SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

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東芝、シャープの没落の理由を考えてみる。

東芝、シャープの赤字、それは、賃金低下の中、安いものしか売れなくなり、その中で新興国と同じものを作ろうとした結果だと思う。安くしないと売れないという強迫観念に縛られ、高付加価値品を作る事を怠った。あるいは、高すぎる高付加価値品を作ってしまった事が問題だったと思う。

東芝については手堅い製品を作るメーカーでそれなりに評価していたが、気になったのが経営者のアメリカかぶれだった。というのは、アメリカ型経営を積極的に導入した日本企業は軒並みおかしくなっているからだ。特に問題は成果主義。これを導入するとなぜか、そのメーカーは新しいものが作れなくなる。

東芝で一番赤字になっているのはコモディティ化した家電分野で、この分野では、手堅い製品を作っている東芝だが、それは、それなりのものが出来るようになった新興国メーカーの製品に押される形になった。個性がないというのが仇になっていると思う。ソニーが元気の時は、ソニーの真似をして作っていれば、新しい市場にステップアップして自動的にコモデティ化を避けてこれたのだが、ソニーが駄目になったので、コモデティ化の波にもろに飲まれてしまった。デフレとコモデティ化の二正面攻撃に東芝は敗退した構図だ。Panasonicが、この点をある程度乗り切れているのは、信頼のブランドイメージと手堅い設計にプラスして、新しい事を挑戦し始めた事にある。これはPanasonicの経営陣が必死にもがきながらも、新しい事を積極的にやった結果だ。東芝もやっているのだが、そのスケールが小さく分かりにくい。こういうスケールの小ささは、大抵、経営陣がきちんと動いていないからであり、東芝は家電分野を軽視していたと思う。だが、この市場は儲からなくてもブランドイメージを浸透させるのにはいいので、ここを軽視するべきではなかったし、ここを踏ん張れば、東芝の経営は傾かなかったと思う。

 ウェスチングハウス買収が東芝不正の最大要因だ
 http://mainichi.jp/premier/business/articles/20160120/biz/00m/010/021000c

シャープが傾いたのは、利益率が極端に低い事、つまり、高付加価値品が作れない事にあるのだが、それは、ユーザーを知るという当たり前の事が出来ていない事に問題があると思う。シャープはよくも悪くも技術主導で突っ走る傾向があり、ユーザー目線がどうもズレている。このズレが大きすぎると付加価値の高いものが作れない。ただし、いいものを作る技術力があるメーカーなので、要するに製品をユーザー目線でプロデュースできる人間がいれば再建できるメーカーだと思う。そういう意味で、僕でも再建できそうなメーカー。要するにユーザー目線がないので、それを補うだけでいいものが作れる。問題は技術者に、それはNOという人がいない事が問題だと思う。技術的に優れたものに突っ走る。それはいいとしても製品としての完成度の低いものをつくってしまう段階で高付加価値品が作れないで、利益率を圧迫して潰れそうになっている。ホンハイの傘下にでもなって、人の下について、もっとユーザーの目線に立って製品を作る謙虚さを身に付けるべきだと思う。

まとめ

  • 東芝は経営陣が必要な部分にきちんと投資しなかった事が駄目だったと思う。シャープは製品プロデュースが出来ていないんだと思う。どちらも技術的に優れたメーカーだが、東芝は恐らくウエスチングハウス(5400億円)なんてくだらないものを買った事が、後の経営資源の枯渇に繋がったのだと思う。その結果、必要な分野に経営資源を投下できず、自社の製品がコモデティ化するのを許してしまったと自分は見る。シャープは、技術者のプライドが高すぎ、もッと謙虚になるべき、ユーザー目線を持ったプロデューサーをホンハイあたりから招いてもらって製品を作り、高付加価値品と低価格品の両面を作っていくべきだと思う。低価格品で量産した部品でコストダウンし、その上に高付加価値品のパーツを乗っけるスタイルで価格競争力のある高付加価値品を作るべきだ。潰れかかっている事は改革のチャンスでもある。東芝の経営陣は、交代した方がいい。シャープは製品プロデューサーを招くべきだと思う。