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沖縄科学技術大学 新竹積教授、低コストな小型波力発電機を開発 

沖縄科学技術大学院大学の新竹積教授が小型波力発電機を開発し、特許出願、実用化しようとしている。

 
 沖縄タイムス:波で発電、特許出願 OIST 新竹教授「沖縄の産業に」
 http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=131159

 小型波力発電、離島に希望 OIST新竹教授が特許出願、実用化へ
 http://ryukyushimpo.jp/news/entry-196057.html

従来のものとの違い:設置やコスト、発電効率の課題をクリア

  • 従来、波力発電は沖合に直径80mのプロペラを海に沈めるというもので、発電効率が悪いことや、沖合に設置する仕組みが多く、装置やコストに課題があって実用化に20年は必要と言われていた。それに対し、今回の新竹教授の開発した小型は力発電機は、80cmという(1/100)小型のプロペラをつけた発電装置を恩納村の浅瀬に設置、100Wの波力発電に成功した。
  • 試作機
  • ・プロペラ径:80cm
  • ・ブレード枚数:5枚
  • ・回転数  :200回/分
  • ・出力100ワットの発電に成功
  • ・コスト  :100万円以下
  • ・沖縄での発電可能日数:100日(推計:気象データの解析による)
  • ・総発電量:60000kWh/1機(推計)

特徴

  • 波が崩れる直前の強い水流の変化に順応してプロペラが右や左に回転することで、乱流の中でも高いエネルギー密度を維持することができる。製造コストは100万円以下

実用モデルについて:1.8mのもの40基で80mの巨大風力発電と同等の出力

  • 実用化には、1.8mのプロペラで台風にも耐えられるように車のタイヤのゴムに使う素材を使って、波を効率よく捉える形状にしている。海岸の消波ブロックに設置するなどして、発電コストは風力発電の1/5に抑えられるという。海岸線の長い日本列島にはぴったりの発電方法だ。それが風力に比べて発電コストを1/5にできるということは、かなり有望。
  • 新開発の波力発電機(想定)
  • ・プロペラ径:1.8m
  • ・出力   :25kw(これを40基で80mのプロペラ風力1基分に相当)
  • ・発電量  :沖縄での想定稼働時間 2400時間(100日間)
  • 25kwh×2400時間=60000kWh

発電出力/発電量について

  • 波力発電が風力発電と同じであれば、発電出力はブレード半径の2乗に比例し、波の速度の3乗に比例すると考えられる。1.8mのブレードは80cmの試作モデルに比べて半径は、2.25倍なので、その2乗の5倍の発電能力があり、そして、波の速度の3乗に比例する事から3.67倍(50倍:3.67の3乗)の波の速度に耐えられる設計(5×50:0.1kWh×250倍の25kW)という事なのだろう。そして、沖縄での気象解析による推計で年間稼働時間は2400時間(100日間)なので、25kWh×2400時間で60000kWh、一基あたりの発電量である。原発の年間発電量が約50億kWh(出力100万kW×稼働率60%)なので、この波力発電機が8万台(波力発電機のコスト:800億円:8万台×100万円 ちなみに最新型のLNG火力発電所100万kW 1000億円)あれば、原発一基分発電可能である。1基の設置に3m間隔として計算すると3m×8万台=24万m:240kmの海岸線につければ、原発一基分である。日本の海岸線の総延長は、3万5126kmです。その5%(1756km)に、この波力発電機を一列に設置したとすると、351億kWh発電できる。2014年の日本の発電量は9101億kWh(2013年は9397億kWh)

 【基礎資料】エネルギーや発電などの図表集、データベース
 http://icchou20.blog94.fc2.com/blog-entry-413.html#ja02

発電コスト

  • 風力発電の1/5のコストで発電できるという事は、発電コストは2〜3円/kWhとなるので、自然エネルギーの中では最も安くなる。

耐久性と設置場所

  • 恐らく最も大きな課題は波のパワーをどう受け流すかだと思われる。それについては、ゴムを使うのはいいと思う。これによって波の力が強い時には、ゴムのしなやかさで、力を受け流す事がある程度は出来るだろう。ただし、東日本大震災のような巨大津波の場合、発電機ごと押し流される恐れがあるので、地震による津波が少ないと思われる日本海側や沖縄県の海岸線が理想的な設置場所といえるだろう。
  • この波力発電機の設置イメージ
  • 特に沖縄県は、これを使う事でエネルギーの自給自足が出来るのではないだろうか、沖縄の電力需要は約73億kWh(2012年)
  • 沖縄県の海岸線476kmの1/10の48kmで、大体10億kWh発電できる。これは発電施設を1列に並べた場合で、これを7列にすれば、全電力をこの波力発電で賄える。つまり、再生可能エネルギーだけで沖縄の電力まかなえる計算になる。しかも、風力の1/5の安い電力なのだ。化石燃料よりも安い。地域の一大産業になり、しかも安い電力で産業の振興も図れる。そういう意味で、この波力発電機は、沖縄に特に有望だと思う。