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WWDC 2016 より洗練された「macOS Sierra」

ApplemacOSの新バージョン「macOS Sierra」を発表した。正式リリースは2016年の秋、デベロッパー向けのパブリックベータは2016年7月より公開。

対応機種一覧
2009年以降
 MacBook
 iMac
2010年以降
 MacBook Air
 MacBook Pro
 Mac mini
 Mac Pro

リリース時期:通常版:2016年秋、デベロッパプレビュー:2016年7月公開(APFSは、2017年公開)

pc.watch.impress.co.jp



OS X」から「macOS」へ

他のAppleの製品と同じように最初を小文字にして、そのあと、次の大文字で始まる単語が来るタイプの形式に変わった。(macOSiPhoneiPad、tvOS、watchOS)今回のバージョンは、macOS Sierra(10.12)となる。Sierraとは、シエラネバダ山脈からとっている。ちなみにElcapitanは、そのシエラネバダ山脈にある一枚岩の事。では、新しい機能を紹介していこう、テーマは三つに分ける事が出来る。シームレス、コンパクト、ボイスだ。

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よりシームレスに

0.シームレスなロック解除(Auto Unlock)
AppleWatchを身に付けた状態で、MacBookに近づき、開くだけで自動的にロック画面が解除されると言うもの、煩雑なパスワード入力から開放され、その結果、システムロックが自然に使われるようになり、より強力なセキュリティ環境になる。

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1.シームレスなファイル共有(iCloudの拡張)
iCloudを経由してmacOS上のファイルを他のMacあるいは、iPadiPhoneと同期できるようになった。

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2.シームレスなクリップボード(Universal Clipboard)
maoOSのクリップボードiPhoneiPadと共通化するもので、iPhoneiPadでコピーしたものをMac上でペーストできる。コピーは、テキストのみならず、動画や写真も出来る事が示された。



3.シームレスな決済(ApplePayをMaciPhoneのtouchID経由で決済できる)
「ApplePay」がmacOSでもサポートされた。(ウェブページでの決済)
ApplePay対応のウェブページで決済すると、iPhone指紋認証(touch ID)を行えるというもの。これにより、決済プロセスにおけるパスワード入力から開放され、同時にクレジットカードの認証詐称はかなり困難になる。

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よりコンパクトに

1.コンパクトなファイル(ディスクの空きが少なくなったら、iCloudへ退避)
ローカルストレージの空きが少なくなったら自動的に検知し、ストレージを自動的に整理するツールが加わった。iCloudに古い文書や写真などを退避し、ローカルストレージの空きを確保(iCloudの新機能)

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2.コンパクトなウィンドウ(ウィンドウをタブ表示でコンパクトに)
OSレベルでアプリのウィンドウをウェブページのようにタブ化できる。しかも、アプリに追加対応は必要ないので、今までアプリのウィンドウがそのままタブ表示できる。これは便利そうだ。

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ボイス(siriがmacOSに導入された)

1.Mac内の画像を声で検索できる
Macやウェブの画像を声で検索でき、同時に、その画像をSiriを使って作成中の文書にペーストも可能。また、検索結果を通知領域にクリップしておき、いつでもそのデータが使えるようになった。

2.ディープラーニングでファイル内容(画像)を理解する
ローカルのプロセッサパワーを利用して、写真に写っている内容などを理解して、声で検索できるようになっている。ローカルなプロセッサパワーと言う事は、ネットワークを経由しないのでプライバシーは保持されるような形になっているようだ。

 

Siriのデモ動画リンク(リンクをクリックするとSIriのデモが始まる44分38秒目)

https://youtu.be/n5jXg_NNiCA?t=44m38s


APFS(Apple File System)

Appleは新しいファイルシステムを発表した。その名も「APFS」(Apple File System)新OSより後にリリースされ、2017年に公開予定と言う。
 
 macOSで採用されるAppleの新ファイルシステム「APFS」
 http://gigazine.net/news/20160614-apple-file-system-apfs/

自分は、これが最も大きな発表だと思っている。このファイルシステムはぶっちゃけ、タイムマシーンの機能(時間軸:差分バックアップ)をファイルシステムに統合したものである。なんでそんなのが、大きな発表なのかというと、それは後で説明する。今は、機能の詳細について説明する。

