最近アニメの「だがしかし」を楽しく見ている。何がいいかというと、ストーリー全体に流れる駄菓子に対する愛と、菓子企業の令嬢、ほたるの楽観主義的な行動力がちょっとズレてて、見ていて面白い。
人間はある事に熱中してしまうと、他の事を無視してしまう傾向にある為、社会の常識とズレてしまう事がある。ほたるというキャラクターも駄菓子に真剣になりすぎて、どうしても発想がズレておかしくなってしまう。そこがこの作品の面白さになっている。
それって、ただのオタクじゃんと思うかもしれないが、要するにそういう発想がいいのだ。専門家とか研究者のように、ひとつの事に対して偏執的に理解している人間というのは、その分野において最高ランクの能力を発揮する。他は駄目だけど。
その駄目なところがおかしいのが、この作品のいいところ、まさに駄菓子なのだ。自分がこの作品がいいと思うのは、その偏りに愛があるからで、例えば、駄菓子が食べにくいのは、子供の僅かなおこずかいで買える駄菓子は、どうしても量が少なくなってしまう。だから、普通に作るとあっという間に食べ終えてしまい味気ない。そこで駄菓子は食べにくくする事で食べごたえを出すようにしているという所などは、子供に対する愛が感じられていい。
専門に偏っておかしな所と、同時に相手を思いやる愛があるところがいい。どんな仕事にも根底に愛がないと、いいものにならない。そして、その愛を実現する為に創意工夫するところがいいんだ。なんて言うか愛があると哲学が生まれる。そして、その哲学が価値を生み出す。駄菓子は、駄目な菓子なわけだけど、その根底に流れるスピリットは一流だと思う。表面的には二流三流でも、その裏にある考え方は一流だと思う。
自分が良くないと思っている成果主義は、それを愛ではなく金で説明しようとするから、金で物事を説明しようとすると、そこに愛がなくなる。愛がないと哲学が生まれないので、価値が生み出せない。価値のない二番煎じのものを売って客はつまらないと感じる。そのつまらなさが業績を悪化させる。
駄菓子は、その逆なのだ。滅茶苦茶やすい価格なのにビジネスが継続しているのは、根底に愛があるからで、そこにストレートに子供が反応しているからだと思う。哲学があるから楽しい。そういうところが、この作品には満ちあふれている。だから面白い。
アニメ だがしかし 公式ページ
http://www.tbs.co.jp/anime/dagashi/