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SKY NOTE

skymouseが思った事考えた事を記したもの

東芝の大規模リストラに見る日本の電機メーカーのダメなところ

経済 考え方

東芝粉飾決算の後、会社の本当の決算を吐き出した。この惨憺たる数字の羅列を見て、長期にわたる無能経営と文化庁の無理な著作権政策が東芝をダメにしたと思った。だが、これは東芝に限った事ではない。なぜなら、今や日本メーカーの商品で私が欲しいものは殆どないからだ。冷蔵庫も買い替えたいが、あまりにも設計が不味すぎて、買えないのが現状だ。

 東芝の人員整理の数字を見てみる。
 

映像事業が大幅赤字で人員規模が4800人から1100人(-3700人:-77%)と規模が1/4以下になっている事から見て、テレビとビデオがかなり苦しいと見られる。これが今回のリストラ人員の1/3を占める。映像部門の不振の要因は文化庁の無理な著作権政策と面白くなくなったテレビコンテンツと非正規労働の拡大が背景にあると思う。そして、顧客のニーズをくみ取った製品開発が出来なかった事も付け加えるべきだろう。複合的な要素で映像事業は厳しい状況に陥っている。

ではどうすれば良いのだろうかと考えてみた。

ビデオ
1.使い勝手の悪いコピープロテクト

2.ここ10年新しい機能が搭載されていない

  • メディアサーバとして活用し、PCやタブレットとのより緊密な連係
  • PCのように機能をソフトウェアでアップデートできるようにする。
  • 写真、音楽、動画などを共有するメディアサーバ

3.多機能だが操作が複雑で使い切れない

  • タッチパネルとGUIによるシンプルなリモコン操作

4.つまらないコンテンツ

5.高価な製品価格

  • 低価格なPC製品のパーツを流用
  • 本体の小型化

これらの改善点を考えてみると、AppleTVにテレビチューナーとメディアサーバを内蔵したような製品が望ましい事が分かる。AndroidやFirefoxOSとの連携で、こういったものが作れる。要するに機能をハードで固定化する時代は、もう10年くらい前から廃れているのに未だに続けてしまっていた事が問題なのだ。あと、クラウドサーバサービスも必要だったと思われる。要するにハードではなくソフトで機能強化を図るべき時に、ハードに固執した事が問題だった。しかも、この大転換がまるで進まなかったのは、それだけの大きな経営判断が出来なかった東芝の経営陣の頭の古さが問題だと思う。

デジタル化によって、画質の点での訴求面が弱くなったにも関わらず、画質や音質にこだわった製品を追求した事は失敗だったといえるだろう。CEATECで未だに画質や音質を追求している姿を見て時代に合わないと感じていた。今の時代は、映像や音声を様々な形で楽しめるようにする事が大事であった。それもAndroidなどの標準OS上で機能していなければダメなのだ。昔の日本企業であれば、GoogleやMozzilaと提携して、製品が出来るフットワークの軽さがあったが、今は10年経っても、同じ路線の製品しか作れない状態になっている。たまに新しいものが出来ても、儲からないという理由ですぐに手を引っ込めてしまう。儲かるまで続ける辛抱強さが必要なのだが、今の日本企業にはそれもない。

そのように経営が弱くなったしまった理由に非正規雇用の拡大による長期デフレの問題がある。要するにいいものを作っても売れない。新しいものを作っても売れない。その根源は消費者にお金がないからである。これは政府や日銀の金融政策にも問題がある。

しかし、外部環境が厳しくてもAppleのように良い商品をつくるメーカーはある。何が違うのかというと、昔のSONYのようなグランドビジョンが描けるメーカーが消滅してしまった事にある。新しいビジョンがなくなってしまった為、製品のコンセプトが陳腐化し、時代に合わなくなってしまった。

では、昔と今と何が違うのだろうか、それは、成果主義である。成果主義は日本人には合わない。というのは、日本企業の新しいものを作る為に必要だったのは、自由でカオスな開発状況にあったのだが、成果主義は、これに未来を予測し、その成果と比較せよとカオス状況に計画性を要求し、それを破壊してしまった。日本人にこの命令を下すと横並び意識と連動してしまい、二番煎じのものしか出来なくなる。誰も新しいものは作らない。だって新しいものは予測できないから、当然海のものと山のものと分からないグランドビジョンを描く人間など存在しようもない。つまり、今回の東芝の不況の遠因は、SONYの出井さんが導入した成果主義による所が大きい。これによって、パラダイムシフトが出来なくなった日本のAV機器メーカーは、時代遅れな製品しか作れなくなり、時代のニーズに応えられず今回の大リストラに至ったのだと思う。

成果主義をやめて、何をすればいいのか、私はある本を薦めたい。それはマッキンゼーロジカルシンキングである。直面する課題に対して、その本質を突き止め、それらを論理的に把握し、何をするべきか意思決定をする。この戦略的思考が日本メーカーには出来ていない。しかし、その問題をマッキンゼー式の論理思考法というのが、かなり簡単な方法で解決してくれると思う。論理的思考がとても簡単である事を教えてくれる本なのだ。成果主義を廃止して、この本を社員一人一人に配って読ませた方がよっぽど企業にとって良い結果を招くと自分は思う。