SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

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社会の不正は「勝利」にあり。

世界にはびこる悪政の数々、その原因について考えてみると、大体そこには金の問題が横たわっています。ではなぜ、人は、お金が関わると人は悪になってしまうのかという研究があったので、その内容について考えてみる。

 お金持ちはなぜ悪事を働くのか、新たな研究で明らかに
 http://www.gizmodo.jp/2016/02/post_663999.html

それは、結論から言うと「競争に勝つ事で欲が深まる」との事。人は競争に勝つ事によって、倫理感よりも自分の利益を優先させるようになってしまうとの事。

1.不正の発生

  • サイコロの実験で、サイコロの目を自己申告してもらい、その目の大きさで勝負をし、勝ったものに数百円の賞金がもらえるというゲームをしてみたところ、勝者のサイコロの目の合計値が平均値の7よりも多めの8.75が出ていたという。一方、敗者の方は6.35と7より低い値だったそうですが、統計的には異常ではない範囲だったとの事。つまり、勝者が目を高く申告する傾向がハッキリわかったという。

2.不正の検証

  • 次の実験で、あるグループに「競争に勝ったときを思い出す」、もう一つのグループには「個人的な目標を達成したときを思い出す」と支持し、サイコロのゲームをしたら、勝った経験を思い出したグループのサイコロの目の申告値の平均値は8.89、目標を達成した時を思い出したグループは7前後の範囲でした。つまり、「誰かに勝った記憶」では明らかに不正が起きていたという。

3.不正の原因の検証

  • 次は、競争に勝つ事が不正を招いていると仮定した上で、それを検証する実験として、競争に勝った時を思い出させたグループと個人的な目標を達成したグループに権利意識の強さを判定する調査に解答させた所、勝った時を思い出させたグループに強い権利意識が見られたとの事。つまり、勝つ事と権利意識が結びついている可能性が高いという結論に至ったという。

4.結論 勝つ事によって生じる権利意識が不正を誘発する。

経済成長や技術の進歩、富の創造、社会的流動性、より大きな平等を発展させるために、競争が重要なのは当然である。だが一方で、競争が批難すべき行為を誘発している側面を認識することも非常に重要である。我々の発見が示すように、勝者が不道徳な行為をする傾向がより強いことは、社会の格差を緩和するよりも増大させ、社会的流動性や平等を妨げる可能性が高い。

これを見て思ったのは、シャブ中に似ていると思った。覚せい剤を打つと強烈な快感におそわれ、中毒になる患者は最初に打った時の、その快感が忘れられなくて、何度も覚せい剤を打とうとするという。でも、最初に打った快感は二度と訪れないという。不正というのも、要するに勝利という快感を得ようとして侵してしまう中毒症状の結果なのかもしれない。

であれば、過激な競争社会は、常に不正の温床になり得るわけで、競走をしすぎると、逆に不正がはびこり、社会全体がモラルハザードを起こす可能性も考えられる。競争も適度な水準が妥当という事になり、何でもかんでも競争すればいいという事ではないという事のようだ。

そして、現在、行われているTPPや戦争などの行為は全て、利益を獲得する為の自由競争の中で行われている不正が出した結果と考える事も出来る。そういう意味で何でもかんでも競争で問題解決するのでなく、ルールや調停によって、バランスよく無理なく競争した方が公正な社会になるのではないかという示唆に富んだ実験と言える。とても興味深い。自分は、この実験は、今後の社会構造の設計の指針になり得ると考える。競争が無さすぎても駄目だが、競争がありすぎても不正がはびこる。そして、その不正が肥大化すると1%のスーパーリッチの為に99%の市民が犠牲になるというようなTPPのような不正行為がはびこるわけだ。

自分が勝利し続けるという事は、最終的には自分以外のものを全て敗者にすることになるのであり、TPPは、その典型とも言うべき発想で作られている。この実験は、格差が人々に権利意識を植え付け、不正に走らせる事も示唆している。故にその権利意識が不正であり、妥当ではないという合意形成が社会全体でなされる事が、そういった不正を正す事に繋がる。そう考えると、かつて公民権運動でキング牧師が行った改革が必要なようだ。実はアレと同じ差別が、格差という形で再び頭をもたげてきたのが、現代社会なのだ。この実験で、そういう事が明らかになったのは今後の社会改革をする上での大きな示唆を与えていると思う。

不正を犯す人というのは、要するに勝利という名の麻薬にとりつかれたシャブ中患者という事になる。清原みたいなのが、不正を犯すタイプの人間というわけだな。つまり、勝利の快感に支配され、自制が効かなくなってしまうのだ。ということは、公正な社会は不正に確実にペナルティを課し、不正によって勝利できないようにする事にある。オーソドックスだが、そうしないと、一種のシャブ中みたいなのが、そこら辺に闊歩するようになり、不正がはびこる。そういう意味でジャンバルジャンのジャベール警部のような厳格な人が沢山いると、公正な社会になるという事になる。不正で勝てないようにする事が大事だ。

以下の動画は、マネーショートという金融コメディ映画の紹介で、アメリカがいかにサブプライムローン問題で、ウォール街の不正を野放しにしてきたかがノンフィクションという形で描かれている。アメリカの実態を理解する上で参考になると思う。

町山智浩 映画「マネーショート 華麗なる大逆転」ブラピ出演 たまむすび
町山智浩たまむすび