1.差分記録(スナップショットとクローン)
スナップショット
変更されたヶ所のみを保存する。これはタイムマシーンの機能を置き換えるものだとの事。
クローン
ファイルやフォルダのクローンを作成し、オリジナルファイルが変更されると、変更点が自動的に記録され、文書の改訂やバージョニングの追加が容易になるとの事。


2.タイムスタンプ(保存や開いた時の時間管理が秒単位からナノ秒へ)
タイムスタンプ処理が秒単位からナノ秒単位になり、より細かくオペレーション順序を終えるようになった。

3.クラッシュ保護
ファイルの書き込み中に電源を喪失しても、ファイルが破損しないように保障する「クラッシュ保護」が追加された。

4.暗号化
FileVaultを強化し、三つモードで管理できるようになった。

 「暗号化なし」

 「単一キー暗号化」

 「マルチキー暗号化」

5.フォルダーサイズの計算の高速化
「ファスト・ディレクトリ・サイジング」というフォルダーサイズの算出の高速化が行われる。これは、やっと速くなるのかと思う。もっと早くやって欲しかった。macOSは、フォルダサイズの計算が遅かった。

6.スペース共有
説明読んでも、よくわからなかったので、そのまま引用。
複数のボリュームを作成するにあたって、ストレージ内の同じチャンクを用いることが可能となります。Ars Technicaはこれを「スペース共有の概念」と表現しています。例えるなら、ディスク容量が1TBであっても、チャンクを共有することで、4つの1TBのボリュームを置くことも可能になるというもので、これによって、ボリュームサイズを変更することなく物理ストレージの追加が行えるとのこと。

なぜ、APFSが最も大きな発表なのかと言うと、これが将来のAppleのハード構成に影響を与えるからです。ファイルシステムそのものに差分記録をサポートすると言う事は、Appleとしては、データの書き換え量をできるだけ少なくする意図が見えるわけです。つまり、ストレージの完全Flash化です。NANDフラッシュメモリは書き換え可能回数(実質3000回程度)は少なく。データを何度も書き換える事が苦手、APFSは、その弱点を補うと同時に万が一Dataがクラッシュしても、バックアップ機能をファイルシステムそのものに統合し、復元しやすくしている。

ストレージのFlash化は、既にモバイルでは実現していますが、ディスクトップでも、それを行う事になることが予想されるわけです。そうなると、今までよりも遥かに薄いiMacMac miniが登場すると考えられるわけです。2020年にはTLC(3bit記録)を採用したFlashがHDのGB単価に近づくとされています。APFSはその為の布石と考える事が出来るわけです。Appleとしては、このファイルシステムによってユーザーのDataを安全に保存しつつ、同時にSSDの高速性を最大限に活用するというわけです。単に本体が薄くコンパクトになるだけでなく、使用スタイルまで変わってしまうかもしれません。そういう事が予想されるのでAPFSが大きな発表だと自分は考えるわけです。

まとめ
新しいmacOS Sierraは、よりシームレスなロック解除、ファイル共有、コピー、決済を行いユーザーの様々な動作の継ぎ目をなくして、よりスマートになった。そして、よりコンパクトなファイルやウィンドウをiCloudやタブ化で実現して、使い勝手が向上し、さらにSiriに対応する事で人の言葉を理解するのみならず、写真などの内容もディープラーニングで認識し、検索する事が出来るようになった。そういう意味で、ナレッジナビゲーターに近づきつつあると言える。そして、APFSによって、より強固なファイルシステムとなった。自分は、APFSによって、完全にメカニカルドライブを無くしたMacがディスクレイテンシなく滑らかに動作し、SiriとディープラーニングでSF映画ライクなボイス操作がスムーズにできるコンピューターがやっとディスクトップにやってきたと感じる。そういう意味で、SF映画ファンに待望のバージョンアップである。まだ最初のバージョンなので出来る事は限られるが、これからAIが進歩していく中で、バックトゥーザフィーチャーに出てきたテレビのような操作が出来るようになるだろう。Siriのデモは、それを彷彿とさせるもので、今後が楽しみだ。

 

WWDC 2016 Keynote (2:02)

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