコンや冷蔵庫などに使われるので生活に関係してくる技術だ。メーカーでは時期を明言できないとしながらも2018年には製品化したいとの事。たった3%程度と思うかもしれないが冷蔵庫やエアコンなど、家庭でエネルギーを大食いする製品の3%は、消費電力としては大きい。年間消費電力190kWh位の最新鋭の省エネ冷蔵庫の消費電力が、さらに6kWh位減る計算になる。

さらに、2017年ごろには電力変換効率98%のSiCインバーターの製品化が予定されているという事なので、さらに有望な省エネ技術が目白押しだ。

 SiCで電力変換器の“究極”目指す
 http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/feature/15/020900020/020900001/?rt=nocnt

従来のパワー半導体による電力変換効率は80〜90%、平均で85%程度としてみると、98%のSiCインバーターを使ったら、13%の効率向上となる。効率が向上するという事は、熱の問題が回避でき、大幅に小型化できる。冷蔵庫などを見れば、背の高いものが多いが、電源やモーターの小型化が進めば、背が低くても高容量なものができるかもしれない。また高い周波数でスイッチングできるので、騒音も少なくできる。こういう技術を組み合わせて、冷蔵庫を作ると、背が低くて、400Lで横幅63cm、奥行き65cm、高さ160cm位の年間消費電力160kWh位の省エネ冷蔵庫ができるかもしれない。自分が考えた冷蔵庫のこの寸法は、日本の狭い住宅条件で、日本女性の平均身長(154cm)を考慮した最も実質的に大容量でワイドで使いやすい冷蔵庫のサイズである。このサイズを実現するモーター技術、電源技術を考えた場合、SiCインバーターやナノ結晶構造の鉄線を使ったコイルなどが必要になってくると思い。この記事を書いてみた。