SKY NOTE

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牛のゲップのメタンガスを99%減らす海藻が発見される

牛のゲップから生じるメタンを99%減らせる海藻が見つかったと言う。

オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)とジェームズ・クラック大学のチームが発見したこの海藻「Asparagopsis taxiformis」は、飼料に混ぜると牛のゲップのメタンガスを99%削減できるというもの、メタンのエネルギーは飼料のエネルギーの15%に達すると言われ、それを削減できると言う事は、温室効果ガスも飼料も減らせるという一石二鳥の海藻。この海藻は、牛の腸でメタンを生み出す酵素を大きく弱める性質があり、ほとんどメタンを空気中に放出しなくなるとの事。

 

CSIROによると、オーストラリア全土の250万頭の牛に、この海藻を与えるには、6万ヘクタールの海藻畑が必要との事。ちなみに日本の牛の頭数は、農水省の2015年の畜産統計によると…

 

 畜産統計(平成 27 年2月1日現在)

 http://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/tikusan/pdf/tikusan_15.pdf

 

牛:合計:386万頭

 乳牛:137万1000頭

 肉牛:248万9000頭

 

日本だと9.2万ヘクタールが必要になる計算になります。日本は海が多いので、充分、確保できる面積です。牛のゲップのメタンガスは温室効果ガスの5%とも言われ、この海藻によって、その99%が削減され、飼料も削減できると言う事は、温室効果ガス削減と食糧自給の両面から、この藻は注目に値します。

 

 温室効果ガス - Wikipedia

 

世界の温室効果ガスは2010年時点で二酸化炭素換算で427億トンに達している。その5%が、この藻によって減らせるというのは、素晴らしい成果だ。休耕田で飼料米を作って、瀬戸内海辺りで、この藻を作って、牛に食べさせれば、温室効果ガスを出さず、しかも、飼料も15%削減して、国産の牛乳が飲めたり、牛肉が食べられるというわけだ。

 

 1頭あたり500リットル/日!

 牛のゲップは温室効果ガス5%分に匹敵するって知ってた? 

 http://woman.mynavi.jp/article/130709-025/

 

食糧自給と環境問題の両面で、この藻は素晴らしい。牛の糞などは、非常に貴重な肥料になるし、総合的に日本の食糧自給を改善する効果があるので、この藻は注目に値する。自分が食糧自給にこだわるのは、国内で食料やエネルギーを自給できれば、国際競争をしなくてよくなる。輸入を減らすことで、貿易赤字を減らし、同時にグローバル経済と言う搾取型の経済モデルで皆が貧乏になって苦しむのを避ける事が出来るからである。

 

 飼料に関する現状と課題 今後の方向性など 平成26年 

 http://www.maff.go.jp/j/council/seisaku/tikusan/bukai/h2601/pdf/10_data10.pdf

 

日本の飼料用トウモロコシの輸入量は、2014年で850万トン程度、飼料米として多収穫米を栽培すれば、1ヘクタール当たり10トン収穫できるので、85万ヘクタールあればいい。この藻によって、その10%位削減できれば、77万ヘクタールでいい、日本の使われていない田んぼ、いわゆる休耕田は100万ヘクタールあるので、飼料用トウモロコシが自給できる土地は充分ある。そうする事で肉と牛乳と卵が自給できる。これは素晴らしい事ではないだろうか?これによって日本の食糧自給率は大幅に上がる。安定した食糧自給は国の礎なので、そういう意味で、この藻は重要。つまり、この藻と飼料米によって、日本人はグローバル経済によって搾取される事なく、安心して肉や牛乳を食べたり飲んだりできるというわけだ。

 

長期的な視点で考えると、気象変動によって、将来にわたって安定して外国から食料が輸入できるとは限らないし、また、少子高齢化によって、外国から食料を買い付けていられるほどの経済を維持できるかも分からない、そう考えれば、国内で食糧を自給できるということは極めて重要な事とといえる。つまり、将来的な視点から言うと、この藻は、温室効果ガスを5%削減する事で気象変動を回避し、将来的に安定して食料を確保すると言う両面から見て、有効なものなのである。多面的に見て、とても有用である。