SKY NOTE

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重力波とは、何がそんなにすごいのか?

重力波が観測されたという事で「あ〜ダークマターの話かなんかで聞いたような気がする」程度でしかない私は、一応ない知恵を絞って調べてみました。まず、重力波とは何かというところから行ってみましょう。

1.重力波とは何か?

  • 重力波の解説については、GIZMODOの以下の記事が参考になりました。
  • それによると重力波というのは、時空の振動らしいです。通常、振動するというのは、水とか空気とか、物体ですが重力波というのは時空間そのものが振動するというものだそうです。重力波は光の速度で伝播し、それが地球に届く時には、原子の10億分の1くらいの揺れという非常に微小な振動であるため、観測するのが難しく、周囲のノイズに混じってしまうため、ノイズのない環境が必要だとのこと。そして、この時空を揺らすほどの重力波の発生源となると、ブラックホール同士の衝突、超新星爆発、ビッグバンなど、とてつもないエネルギーが放出される天体現象と一緒に発生し、一度発生すると全てのものを貫通し、減衰する事はないと予測されている為、光のような電磁波では観測不可能な宇宙誕生までさかのぼって宇宙を観測できるという。また、ダークマターなどの発生源がブラックホールかどうかも分かるそうです。つまり、重力波が観測できれば、宇宙そのものが分かる、だから、スゴイというわけ。

2.重力波の検出方法

  • この原子の10億分の1という微小な時空の振動をどのように観測するかというと、マイケルソン干渉計という計測器を用います。一つの光源から出た光(レーザー光線)を直角二方向に分けて、分けた光が、遠方に配置された鏡で反射して、戻ってくる時の光の到達時間の差を、光の波の性質である「干渉」という性質を利用して測定する装置です。光は時空の歪みにそって「真っ直ぐ」進む性質があるので、歪んだ空間を走った光はそうでない光に比べて、速く届いたり遅く届いたりします。この時間差で観測するというものです。イメージとしては、重力波という風が吹いて、マイケルソン干渉計というハープが、その風で時間差という音を奏でて、それを聞く事で宇宙の誕生の鼓動が聞こえるというような感じです。しかし、そのレーザーの弦の歪みは原子の10億分の1と極めて微小ですので、今まで観測するのが難しいと言われてきました。

3.重力波の発見

  • 2015年9月14日、午前5時51分 LIGO(Laser Interferometer Gravitational Wave Observatory)米国のルイジアナ州リビングストンとワシントン州ハンフォードにある2台の検出器両方から重力波を観測、観測した天体は、13億年前に起きた超巨大なブラックホール同士の衝突との事。そのエネルギー量は、太陽の3倍の質量が一瞬でエネルギーに変換されたという。
  • 去年に発見されていたのに、なぜ2月11日に正式な発見となったかというと、検出された時間差が本当に重力波によるものかどうか確認していたとの事。

4.重力波で何が分かるのか

  • 重力波を観測できる事は、重力を捉える新しい目を手に入れた事を意味します。光のないブラックホール中性子星などの天体の観測や重力波の波形によって、それをつくり出した物体の大きさや動きを推定でき、それ以外にもダークマターの発生源がブラックホールかどうかとか、ビッグバン時の時空の歪みを検出して、宇宙誕生の謎に迫れるなど、様々な事が分かるのだそうです。

まとめ

  • 重力波が観測できれば、光では見えないもの、ブラックホールダークマター、そして、ビッグバンの謎が分かるかもしれないという凄くスケールの大きな、そして、今まで見えなかったものが見えるという事です。そして、それは私達が、どこから来て、どこへ向かうのかも指し示しているのかもしれません。宇宙誕生の謎が解明されれば、時空の成り立ちも理解できるかもしれません。そういう新しい世界が見える目を私達は手に入れたのです。だから、学者たちが熱狂しているわけです。それは、ある意味、自然という名の神が世界をどのようにつくったか理解する事になるのです。非常に哲学的ですが、その領域を見る事が出来る目を私達は手に入れたとも言っていいかもしれません。